ドラフトマッチ決勝@BBO 後半戦 スーツコントラクトへのAKx(x)のリード

zoomのバーチャル背景に科学の進歩を感じているKKTです。



ドラフトマッチ決勝の続きからです。

15IMPビハインドからの後半戦、せっかくなのでオポーネントを変えようということでHプロのテーブルへ。

Hプロとは意外と対戦経験が少なくて、最近で一番覚えているのは、3年くらい前の仙台リジョナルのペア戦で、できなさそうな7Hをリードで作らせてもらったことです。



後半戦からいくつか紹介します!

Xへの布石

あなたはSouth。

6番ボード、they vul 2番手

A64
75
KJ73
T983

(P)-P-(1D)-2C;
(3H)-4C-(4H)-5C;
(5D)-?

3H=Fit Jump, (H5+,D4+,INV+)

Plan the call.








































そもそも4Cをビッドするかどうかですが、パートナーはダイヤショート、敵にはハートの点数がありそうなことを考えれば、パートナーはクラブとスペードに点数と枚数を持ってそうです。

そして自分には4枚のクラブサポートとSAがあります。これなら5Cが良いコントラクトになっている可能性があり、ここでクラブのサポートとそれなりの手を伝えておくべきだと思いました。

また、パートナーが5Cをビッドして、敵が5Dか5Hまでビッドしてくれれば十分ディフェンスも期待できます。そういった意味でもこの4Cは良いビッドになりそうです。



実際のハンドと展開です。

画像1

自分はパスを選択してパートナーが6Cでサクリファイス、6Cxは3ダウンで500点の失点でした。裏は4Hをプレーしてクラブリードからダウン。結果的に10IMPくらい取られてしまいました。



テーブルで考えていたのは、5Dはパス、WESTが5Hに直せばXでした。

5Dで回ってきた段階でパートナーのダイヤボイドが分かっていて、Xするとダイヤの配置を当てられてしまう可能性が高くなります。一方WESTが5Hに直せばこれはXしてダイヤをリード、スペードリターンをSAで勝ってもう一度ダイヤを出すことでほぼ100%落ちそうです。こういったことを考えてパスしました。そしたら6Cxになってしまったという感じです。



試合後にじっくり考えて出た結論としては、5DにXをしておけば良かったと思いました。

5Dxが流れてダイヤの配置もバレていたとしても、パートナーがCAKを持っていたりしてパンプからディフェンスがスタートすれば、ダイヤとクラブとスペードで合わせて3~4個くらい取れそうな感じがします。もちろん5Hへ逃げてくれれば予定通りXしてダイヤをリードしていけます。

そして何より良いのが、パートナーがサクリファイスする展開を防げます。敵の5Dxも5Hxも落ちそうな一方で、6Cxは絶対にできなさそうです。仮に5Dxがメイクする確率が50%程度あったとしても十分釣り合ってそうでした。

4Cから布石を打っていたのなら、5DにもXして積極的に布石を回収しに行くべきでした。

こういう4Cをビッドするのはできていて、続く5DにはXできなくて失点というパターンが多いので、今後は一呼吸おいてXしなくて良いか確認するようにしたいと思いました。



続いて、

スーツコントラクトでのAKx(x)のリード

あなたはNorth。

13番ボード、both vul 1番手

86432
KQ
KT
AK95

1S-(X)-2S-(2NT);
P-(3C)-P-(3D)///

1S=S5+,11-15
2S=Bad Raise,S3+
2NT=LEB
3C=Accept

オープニングリードはCKを選びました。カウント要求の約束です。(AはATT、Kはカウント)

ダミーは

K5
A753
A98
QT62

T1:CK-2-3-7

カウントはアップサイドダウン、下から出れば偶数枚です。


Plan the defense.


























このハンドではパートナーに期待できるもののうち、どれを期待するか試されています。

SA, SAQ, HJ, DQ, DJ, C2枚

あたりからどこを狙っていくかという問題です。






ハンドと実際の展開は下記です。

画像2

パートナーはT2にHKにシフトし、以降は下記のように進みました。

HK-3-J-2、HQ-A-8-4、DA-5-2-T、D9-7-3-K、CA-6-4-8、C5-Q-DJ-CJ、HT

ハートのアンブロックをした後にクラブをラフさせたので0222と取れて2ダウンでした。T2のHKシフトはナイスディフェンスでした。



パートナー視点でHKシフトは手堅いシフトだと思います。SA+HJの形なら1211 or 1202と取れそうですし、HJ持ってなかったとしても、DQ or DJ含みの3枚ダイヤを持っていれば、クラブラフを後から狙うこともできそうです。それが無かったとしても、SAQを持っていれば、2102と取れるかもしれません。

何より、パートナーが4枚クラブだった場合にCKコンティニューは致命的なエラーになりかねません。例えばディクレアラーの手が3361の下記のような手であればクラブコンティニューは良くなさそうです。

QJx
xxx
Qxxxxx
x

こういう配置も考えられますし、やはりHKシフトは手堅いディフェンスだったんじゃないかと思いました。



後からこのハンドを見て思ったのは、HKはもちろんいいシフトなのですが、リードはCAを打った方が良かったんじゃないかということでした。

カウントを知るだけだと、今回のように偶数枚が2枚か4枚なのか判断できないケースのほかに、パートナーからATTを見れないために続けたら良いのかどうか分からないケースが発生しがちだからです。

今回ならばCAを打つとカモンが出るので、その上でHKにシフトするか、クラブをラフさせるかの判断をすることができます。CKリードと比べてヒントが増えています。



一般的に、スーコントラクトでAKxxやAKxのような形からリードするときは、パートナーから続けてほしいかどうかATTが見たい場面がたまにあります。


例えば、

画像3

このハンド、仮にカウント要求のHKをリードすればEASTからは偶数枚のシグナルが出ます。そして、WESTにはハートを続けてラフさせるかシフトするかのゲスが残ります。


一方、HAをリードした場合には、EASTからはATTシグナルが出ます。

今回のハンドであれば、EASTとしてはマスターでハートをラフするよりも、ハートがエスタブリッシュする前にマイナーでトリックを取りたい場面なので、ノンカモンのシグナルを出します。ノンカモンのシグナルが出た場合にはWESTはDJにシフトするのが自然だと思います。

EASTからのATTシグナルを見ることで、続けたら良いかどうかパートナーに判断してもらえるのがAをリードした場合の良い点です。



要は、AKxxやAKxのホールディングのときは、このまま続けていいかどうかはっきりしていないケースがあるので、Aを打ってATTを見た方が判断しやすいということです。

逆にAKQxxなど、続けるのがだいたい正しい持ち方をしているときや、高い台のコントラクトで何枚取れるかが大事になってくる場面では、Kをリードしてパートナーとディクレアラーの枚数を把握するのが有利になってくると思います。

もし使い分けているのなら、こういう形で使い分けるのが良さそうだと自分は考えています。



また、最近思っているのは、高い台のコントラクト以外ではAのリードでおおよそ事足りることが多いので、それならKのリードはQを保証してAを持っていないことにする約束も良いかもしれないと考えています。

そうすればパートナーのKのリードを見ればA持っていないことが分かりますし、自分がJを持っているときに困ることが無くなります。Aのリードを見ればAKから打ってきてそうだと判断できます。

また、別の問題も自動的に解決できます。AKどっち打つ問題にペア間で共通の理解が無い場合には、ペアでAKのリードをどっち打つかバラバラ、AKダブルトンをどっちから打てばいいか決まっていない などの副次的な問題からの失点も起きてくると思います。

それならばA from AK、K from KQとした方がシンプルになって誤解が無くなる分、スコアは良くなるんじゃないかと考えているということです。

一方でこの約束にした場合はカウントを見れなくなるので、一長一短だとは思います。



どの約束にするにせよ、こういったところで失点しないように簡単な形でパートナーとの認識を合わせておく必要があると思います。

とりあえず、この機会に自分の中のAKのリードの考えを整理できて良かったと思った、そんなハンドでした。




最後に、

3rd/lowのディセプティブ


あなたはSouth。

16番ボード、they vul 4番手

A
J76
Q98754
QT4

(P)-P-(1S)-3D;
(X)-P-(4S)///


Plan the lead.






















全体のハンドは下記です。

画像4

テーブルではD4のリードから、DAで勝ってSx→Kとしたので1ダウンでした。なんとなく出したD4が効いていたボードです。


シングルダミーでは、スペードを2敗に抑えれば良いので、例えばクラブリードなら、Aで勝って、スペードを手から出してSouthのSAシングルトンに備えたセーフティプレーが良さそうです。

実際のD4のリードは奇数枚の一番下なので7枚に見えます。その場合はサウスのQやJシングルトンのスペードに負けるのはまずいので、今すぐフィネスする方を選んだみたいです。結果的に良いディセプティブになりました。


この配置を読んで出したというよりは単にパートナーが一発ラフできたときにクラブを示唆したかったから出したという感じでした。伝わらないかもしれませんが、一番下と分かればなんとなくクラブぽい感じがするかなと思いました。たまたま良いディセプティブになったのはラッキーでした。





後半は25-25で引き分け、トータルで15IMP負けでした。

12番ボードで12取られているので、ここを5Dxか5Hxで1ダウンさせれたら引き分けに持ち込めたので惜しかったです。

ドラフトマッチは次もあるので頑張ります。

いいなと思ったら応援しよう!