相関関係と因果関係
外出自粛となって自室での時間が増えた。
いつもならしないような自室内活動が活発になる。
「新型ウィルス感染の県別件数、県別の平均湿度、県別の人口密度。それをエクセルに打ち込んでみると相関関係がある。では因果関係は?」
「相関関係」と「因果関係」
人は得てして相関がみられることをたやすく正しいと信じてしまう傾向がある。不安なときはなおさらだ。部屋で電気ポットを沸かしっぱなしにしている自分に気付く。
放送大学の心理学テキストに地球温暖化とインターネットの普及率について相関関係・因果関係の説明があった。地球温暖化(X)、インターネット普及率(Y)は年代をベースにすると(X)(Y)、正の相関関係(右肩上がりのグラフ)がある。でも因果関係はない。(または別のZが関係する)この例はわかりやすいが、今回の災厄は相関関係・因果関係がはっきりとしないことが多い。新型なので過去データがないこともあるだろうし、逆に過去の経験が生かされる可能性もあるだろう。
明らかなことは自宅のデスクでいろいろ情報を集めて推論してみても出口がないということ。
ふと外を見ると庭の花は春を謳歌し、太陽は今まで通りその花々を照らしている。目に見えないウィルスは人を不安に陥れるが、目に見える花も太陽も今までとなんら変わらず存在しており、安心感を与えてくれる。
部屋を整理している時に出てきた中学時代の木製バットを手に庭に出て素振りを繰り返すと身体が熱を帯び、うっすらと汗が額に滲む。30分も経っただろうか。身体にエネルギーがみなぎる感じがしてくる。われわれは生きていかなければいけない。感情が身体をコントロールしているのではなく、身体が感情をコントロールしているのだ。今回のことでわれわれは図らずも立ち往生し、これからの社会での生き方を見直すことを強いられている。
身体と感情。これには相関関係と因果関係があると思う。今一度自分の身体の声を訊いてみたい。