【ブリッジ】スコアを守る方法【2020後期日本リーグⅠ部2日目②】
スマブラの灯火の星、ボリュームが多すぎて全然終わらない。
R6はお休みだったのでR7の対戦相手のテーブルで見学。自分ならどうアクションするか考えながら見てたのですが、プロのアクションは意外なものも結構ありました。よく考えればなるほど、と納得できる良いアクションばかりで気付くことも多かったです。
BBOで観戦するのと比較するとプロが考えている様子を確認できるのが良いです。どんなときに時間を取って考えているか分かるので考え方の参考になりました。いくつかレビューしていきます。
最終到達点の見積もり
あなたはWEST
18番、they vul 3番手
AK8
853
AKQ5
952
1H-(P)-2D-(P);
3D-(P)-?
ボスフィットしてスラムも見えます。アクションの方針はどうしますか?
ハンドです。
実際にはパートナーは弱めの手だったので4Hでストップするのが正解というパターンでした。1部のフィールドでは5テーブルが4H、2テーブルが5H(6D)だったので過半数はグッドストップしてました。
ここではWESTがどうジャッジするべきなのかを考えます。
(i)5D(6D)に向かっていく場合には3S
(ii)4H(6H)に向かっていく場合には3H
をビッドすると想定します。
まずパートナーの手について整理します。
3Dは下限が無いので11-21のH5+D4+となります。またスペードのシングルトンがあれば3S(SPL)をビッドするのでスペードは2枚以上持ってそうです。
(i)ダイヤでプレーする場合
6Dが良いコントラクトになるために必要なカードはHA,HK,HQ,CA,CKから4枚程度です。4枚持っている場合、パートナーは通常16-18くらいのHCPを持ってそうです。これは残っている点数24点のうち必要な点数は13点として、必要な点数を持っているときは無駄点もいくらか持っていることが普通だからです。
パートナーのレンジのうちの強い方じゃないと6Dをプレーするのは厳しいと分かります。また、弱いレンジの場合には上から3つ負けて5Dが落ちるケースも有ります。
(ii)次にハートでプレーする場合
6Hが良いコントラクトになるために必要なカードはHA,HK,HQ,HJ,CA,CKから5枚程度。こちらも同様に16-18くらいのバリューが必要です。3Hから入った場合にはシリアススラムトライが返ってきてちょうど良いくらいです(シリアス3NTなど使っている場合には)。
6Hも同様に厳しいです。が、ハートの場合には厳しいときに4Hでサインオフすることができます。5Dと比べて1つ負ける数に余裕があるのでメイク率も高くなります。
(i)と(ii)を比較すると、スラムをプレーする場合には若干ダイヤの方が有利なものの、パートナーの弱~中くらいのレンジでは4Hが有利です。
観戦していたテーブルでは、SARAのトッププロのペアは1H-2D;3D-3H;4H///とビッドしていました。3Hから入ってパートナーに任せる、くらいのバランスがスコアを守るアクションとして良さそうです。
続いて、
前衛的な守り
あなたはNorth。
22番、they vul 4番手
QT754
A542
---
AJT3
(1D)-P-(1H)-1S;
(P)-P-(2D)-?
アクションはどうしますか?
ハンドは下です。
SARAのNorthに座っていたプロは少考の末に3Cをビッドし、相手は3Dまで競って1ダウン。
テーブルでの印象としては3Cはかなりアグレッシブに感じました。S+mは2スーターOCできない持ち方なので、S5C5の15-17くらいでも同じようにビッドするため、このハンドもビッドすると3Cのレンジが広くなります。
後から考えてみると3Cは納得のジャッジでした。理由は、
・バルが良いので多少コントラクトがオーバーでも大怪我しにくい。
・相手はNFのビッドをお互いにしているのでそんなに強い手を持っていないため、パートナーに多少期待できる。
・ニュースーツなので変化が大きい。パートナーにある程度の点数とクラブの枚数を期待できるので、ダイヤボイドが活きれば5Cメイクまである。
・相手のビッドスペースを奪うことができる。
・ディフェンスの示唆ができる。
要はバルに守られつつ、自分たちのジャックポットを引き当てる可能性があため攻防の一手として良いアクションになってそうです。強い手と誤解されるリスクを負う価値は十分あります。
自分がNorthにいたら日和ってパスしていました。勇気ある前衛的な守りのアクションも取り入れたい。
続いて、
テイクアウトXのリスク管理
あなたはWEST。
23番、Both vul 2番手
AK942
JT86
9
Q92
(P)-P-(1C)-P;
(1NT)-?
アクションはどうしますか?
実際のハンドは、
自分が観戦していたテーブルのプロはパスを選択して相手の3NTに。
ユースの後輩はテイクアウトダブルしてNorthのXXから2Sxで捕まってました。「やり過ぎでしたかねー」と言ってましたが、結構Xしがちなハンドだと思ったので不運だったねとコメント。
じっくり考えた結果、自分はパスするのが良いと考えてます。理由は、
・1NT=8-10なので、相手に過半数以上のバリューがある。また、Northが強い可能性がある。
・メジャーがフィットしていないと2Mメイクは厳しい。
・4Mは無さそうなので大きな当たりは期待できない。
・アナーの配置がディフェンス寄り。
同じシェイプでもミドルが詰まっていてディフェンシブトリックの少ないような手、例えばQJT9x KQJx x xxxみたいな感じの方がプレーするメリットが多いです。
もちろん3Mくらいまでできている日もあるので一長一短で難しいジャッジです。チーム戦は大きなIMPが大事だからパス、MP戦は小さな差が大事になるからXというバランスのとり方でスコアを守るのも面白そう。
こういうハンドでパスするあたりプロはリスクリターンの管理が徹底していると感じました。18番の3Hもそうですがリターンが小さめのときはリスクを重く見て慎重に、22番の3Cなどリターンが見込めるときにはリスクを取って大胆にビッドしているという印象です。
相場感覚で差が出ていると感じるので、試合を見学したりBBOで上手なプレーヤーのビューグラフの試合をセットしてプレーするなどして感覚を身に着けていきたいです。
続いて、
不完全な選択
あなたはEAST
25番、We vul 2番手
6543
A4
A3
AK763
(2D)-?
X,2NT,3Cからアクションはどれにしますか?
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