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カリバの島の「つながりの奇跡」

むかしむかし

「カリバの島」という名前の
美しい島がありました。

島は緑豊かな木々と
透き通った海に囲まれ、
島民たちは平和に暮らしていました。

この島では、
「サンゴ」がお金の代わり
として使われていました。

魚を買うのも、家を修理するのも、
すべてはサンゴで支払う。

島の人々は
「サンゴがあれば安心だ」と考え、
各家庭には「サンゴ箱」があり、

家族はサンゴを貯めることが
幸せだと思っていました。

「サンゴがあれば、未来は安心だ」
「サンゴが減ったら、何もできなくなる」

12月のある日、
嵐が島を襲いました。

大きな波が村をのみ込み、

島の中央にあった
「大きなサンゴ倉庫」が
流されてしまいました。

朝になって、
村人たちは大騒ぎ。

「サンゴが消えた!どうしよう!」
「このままじゃ生きていけない!」
「魚をもらうにもサンゴがない…」

あちこちで不安と焦り
広がりました。

「12月のこんな時期に来年が不安だ…」

と嘆く声が村のあちこちから
聞こえてきました。

そのとき、島の賢者トバリ
村人たちを集めて言いました。

「お前たちは勘違いをしている」

「魚がなくなったのか?」
「いや、魚はある」

「家が流されたのか?」
「いや、家は無事だ」

トバリは村人たちを見渡して
言いました。

「ではなぜ、”サンゴが消えた”だけで
お前たちは不安になる?」

村人たちは黙り込みました。
その後、トバリがこう続けました。

「サンゴは、ものじゃない。”信頼”だ!」

「信頼?何をいってるんだか。
どうしてサンゴが信頼だって言うんだ?」

あざ笑う者もいました。

「ならば試してみよう」

トバリは村の中央に、
大きな木の板を掲げました。

「この板を掲示板と名付ける」
とトバリは言いました。

彼は村人たちに
こう提案しました。

「自分の得意なことを書いて、名前を載せなさい」

最初は誰も書きませんでした。

「いや私にはそんな特別な力はない…」
「私なんて普通の人間だ…」

でも、トバリは続けます。

「魚を取るのが得意なやつは、魚が得意だと書けばいい。
果物を育てているやつは、果物があると書け。
ただ、自分がどんな人間かを、”宣言”するだけでいいんだ」

すると、一人の漁師のアサギが立ち上がり、
掲示板にこう書きました。

「アサギ:魚取りが得意。
毎日、魚を2匹は取れる」

続いて、果物農家のマナ
こう書きました。

「マナ:マンゴーの栽培をしている。
来週にはマンゴーが30個収穫できる」

「あ、じゃあ私も…」と、

村人たちは次々に掲示板に
自分の得意なことを書きました。

「コロ:船を修理できる。木の修理も可能」
「ナナ:服を作るのが得意。ボロ布もリメイク可能」

すると不思議なことが起こりました。

漁師のアサギが、
「船の底が壊れた…」と嘆いていると、
コロが手を挙げました。

「私が直してやろう。
その代わり、魚を1匹くれ」

マナが
「マンゴーが余ったから、
誰か料理に使ってくれない?」
と言うと、ナナが言いました。

「マンゴーの皮は布を染めるのに使えるわ。
布を染めるから果実を半分ちょうだい」

時が経つと、島の人々は
気づき始めました。

「あれ?サンゴがなくても、
生活は変わらない…?」

サンゴはなくなっても、
村人たちは食事もできるし、
船も修理できました。

「サンゴがなくなったのに不安が消えた!」

このとき、トバリが言いました。

「サンゴは消えるが、”つながり”は消えない」

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・・・

はい、というわけで
オリジナルの寓話を作ってみました。

あなたは何を感じましたか?

この物語が示す教訓や
現実生活にどう応用できるのか
別記事にて掘り下げていきます!

お楽しみに。

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