お役目御免なすって
先日、大叔母の納骨がありました。
江戸っ子で、気が強くて口が悪かった大叔母。
親族にも不寛容で、ケンカをしては、遠巻きにされた大叔母。
私自身、交わら機会がたくさんあったわけではありませんでした。
戦後、男女比率がアンバランスだった頃に
いわゆる婚期を迎え、独身を通した大叔母。
独り、身を立てるために、国の機関に勤め、
男女不平等な社会にあって、
よそ見せずに勤め上げた大叔母。
まるでハリネズミのようだな、というのが、少し距離があった私のイメージ。
四十九日の法要と納骨を併せた小さな式でしたけど、
菩提寺の住職さんのお経を聞いていたら、
大叔母がからだの背面いっぱいに背負った針を
一本いっぽん抜いて並べ、背中を丸めて前を向き、
三つ指ついて微笑むイメージがでてきました。
白装束を身にまとって。
そのイメージを追いかけると、
あぁ軽くなった、も、
あぁ楽になった、もなくて、
私が大叔母の名前を呼んでも応じず、
ただ、お役目を終える時を迎えたので、
セリフをつけるなら「おいとまいたします」でした。
その晩、代官山へ。
プリミ恥部さんのライブ&舞&トーク。
遅れて入ったので、会場は真っ暗で舞が始まっているのがわかりました。
入り口近くで畳に座り込むと、スイッチオン。
もう涙が止まらない。
向かう電車の中でも涙が流れてきてたのはこれか、と合点が行く。
ふと、そうか、あの針は私の針だ!
と思ったら、ぞわぞわっとして、身の毛がよだつ。震えが出てきた。
なにしろ、私のからだの柔らかいところぜーんぶに、ハリネズミの針が生えてるイメージが出てきたから。
それが落ちたってことか。
現実の自分につながる実感はないけど、
でも多分あれは私の私のこと。
自分に向けて牙が生えていたのか!
もう何が何だかわからなくなってきたので、
思考することをやめて、感じるものと共にいることにしました。
と言っても、正直何を感じているのかがわからない。
わからない、がわかるんだと説得して、ただそこにとどまることだけ意識してました。
長々と書きましたけど、だからどうということもなく、記録として書いてみました。
おやすみなさい。
おばちゃん、どうもありがとう。
依り代になってもらいました。