曼珠沙華 あれば必ず 鞭うたれ。 鞭の意味するところはなんだろう。
曼珠沙華は華やかな名前。
彼岸花は秋の訪れを告げる名前。
妖艶な赤い花をひとつつけた茎がすっと伸びる。
曼珠沙華が群生している様は壮絶で妖艶な赤に圧倒されそうだ。
墓地にも生えているので死人花とか幽霊花などという不吉な名前もいただいている。
それは真っ赤な花の色が血を連想させるからだろうか。
それにしてもちょっと可哀想な名前だ。
高浜虚子の「曼珠沙華 あれば必ず 鞭うたれ」とはどんな風景を詠んだ句なんだろう。
すっと伸びた茎に散歩中の足を打たれている感じかな。
それとも妖艶な曼珠沙華の赤い花になにかを感じ入っている様子なのか。
煩悩だらけのわたしは、曼珠沙華の赤から吉原遊郭を描いた映画「吉原炎上」を連想した。
五社英雄監督の力作「吉原炎上」のイメージカラーは真紅、キャッチフレーズは「女はいま身も心も極彩色」だった。
高浜虚子とは大違いのわたしの心は「吉原の曼珠沙華に鞭打たれたい」。