毒の沼地を歩く☠️
こんにちは。
iCAREのクラウドPdMチームのKmatです。
今年こそ数年ぶりにデンマークに飛ぼうかなとコペンハーゲンへの直行便を調べたら、、、2名で70万円超でそっ閉じしました。エコノミークラスとは⁉︎
さて、今回はプロダクトのUXに関する話です。(社内で日報に書いてたものを整理がてら転記編集)
毒の沼地を歩く=インタラクションコスト
先日、社内で仕事へのモチベーションについて話しているときに、モチベーションは日々下がるもので「毒の沼地を歩く」ようなもの。だから上げることより、ダメージの軽減もだいじ!という例えを出してふと思い出しました。
(そういえばこれ、昔、別の場面で挙げたことがあるな…🤔)
…数年前、ToCのサービスを作っているときにUXリサーチをしていて「information-foraging theory」をベースに「インタラクションコスト」について考察したことがあります。その時に挙がった例えなのでした。
また忘れそうなのでここに残しておきます。
参考:「インタラクションコスト」とは
「ライフがゼロ」をサービスからの離脱と捉えてみよう
当時進めていたユーザーテストにて、「インタラクションコスト」をライフまたはHP、MPとか、SAN値とかに例えて会話していたんです。
行動するたびに削れていってライフがゼロになったらサービスから離脱。大きなマイナスで離脱すると悪い印象を残し二度と来てくれない。とか。
古のRPGで例えると、ユーザーが平野にいるのか、毒の沼にいるのかで一歩づつ削られるライフは変わるわけで、いかに毒の沼になるUXを排除できるのか。いかに回復ファクターを用意できるのか。というわけです。
toCのサービスだと最大HPが流入元で変わる
toCサービスの場合、これをユーザーの流入元というマーケティング観点で見ることもできます。
古のRPGで例えると初期値のライフが変わります。
・ディスプレイ広告経由のユーザーは残りHPが3
・リタゲ広告経由のユーザーは残りHPが20
・オーガニック検索経由のユーザーは残りHPが100
・会員登録の再訪ユーザーは残りHPが500
UIなどインタラクションコストに直接関わるものだけでなく、集客手段による質の差も無視できないのがおもしろいですね。
その上で例えば、ボタンクリックで-2、1画面遷移で-5、読み込みの遅さで-30などライフが削られていきます。
逆に良い体験ができると回復する場合もあるでしょう。コンテンツの良さやECならセールの存在とか。
ToCサービスの例だと、「続きを楽しみたい」という常時回復があるゲーム・小説・マンガサービスはセッション時間が長くページ/セッションも膨大になる例と言えます。
この観点で、ゲーミフィケーションやポイントを使った回復テクニックもいっぱい語れそうですよね。
toBのSaaSだとどう考えればいいのか
上記事例は、toCのWebアプリやAPPSを開発していた頃の話です。
彼らはライフがゼロになったら他のサービスを見に行ったり、ブラウザを閉じたりするだけ。場合によっては失望して2度と来ません。
わたしたちが扱っている、toBのSaaSだと少し違います。毒の沼地状態でも離脱にならず、従業員は会社が契約したサービスを利用せざるを得ない状況もあるはずです。
思いつくパターンを古のRPGに例えて挙げてみましょう。
(1)飛行船移動✈️
すいすい移動でライフが減らない
→すばらしいUI・UXかつ業務効率も上がってみんなうれしい
(2)ダメージ量より回復量が上回る😙
→たとえ客観的には全面毒の沼のようなUXだとしても、結果として業務効率が上がっているならヨシ!というプロ向け業務システムあるある
(3)毒無効系 🤪
→使いにくさに慣れてしまうケース。業務効率が下がっていない場合、誰も気づかず埋もれたり、気づいていても改善は後回しになりがち
(4)ゾンビ化 🧟
→業務効率が下がりライフはゼロになるが、会社が契約しているからと使い続けるしかないケース。フツフツと解約リスクが高まっている。
「短期的には使い続ける」しかないので、定量的なユーザー行動に変化が見えず油断していたら実はゾンビ化状態とかある。こわい!
2〜4のように、よくないUXにも違いがあって対応方法もそれぞれ異なります。対応優先度のスコアリングでの考慮したい点です。
対応も型通りではなく利用者のリテラシーで変化しがち。要注意!
1〜2を目指すときも、型通りのUIが正解とはならないので要注意!
中でもとくにゾンビ化は、ToCにはないToBのSaaSらしいケースで、定量調査で見つけられるものもあれば、定性でないと気付けないものがあります。
だからこそSaaSでは両方大切だし、セールスやCSなど経由で聞ける声なども重要な情報源といえます。
最近は、お客さまに使い勝手を直接聞ける機会を持てていますが、もったいないくらいの気持ちでいます。ありがとうございます。
最後に
以上、考え方のひとつとして参考になる方がいれば嬉しいです。
定量は当然として、やっぱり定性的なUXリサーチも大事だよね!やっていき!という話題でした。
わかりみ…とかなるほ!とか思ってくれた方、一緒に働きましょう。