ドナルド・トランプ「常識の革命」とWoke

 ドナルド・トランプが言う「常識の革命 revolution of common sense」は、アメリカ革命 American Revolution の時に出版されたトマス・ペインの『コモン・センス Common Sense』を意識したものだ。トランプはアメリカ国民に、私たちの祖先が革命時によりどころとした「常識」を思い出せ、と呼びかけているのだ。

 0代の少年少女が自分の性別に違和感を感じることはよくあることで、それは「常識」の範囲内だ。だがそこから先に進んで周囲の大人が生殖器に不可逆的な手術を施すとなると、それは「常識からの逸脱」ということになる。トランプは逸脱を戻せと言う。これが、彼の言う「常識の革命」である。

 Wokeが行う性転換手術の本質は、集団自己去勢である。これは18世紀のロシアで流行した、スコプツィのリバイバルである。この去勢派は、男性生殖器や女性生殖器、女性の乳房を切除する、集団去勢を行うキリスト教の一派である。 こういう集団行動にはどんな意味があるのか?

 例によって、21世紀最高の黙示録である、『進撃の巨人』にその答えがある。つまり、集団去勢の意味は、「キリスト教徒安楽死計画」である。Wokeが受けとるのは、ジークの叫び、キリスト教の始祖の巨人のメッセージである。 この「自滅の指令」がキリスト教の中核にあるメッセージであり、キリスト教の本質なのだ。

 キリスト教というのは、反動形成と投影をよく使う。 『進撃の巨人』のジークは、この反動形成を象徴する人物である。彼はエルディア人を救うために虐殺する。彼の名前そのものが反動形成的である。彼はエルディア人の滅亡を望むのだが、彼の名前のジークは、ドイツ語の Sieg [勝利]と同音である。

 ジークという人物は、クサヴァーさんに出会って、エルディア人の生殖能力を奪う安楽死計画に「目覚める」、つまり Woke するのである。 ジークのWokeを促すクサヴァーさんのモデルが、日本人に本場アメリカのWokeを布教する使徒ともいえる町山智浩なのも、極めて示唆的なのである。

(了)

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