聴神経腫瘍⑥ はじめての全身麻酔

脳腫瘍の手術。
当たり前ですが、全身麻酔です。生まれてはじめて受ける全身麻酔。どんな感じか、体験記って、なかなか無いので、きっと誰かの参考になるだろうと思って!体験記を残しておこうと思います。

振り返って今思うと、「麻酔科医の先生ってすごい!!」です。

手術当日の朝は、全身麻酔なので、基本的に食事は中止になります。お腹へった。でもしょうがない。前日から点滴をして水分補給、しっかり眠りました。当日朝起きて、着替え、点滴の確認、簡単な説明などあり、結構あわただしいもんだな、と感じました。手術室まで行って、何度も本人確認。これはとても大切です。なんでも、自分は手術中、麻酔されてしまっていて何の記憶もないですから、きちんと本人を確認してもらう。自分でも氏名と生年月日を言います。ふざけて違う名前とかを言うと、えらいことになるので気をつけましょう。

その後、手術室に入ります。仕事で入ったことは、それこそ数え切れないほどありましたが、自分が、手術される側で入るのははじめて。思ったよりも寒い。本人確認され、麻酔科の先生の自己紹介。その後、手術台に乗ります。点滴の確認などがあり、その後に、麻酔が始まりました。

「麻酔をしますね」「点滴のところが痛くなりますね」と、声をかけられて、あ、本当だ、点滴のところが痛くなってきた。これが麻酔薬かー。痛くなりますよ、って、僕も患者さんに麻酔をかけるときに言っていたけど、本当なんだなー。たぶん、この薬はプロポフォールなんだろうなー、、、
と思っていたら、勝手に目の焦点が合わなくなり、ぼーっとしてきました。

あとは覚えていません。

体感では、20分くらい眠ったあとに、(手術はたしか、5時間くらいでした)ばんばん体を叩かれて、「終わったよ!!」と言われました。すでに手術は終わり、僕は術後の病棟にいました。ひどく頭が痛く、すこし目を開けたあとに、そのまままた眠ってしまいました。脳の手術なので、手術直後は頭が痛かったりするよ、と言われていたのですが、想定を超えた頭痛と、しんどさで、その日はずっと寝ていました。

あとで、麻酔科の先生に聞いたところ、手術が終わった後、手術室で自分は目を開けて、麻酔科の先生の問いかけに答え、人工呼吸器の管を抜く手順をやっていたようです。でも、自分では全く記憶がありません(これが、逆行性健忘というやつ?)。
僕も手術に立ち会ったことがあるので、どんな手術のときに、麻酔科医の先生が、どんな管を体に入れ、患者さんの体を管理しているかは、知っています。そのため、自分の手首には血圧を測るための管が入っていたはずだし、腰には、脳脊髄液を抜くための管が入っていたはずです。
でも、まったく、入れられていたのも、抜かれたのも、全く感じなかった。

これが、生まれてはじめて受けた、全身麻酔の体験記です。
麻酔科の先生ってすごいんだな、こういう技術で、全国の手術が支えられているんだな、と、勉強になりました。


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