何故売れない服を今でもアパレル業界は作り続けるのか?【後編】
さて、前回の記事の続きを書きましょうか。
世の中の【第2の環境汚染】と呼ばれている服の廃棄問題。最初に結論を言わせて貰いますが
時、既に遅し
・・・と前回もいいましたがまさにこれ。要は今更サステナブルだとか言い始めてきた程度では遅すぎるんですよ。服のリサイクルをしている企業とか前回も貼りましたが
・・・確かに「ノースフェイス」の元のゴールドウィンとか、オンワード樫山みたいな港区に自社ビルを3つ、会場も持ってる商社もあります。世界イチの服屋ユニクロだってやってますが・・・しかし
世の中にどれだけブランドがあると思っているのか
・・・世界中、日本の中でも地方だけのブランドだってあるのに、このブランドだけがやってますとか言われても完全に
【焼け石に水】
・・・ですよね。確かに他のブランドでもやっているのかもしれませんが今更感があります。毎日大型トラック150台分も捨てているのに?いやいや遅いでしょと。遅い以外に世の中の全てのブランドが必ずやらないと行けない世界の法制度みたいなものを作ってやらないといけないでしょと。
それを今更なんとかしようとしているブランドが、上に書いてあるブランド以外殆ど無い時点でもう
「詰んでる」
・・・んですよ。資本的にもやりたくても出来ない会社だってあるのは分かりますが・・・
もうね、こんな今まで何もやってこなくて今更になってやろうとしているのは
完全なアパレル業界の「殿様商売」に胡座(あぐら)をかいて企業努力をしてこなかったのが原因
・・・としかあり得ない。90年代あたりまで売れよ作れよとイケイケで何も考えず、廃棄なんか何一つ考えずやってきたツケが今来ているのではと思います。それは昭和に働いてきた人間だったり企業だったり無茶苦茶な事をしてきたアパレル業界以外の会社、全てに当てはまります、労働基準法もあって無いような時代に
「24時間戦えますか〜」
・・・みたいな残業代だけ無限に稼いできた昔の腐った滅茶苦茶な時代に、何も考える頭が無く働いてきた自分らの親共と同じ、アパレル業界だってそれと全く同じなんですよ所詮は。そんな奴らが考えて仕事出来るとは到底思えません。ここで話は少し外れますが昔話をしましょう。
自分が東京に来たての時に、派遣で商社「オンワード樫山」って商社のファミリーセールとかにも仕事で行った時がありますが、これが酷い。何が酷いのかってまず
服なんか売れないのに社員の数があまりにも多すぎる
数がどれだけいたのか・・・多分1000人くらいとかじゃ効かないくらい、下手すると2000人〜3000人以上社員が居たと思います、会場は東京ビックサイトの殆どを使って。コミケほどじゃありませんがメインホール全て使っていました。かなりの広さですよあれは。
社員の多さに驚いたきっかけは、自分は最初セール会場で正社員と非正規社員が腕章の色で、青色と赤色で差別化されているその比率なんですよ。その数の割合比率を見て、青の腕章が殆ど9割、残り1割以下の赤色の腕章が1割・・・くらいかなぁ。そうなると普通の考えなら少ない赤のほうが正社員だと思うじゃないですか
【逆ですからね】
むしろ青が社員で赤が契約社員とか、聞いた時は震えましたよ、えぇ。
3000人近くいて殆どが社員!!?土日セールをやってて、土日は店舗に出ている店舗スタッフだってフルに近いくらい全国の店にいるのに!?それを差し引いても更にこんなに社員がいる驚愕の事実。
いやいやいやいや、いすぎでしょと。
こんな服も売れない時代がとっくに来ているのに、こんなに社員飼ってどうすんの?・・・と。入れたら最後、定年まで安定した給料とボーナス、社保と退職金も払わないといけないのに、こんなにいるとかどう考えてもマズイでしょと。確かにこんな数の社員食わせられるから居させてるんだろうけど・・どう考えてもこんなセール品の数と見ても・・・経営どうなってんの?・・・と。
・・とまぁ昔、オンワード樫山のビックサイトでセールをしていた時代の話でしたが、この社員の数は今も変わらないので・・・クビにする訳にもいかないからどうしようもない。絶対に殆ど仕事してない社員とかいるでしょあの数。むしろまともに仕事している社員はあの数でどれだけいるのか?
・・・そんな時代のツケを今になって騒いでいるだけなんですよ。いやそれ以前に回りくどい例えなんか要らず、誰でも気がつく事なんですが
今までアパレルブランドは、クソみたいなデザインやなんにも機能性の皆無のような服をイカれた値段で売ってきて、ユニクロやワークマンに抹殺されている事実だけで、アパレル業界の腐乱や腐敗を感じるには十分。
これだけで服やファッションに興味の無いかたがたから見てもわかるはず。そんな普通の800円くらいで買える素材のシャツにブランドロゴつけただけで3万とかで売ってきた事実を見るだけで簡単に分かる。そんなことをして経営努力を全くしていなかったのが今のこの現状の根幹なわけだ。
・・・さて最後になりますが、原因ばかり嘆いていても仕方がない。その解決策があるとするならば
売れる服だけを売れる数だけ作ればいいじゃん?
・・・と思うじゃないですか。確かにそうすれば解決なんですが、当然そんな事は出来ればとっくにやっているわけです。ようは衣類しかり、生産して販売するものは何でも
低コスト化する為には大量生産しないといけない
・・・という仕組みと、服はいざ作るとするとしたら
企画や図面などの設計から原材料の生産、生産された素材の調達から製造ラインの構築形成、輸送方法の確立、販売店、メーカーへの伝達
・・・など、一度動き出したら止める事ができなくなってしまうのも原因かと思います。だから立案した時に売れると思ってプロジェクトを動き出したはいいものの、生産して店頭に並ぶ頃には・・・あれ?( ・ิω・ิ)?と。
だがこれらの製造工程の改革などに力を入れなかったアパレル業界にも責任は必ずあるわけで、この無駄なシステムを見直さず、改良せず殿様商売でダラダラ商売してきた側も悪い。そこで自分ら消費者が販売側であるアパレル業界に出来る事があるとするならば・・
更に服を買わない
・・・そう、もっとアパレルブランドに服が売れなさ過ぎて販売する意味が無いと学習させる必要性がある。もう潰すくらい買わず、自分ら消費者側は「賢くなる」必要性がある。昭和の昔は
「結婚したら一人前」「結婚出来ない女性は不良品」
などとデタラメな労働環境がまかり通って全ての労働者が荒稼ぎして、このようなイカれた老害思考がまかり通った社会が今は若者が「結婚しなくていい」事実に気がついて賢くなったように、自分らは服を買うという事に対して同様更に賢くならねばいけない。
このような、一回アパレル業界も昔からある古臭いシステムや人間など全て一新させて潰すくらいの荒療治の強攻策でもしない限り、アパレル業界は本気で動く事はないと思われます。一気に世の中のアパレルブランドを全て叩き潰すくらいの気概で。
だから今のファストファッションブランドしか世の中に無くなるくらいの追撃を掛けるくらい、もう新しい商品を生産するのは意味がないと思えるくらい、アパレルブランドへ自分らは「選択」をしないとアパレルブランドは何も変わらない。
自分の周りも服を90年代みたいに探す人間は誰もいなくなった・・・だが自分だけは、こんなに金も暇も無い自分だけは、今でもブランドの路面店や阪急メンズ、伊勢丹メンズなどの実店舗に足を運ぶ事は忘れていない。いや買うものなんか元から無いとわかっていても、自分に入るサイズの服が無いとわかっていても無い暇を割いて足を運ぶ意味・・・?諸君らに理解しろとは言わないが・・・己のさら成る高みともいうべきでしょうか?これについてはまた今度の機会に。
おっと、長くなりすぎました。まだ全然今回の議題に関しても書けるんですが、いい加減違う事も書きたいし、体力の消耗が激しい外での夏場仕事の今は、一週間に一回から2回更新するのが限界なので、今回の議題は一旦切りましょうか。また自分の気が乗ったらファッションの話をするかもしれない。今回のアパレルの記事を書くにしても色々調べてはみたんですが、やはりサステナブルとか取り上げる人はいるにせよ、作り手からどうこうという記事があんまりいいのが無かったんですよね。
まぁ素人目の消費者目線からみての今回の自分の考察、関係者や業界人からみたらどこまで当たっていてどこが違うのかはわかりませんが、
「当たらずとも遠からず」
・・・ではないでしょうか。最後に恒例のこれを貼って失礼します。
無論、死ぬまで俺も己のファッションを貫き通す迄よ
● 2021年8月6日 金曜日 長尾 亮