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#NIKKE
no name「#7 世界中の誰よりきっと」
前回までのあらすじ
私は量産型NIKKEだけで構成される小隊で衛生兵として働くNIKKE。同じものが何体も作られ戦って壊されるだけの兵器である私は思い出を遺すのが嫌で、特別な存在になることを拒否していた。名無しの衛生兵で終わるつもりだった私はこの小隊に配備されてから少しずつ変わり始めていた。今回の戦闘で小隊のNIKKEであるエブリンとナオは重傷を負ってしまった。
1時間ほど前は完全に快晴だった
no name「#6 名前にまつわるエトセトラ」
前回までのあらすじ
私は第8軍団第8機械化歩兵連隊第244中隊の第1小隊で衛生兵として働く量産型NIKKE。作戦中にラプチャーとの交戦で機関銃手のエブリンが片足切断、新兵のナオが機能停止寸前という大きな損失を受けた。ラプチャーを撃破した私たちは援軍と合流するために来た道を引き返す。その途中でナオを完全に修復するための手段があると指揮官から知らされ、その真相を知った私は嬉し涙を流した。
少し風が
no name 「#1 名もなき衛生兵」
「衛生兵!衛生兵!」
2時の方角から私を呼ぶ信号灯が見える。
ガガガガッ!!ガガッ!!ガンッ!
前方から連続した激しい金属音が聞こえる。私の隠れている遮蔽物がラプチャーの銃弾を跳ね返しているのだ。私が遮蔽物としているのは地上に放棄された何かの金属の塊。長さ5m高さが2mくらいの半分ひしゃげたような直方体に「Speed!Safe!Secure!」と所々剥げた赤文字でプリントされている。形状から言
no name 「#2 私がNIKKEになっても」
「前回のあらすじ」
私はとある小隊で衛生兵として働く量産型NIKKEのテトラライン社製I・DOLLオーシャンタイプ。徒歩で目的地へ向かって行軍中に斥候と思われるラプチャー3体に会敵した私たちの小隊は戦闘に入り、2体のNIKKEが重傷を負ったが2体のラプチャーを擱座させた。そして現在状況は膠着しつつあった。
私は衛生兵だから戦術とか戦略とかはさっぱり分からないが、指揮官のとった行動はかなり消極的