ドラフトマッチ@BBO②決勝 テイクアウト系のXを流すときのジャッジ
ホンダの勝利!KKTです。
ドラフトマッチ②の決勝はまたもHプロのチームとの対戦となりました。シーティングは向こうが後選びでした。慣れてるオポーネントが良いだろうという判断でHプロ側を選びました。アニマルらしいハンドを引いて派手にかましていこうという意気込みでテーブルへ。
前半戦から気になったハンドをいくつか振り返っていきます。
メルの法則(ルールオブ9)
あなたはSouth。
2番ボード、We vul 2番手
KQT8
Q3
AQ852
A9
(1D)-1NT-(2S)-X;
(P)-?
2S=NAT
X=T/O系のPowerを示すビッド
What is your call?
2ボード目からプレッシャーのかかるジャッジをすることになったハンドでした。テーブルで考えていた選択肢は、PASS、2NT、3NTのいずれかを想定していました。最も重要なポイントはパスをするかどうかでした。
ここで、パートナーのテイクアウトXを流すかどうかの一般的な基準として有名なルールオブ9(メルの法則)を適応して考えてみました。
ルールオブ9は、パートナーがテイクアウト系のXを流すか迷ったときに、下記の数式の合計値が9以上ならテイクアウトXを流した方が良いとされるルールです。
切り札の枚数+切り札アナーの枚数(A~T)+コントラクトの台
今回は、4+3+2=9なので、流した方が良いとなります。ですが、このルールはあくまで基準で8~10のときは実際のディフェンスの流れなども考慮しながら判断する必要があると思います。
特にルールオブ9は、他のルールオブ22などよりも曖昧性が大きいので、ボーダー近傍のときにはもう一度考え直す必要があるみたいです。ポジションを考慮していないのはかなり怪しいです。
ボーダーくらいだと分かったので、他の状況などを考慮してみると結論としてパスはできないと思いました。
大きい理由としては、まず表にアナーがいること、そして流すとスペードの配置がバレて作られそうなこと、さらに1NTオーバーコールしてるのでシェイプを想像されやすくてベストプレーされる可能性が高いと思いました。
ボーダー近傍ならこれくらい悪い理由があればジャッジを変えても良いのではないかと思いました。ということでパスはしない方針としました。
2NTと3NTについては、今回は2NTを選びました。ミスフィット風なのでトリックが少なそうだと思った感じでした。
実際のハンドは下です。
2Sxは際どい勝負で、1ダウンorメイクの形だと思います。2NTは気を付けてプレーすればだいたいメイクなので良いジャッジでした。
このボードを通して思ったのは、ルールオブ9は基準値から大きな乖離が無い限り、最終決定の材料にはできないと思いました。ポジションやバルの問題は大きいはずなのに、考慮されていないのがかなり問題だと思ってます。
ただ、相場から極端に外れたジャッジを除外できるのは、プレッシャーのかかる場面においては有益だと思いました。ディザスターを起こす頻度を下げることには効果が有りそうだと思いました。
続いて、
ラフを狙うときに出すカード
あなたはSouth。
4番ボード、both vul 4番手
AT
JT8742
----
J9652
(1D)-P-(1S)-2H;
(X)-XX-(4S)///
2Hは頑張り目のオーバーコールですが、まだ4Hや5Cがあるかもしれないので動いてみました。
オープニングリードは平凡なHJを選びました。ダミーは、
854
Q
KQ7653
KQ7
T1:HJ-Q-5-3
T2:S4-3-K-A
Plan the defense.
一目パートナーにCAとDAを期待して、CA,DA,Dラフを狙いたい場面でした。ディクレアラーはHAKとSKQを持ってそうなので、XXしたパートナーは十分CAとDAを持っている可能性はかなり高そうに見えました。
ここで重要なのは、どのクラブを出すとパートナーがDA,Dラフを狙いやすいかということでした。選択肢としては、
①普通にC2を出す。カウントを出しつつ、ダイヤのスーツプリファランスを出す狙い。ただし、一番小さい数字はアティチュードを示しているかもしれず、ダイヤのSPが伝わるとは限らない。
②CJを出す。パートナーがCTを持っていたら、変なところからリードしてるのが分かる。ただし、CTが無いときにはクラブを二つ取りたいように見える可能性がある。
③それ以外の何か。曖昧な数字を出しておくことでパートナーにジャッジを任せる。
自分は長考の末に最も曖昧に見えるC6を選びました。パートナーにジャッジを任せることが最もDA,Dラフにつながるだろうと考えたためでした。
実際のハンドは下です。
テーブルではC6-K-A-4、C3と出ました。何を出しても落ちている配置だったのでセーフでした。
後からこのハンドを見ての結論としては、C2を出すのが一番良かったと思いました。パートナーに枚数を伝えるのと、あまり無さそうなダイヤのボイドの可能性を考えさせるにはC2がベストだと思ったためです。CA勝ったタイミングでよく考えればサウスの手がめちゃくちゃ弱いことに気づくはずなので、C2からダイヤボイドを想定するのも自然なディフェンスになりそうだと思いました。やはりSPを出すとしたら一番小さい(大きい)数字がベストでした。
最後に、
プレーのバランス
あなたはNorth。
10番ボード、both vul 4番手
KJ93
AT5
QJ9
AJ4
(2D)-P-(P)-2NT;
(P)-3C-(P)-3S;
(P)-4S///
左手のウィーク2Dオープンから4Sになりました。オープニングリードはH2でした。
Q8754
KJ63
T7
K2
KJ93
AT5
QJ9
AJ4
T1:H2-5-7-J
Plan the play.
実際のハンドは下です。
テーブルではスペードを出したので落ちる展開となりました。ゲスの問題なので仕方ないと思います。
このハンドのポイントは、ハートのシングルトンを想定するかどうか、正当なでき目を狙うかどうかのバランスを考えることでした。
もしハートがシングルトンだと仮定すれば、正当なでき目はクラブフィネスをしてダイヤを消してからスペードを出すことになると思います。ハートシングルトンではない、または敵の失敗を期待するなら、スペードを出してS1D2だけ負けることを期待することになりそうだと思いました。
どっちが良いかは敵のディフェンスのレベルと、どれくらいH33が有りそうかのゲスです。
今回のハンドの場合については、自分は正当なでき目を狙ってクラブフィネスをするのが良かったんじゃないかと思いました。
まずT1で左からH2、右からH7が出るときは如何にもH51ブレークぽいと考えられます。そして右手には必ず何かしらのエントリーがあります。また、左手はプロなので、そのエントリーを間違えることは少ないだろうと考えることができます。また、そもそもクラブフィネスに50%のメイク率があるので、H33だった場合の保険もあります。
うまくディフェンスされてほぼメイクのコントラクトを50%にするのは悔しいですが、オポーネントをリスペクトしてこういう決断をするのも必要なのかなと思ったハンドでした。
以上となります!
前半戦は54-16で負けて、16ボードで40IMP弱返すのは難しいと思ってコンシードしました。前半戦はアニマルらしく暴れるハンドがなかったので、思い出作り半分で後半戦もやって良かったかもでした。なんで負けたのか明日まで考えてまた挑戦しようと思います。