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メトロンズ第2回公演『ミスタースポットライト』感想

2021年10月6日〜10月10日にかけ、赤坂レッドシアターにて、しずる・ライス・サルゴリラ・中村元樹によるユニット"メトロンズ"の第2回公演『ミスタースポットライト』が開催されました。

この"ユニット"ってワードの前に一瞬"お笑い"って入れようと思ったんだけど、お笑いとは少し違うんだよなぁ。"演劇ユニット"の方がしっくりくる。けどお笑い芸人だけで魅せるお笑い芸人ならではの演劇が観れるって意味では"新感覚"演劇ユニットって感じ。


そんなメトロンズの『ミスタースポットライト』を観劇しました感想を自分なりの言葉で残しておこうと思います。

この先ネタバレなのでそこら辺ご注意ってのはもちろんなのですが、プラスで今回結構考察しがいのある作品だったので私なりの考察も残したく思います。当たってる外れてるとか諸々ありそうなあくまで私なりの考察です。そこら辺も申し訳ないのですがご注意ください。 


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初見となったのは10/8(金)。前情報なしで当日を迎えたかったので初日の配信公演もSNSもほぼシャットアウトした2日間を経て、3公演目にようやく現地へ足を運びました。

会場に入って目に飛び込んできた舞台セット。"どストライクで私の好きなテイストの話がくる"と一瞬で思えました。元々"シリアス×笑い"テイストのコントが個人的に好きなので。いかにも"こんなところに助けなんて誰もこねぇよ"って雰囲気漂う物騒な閉鎖空間。好きだなぁと思ったと同時に、"これは前回の副担任会議とはまたガラリとテイストの変わったお話が観れそう!"と一瞬で思えました。


そんな気持ちの最中いざ幕開け。関町さん演じるハラダの登場でいきなり?!?!とさせられました。"……ポップwwwあれ全然シリアスじゃないwww"と。お芝居のスタートって自然と身構えたり力んだり(?)とかあって笑いを忘れてしまうのですが、あのハラダの冒頭シーンで早速口元が緩みました(笑)

愉快なシーンも束の間。本題に入った途端なんと排気口からの全員登場。"あの排気口ただの舞台セットじゃないのか!演出に使ってしまうのか!"思って初っ端から惹き込まれました。後池田さんな世界観だなぁ(笑)とあのシーンは思えました。あの排気口その後も何度か演出で出てくるのがまた良い。


登場人物が置かれてる状況としてはやはりシリアス。でもその中で繰り広げられる人間模様の展開のほとんどはやっぱ可笑しくて、今作品も初めから最後までずーーーっと笑ってました。でもシリアスなとこはシリアスなんですよね。そこを魅せる演技力も6名全員長けてるので観ててハラハラさせられます。特に児玉さん演じる"梅本 徹"。銃を向けられる時の怯え方とか迫真の"私を殺してくれ!"とかリアルで刺さる刺さる。


10/8の他にも10/9昼・10/10昼夜の計4公演足を運んだのですが、生で4回観て4回とも大きなインパクトを受けた場面が2つありまして。


一つ目は、強盗組のいざこざを耳にして耐えきれず殺されたはずの梅本が(実際は殺されてないので)戻ってくるシーン。ここ3分ほど梅本の独壇場が繰り広げられるんですが、梅本の喋りっぷり動き表情全てが面白いし他5名の固まった顔も面白いしで初見時はもちろん4回観て4回とも大爆笑したシーンでした(笑)


二つ目は、梅本のラジオシーン。ここは児玉さんのプロの仕事っぷりと置かれた状況の差の演技の凄さに持ってかれたのはもちろんなのですが、私的にはプラス4回目上手側で見た時にちょうど田所さんの表情がしっかり見えまして。梅本のプロ魂を真ん前で見て葛藤しながら心が変わってゆく姿が細やかに見えてそこでウルッとさせられました。


3・4回目くらいになると話も分かってるので、今度は6名の表情とかセリフがない時の仕草とかも細かく観たいという欲が出まして。とにかく全員演技が細やかなとこまで魅せてくるので一人ひとりに注目したくなる。前回に引き続き6名それぞれを追おうとすると目が足りない現象に今回も陥りました。


後赤羽さんと村上さんの役が前回とやや似てるなと思ったのもあって。赤羽さんが前回に引き続きやや周りに左右されやすい感じの役。ちょっと頭の回転が悪いけどそこが憎めない感じの役。あれは6名の中で赤羽さんが1番合うんだろうなと。村上さんも前回に引き続き"お前何者やねん"ポジション(笑)今回も最後まで名前が出なかったし(笑)ただ"医者"という肩書きにしかスポットライトが当たらない。"無職"と"タレント"の2人とは違い中身にスポットライトが当たらないまま終わるあの切なさが、お話のスパイスとなって良いなと思いました。


池田さん演じる"タカハシ"も良い役だったなぁ。4回目でしっかり気づけたけど、好きな梅本を人質に取ってしまったことを深刻に思ってるぞこの人って言動を最初からしてたんだよな。後"お前にはキレイすぎる。元々汚れてる俺が殺した方が"ってとこは痺れました。池田さんって痺れる語録が多いんよな。


そうだ、フライヤー!観終わった後フライヤーを見てうわぁぁぁ!!なったのは観た方皆そうだと思いますが私も。

あのフライヤーを見て考察が一気に膨らみました。今回の一連のお話はハラダの経験談なのは分かったのですが、私としてはあれはハラダ主演で舞台化(最初そう思ったのですが色々意見を耳にするうち番組化の方が正しそう)した設定だと考察して。フライヤーの中にメモ帳みたいなのがあるのですがあのメモ帳の中に今回の一連のお話がメモとして残ってるのかなー。もしかしてこれってタレント引退して脚本なり演出なりのポジションに仕事チェンジした梅本プロデュースの作品なのかなー。とか(全然違ったらアレなのですが)色々考察が捗りました。


もうひとつ、結局ミスタースポットライトって誰なんだろうと正直明確な答えが私の中では出てなくて。でも上記の考察からすると梅本なのかなぁと。でもあの実体験で1日でドリームを掴んだ張本人ならハラダだし、いやあの時出会った人全員にスポットライトが当てた作品を作ろう的な解釈だったら全員がミスタースポットライトだし……って感じで、もう考察が捗る捗る。


……あぁ…めちゃくちゃ感想が長くなりました。いっぱい笑ったし、笑い以外の感情にも持ってかれましたし、何回も見れば見るほど、見る角度を変えれば変えるほど気付ける面白ポイントもあって。メトロンズ、すごい腕だなと思えた第2回公演でした。


第3回公演も来年のGWに決まったとのことで。おめでたい。今回の作品が1回目からテイストがガラリと変わったように、また今後もいろんなテイストの作品を観れたら良いなと思います。

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