『冒険の書~AI時代のアンラーニング』『AIに負けない子育て~ことばは子どもの未来を拓く~』
『冒険の書~AI時代のアンラーニング』孫泰蔵
数多くのテックスタートアップの立ち上げに携わった起業家、孫泰蔵がこどもたちへの教育について語ったのが本書。
AI時代のあらたな学びの提示に予想を超えるものはなく、想定内のものだったが、古今東西の名著を介しながら、教育の本質を探ってゆく本書のスタイルには好感が持てた。
以下、本書に記されていた印象に残った言葉と紹介されていた文献。
「やはり教育と社会は両輪であり、社会を変えたければ、教育も同時に変えないといけない」
「答えようとするな、むしろ問え」
「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目でみることなのだ」(プルースト)
「学習する習慣こそが教育」
「学びから遊びが分かれて、どっちもつまらないものになってしまった」
「もし明日死ぬとして、一言だけ我が子に遺言を残すとしたら、どんな言葉を遺す?」
ヨハン・アモス・コメニウス「世界図絵」
ジョン・ロック「教育に関する考察」
パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」
ヤーコブ・フォン・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」
内村鑑三「後世への最大遺物」
『AIに負けない子育て~ことばは子どもの未来を拓く~』 内田伸子
「冒険の書~AI時代のアンラーニング」と同時期に読んだのが本書。
著者はNHK「あかあさんといっしょ」やベネッセ「こどもちゃれんじ」の監修や開発に携わった発達心理、言語心理、認知科学の専門家。
豊富なデータとエビデンスに支えられた良書。
しかし、「冒険の書」と同様、既知の方法論を超える提示はなかった。
ブラジルの教育者であり、哲学者のパウロ・フレイレは、その思想と活動により、かつて国外退去の憂き目にあったときくが、自分が知りたいのは彼のようなラディカルで危険な教育の在り方なのだ。
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