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生々流転の人生だからこそ、この一生を大事にしたい

100歳の叔母さんをおくった。
戦前・戦中・戦後を生きてきた大正娘は、元ミス静岡だったと聞く。
嫁入り先で寝たきりの姑を、10年以上面倒見ていた若かりし頃の叔母さんの姿を、朧げながら覚えている。
当時は介護保険制度もなく介護施設もないので、家で主婦がお世話をしていた時代だ。
その姿を見ていた娘が今度は6年間、嫁入り先の自宅で世話をして看取った。

大海から天に登った一滴が雲になる。
雲から地上に雨を降らす。
降った雨は川上から川下に流れて大海へ注ぐ。

すべてのものが、生まれて死に、死んでは生まれることを繰り返す。
人の死は悲しいが、その人の生き様を、お葬式で感じとれる。
すべてのものが形を変えて永遠に生きるとしても、その人の一生はその人限りだ。

わたし自身の生涯を表す形はなんだろうと考える。
小学生の頃に親からもらった「家なき子」の本。
少林寺拳法の大会でもらった最優秀賞の盾と黒帯。
労働運動の道を綴ったブログ本。
市長選挙と県知事選挙の勝利の証。
ボランティア活動継続記念にいただいた置き時計。
それらのことをわたしの終活ノートに残しておくこととした。
そうしておけば残された遺族があれこれ探さなくともいいだろう。
加えてわたしの好きな日本酒を数本加えれば言うことなしだ。
それも書いておくこととしよう。 合掌

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