好きな人の隣で、穏やかな時間が流れたらいいのに。

セクシャルマイノリティの人間を認めていきましょう、と簡単に言われても、と思う今日この頃。
全く知識も意識も無い方からしたら、取っ掛かりとなるのが「LGBTQ」という言葉。
だが決してそんな少ない言葉では説明しきれない、様々な場面で悩んでいる人たちがいる。

周りの大多数と感覚が違う時に、堂々と自分の感覚はこうです!と胸を張って言える人をとても尊敬する。
実世界で言えないから、ここで書いているわけだが…。

バイロマンティック
両性に対して恋愛感情を抱くこと。

デミロマンティック

強い感情的な絆や、信頼関係が築かれている関係の人に対してのみ、稀に恋愛感情を抱くこと。

ノンセクシャル(アセクシャル)
他者に対しての恋愛感情はあり得たとしても
他人への性的欲求を持たないこと。

今のところしっくりきてるのがこのあたりだろうか。


性的指向について。
周りが恋人をつくり、キスや性行為をすることが愛情表現の一つとされ、また恋人がいなかったらそういう関係だけの人を求めて、それが普通とされる世間で、どうして自分は同じ感覚にならないんだろうと、大人になるにつれてノンセクを知るまでは最初は不安で仕方なかった。

学生時代に何度も痴漢に遭ったことがあり、性的対象として見られることの気持ち悪さを感じてしまった。
そこから男性嫌悪、性嫌悪が酷くなり、男子生徒と交流することは最低限でしかなかった。
そんな中でも気になる男性というのは何人かいた。
ただ気になるというのは、仲良くなりたいとかそういった単純な願望だけで、そこから付き合いたいとか、手を繋ぐとか、キスや行為がしたいとか、そんな願望がどこにもなくて、というか多分できないなと思ってしまい、仲良くなるという以上に進むことは無かった。
まぁそもそも人見知りすぎて喋れなかった。笑

20代半ばの頃、男性とお付き合いしたことがあった。
出会いは流行りのマッチングアプリ。
周りの恋愛したい恋人が欲しいという感覚になんとかついていかなければとか、男性嫌悪を克服した方がいいのかとか、経験がないことの焦りからなのか悩みに悩んで、色んな男性と話すにはアプリが楽だろうとやってみることにした。
今冷静に考えれば血迷いすぎた。笑
実際数人会ってみて、一番話しやすいと思っていた方から、3回目に会った日に告白され、気持ちが追いついてないまま経験の一つだと思いお付き合いをした。
結果はとても苦しい経験になった。

彼は誠実で優しく、私の好きなものを覚えててくれ、行きたい場所に連れてってくれる、とても良い彼氏だったと思う。きっと純粋に彼女が出来たことを喜んでくれていて、これから一緒にしたいこと行きたい場所、次はこんなデートがしたいと色々嬉しそうに提案してくれた。しかし私は心の中で、そのどれも一緒にしたいと思えなかった。隣を歩いて肩が触れ合うことも、手を繋ぐことさえも苦痛に思えた。
彼がこちらの家に来たいと言った。お酒を持って行くから、もしかしたらお泊まりになっちゃうかもね、と言った時の表情で、あぁそういうことか、と流石に察した。
まだ出会って間もない恋愛感情も持ててない彼と行為をする事は絶対にできないと感じた。だって手が触れるのでさえも厳しいのに。こんな想いが苦しくなって、こちらから別れを告げた。何年か交流があってお互いに知り合ってからだったらまた違ったのかも、と今は思うが、きっと彼とのペースは合わなかっただろうから。

お付き合いをした彼には無駄な時間を使わせてしまったと罪悪感でいっぱいだが、より自分を理解するには良い経験ではあったのかもしれない。

自分が好きになった相手に求めることが、
美味しいご飯を一緒に食べたり、
気になる場所に一緒に行ったり、
お互いの好きなものを共有したり、
悩みを話したり、
辛いときに支え合ったり、
正直なところ友達という存在で収まってしまうことしか望んでないのかもしれない。
相手に体の触れ合いを求められたら、応えられるかは分からない。恐らく何度かは拒否してしまいそう。
そう思うと、恋人になるというのは酷なのではないだろうかと感じてしまうのだ。

無理するのはもうやめた。
周りに合わせて焦り散らかすのもやめた。
そこまでして自分を擦り減らすのもったいない。
こういう人間が居たっていいじゃない。

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