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When の文化

作家の冲方丁さんの話を聞いて、なるほどなぁと思った。サイモン・シネックのゴールデンサークルというマーケティング理論が流行っている。Why を核として How と What と外輪へと拡大し人々の行動は促される。

かつてスティーブ・ジョブズは、自分たちには世界を変えるという信念がある(Why)、世界を変える手段とは美しくデザインされ簡単に使える製品である(How)、こうして素晴らしいコンピュータができあがった(What)、そう世の中に問いその信念に共感した人々が次々とアップル製品を買った。人は「何を」ではなく 「なぜ」に動かされる。

しかし日本人を動かす行動原理は Why ではなく When ではないか、というのが冲方さんの意見。確かに。

習慣と季節に動かされる日本人。
3歳になれば七五三でお参り、4歳になれば幼稚園へ行き、6歳からは就学し、20歳前後で卒業して就職、30歳前後で結婚して子供を設け60歳で引退。
初詣に何千万人が繰り出し、梅を見に行き、花見で酒を飲み、GWにはどこかへ旅立ち、お盆には帰省。。

「旬」にひとびとが殺到するから、流行にも弱いのかな。
パンダが生まれれば行列し、フェルメールが来れば行列し、タピオカの新しい店ができれば行列。実にわかりやすい。

お茶も When の文化だなー
とつくづく思った次第。

一期一会なんて、When 以外のなにものでもない。

その時に集ったその時だけのひとびととその時限りの時を過ごす。
そのためだけの道具とお料理、お菓子、お花、お香、そしてお茶を時間をかけて準備する。

そして、全ては1日で消え去る。

行動に理由はない。
その時が来たから。
When を核に日本人は行動する。


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