ドラフトマッチ決勝@BBO 前半戦 ナムヤッツに対するジャッジ
ステイホーム診断をしたら、ステイホーム耐性:最強レベルと出ました。完全にひきこもりのKKTです。
ドラフトマッチの決勝はHプロのチームとの対戦になりました。
同卓したオポーネントは何年か前の浜松フライトB決勝でめちゃくちゃ負けたオポーネントで、リベンジマッチとなりました。
前半戦からいくつか振り返っていこうと思います!
プレシジョン1Cの競り合いでのジャッジ
あなたはEAST。
7番ボード、both vul 3番手
AJ
K
AK842
QT742
P-(P)-1C-(1H);
X-(2H)-?
1C=16+
X=semi positive or BAL no stopper FG
Plan the call.
ハンドは下記です。
テーブルではパスを選択して、その後パートナーのXに対して3D、3Hに対して3NTでスタンドという展開でした。ハートスモールのリードが来たので事なきを得ました。
パートナーの3Hは最終コントラクトを迷っているwaiting系のビッドに見えるので、EASTは4Cをビッドするべきだったと思います。5mが良いコントラクトになっていそうに見えます。
ここで話しを2Hの段階に戻して、
まず、EASTとしてはどこを最終コントラクトにするか意識する必要があると思います。競り合っている状況なのでビッドする機会がそう多くは無い可能性があり、この時点で最終コントラクトに向けたアプローチを考えるべきです。
Northが2Hとビッドした段階で、最終的なコントラクトで一番本命なのは5mだと思います。なので、良い5mのときに5mが見つかりやすいラインを取るべきだと考えます。
その目的に対して一番シンプルなアプローチは、3Dとビッドして、機会があれば4Cや5Cをビッドすることだと思います。
例えば、
1C-(1H)-X-(2H);3D-(3H)-X-(P);4C
1C-(1H)-X-(2H);3D-(P)-3H-(P);4C or 5C
こんな感じが理想のビッド展開です。実際のハンドで3Dから入れば後者の展開になると思います。
この展開であれば少なくとも良い5Dは見つかりますし、クラブをビッドできれば良い5Cも見つかるかもしれないのが良いところです。
自分としてはこの展開が良いと思っています。パスを選択してサウスに3Hや4Hをビッドされると良い5mを見つけるチャンスを逃してしまうかもしれません。パートナーがある程度のバリューを示しているなら3Dがオーバービッドになるリスクよりも、手を示し遅れて良いコントラクトを逃すリスクの方が高いように見えます。
プレシジョン1Cもストロング2Cもそうですが、競り合いになったら出遅れている分、多少頑張ってスーツを示した方が良いことが多いというのが基本だと思うので、このハンドもそうやってアプローチするのが良かったんじゃないかというのが自分の中での考えです。
もちろんパートナーのハンドと噛み合っていなくてオーバーランする展開になることも有りますが、オーバーランした上で捕まった時だけまずいと考えれば、そのリスクは許容できるような気がします。
続いて、
パートナーのナムヤッツオープン後のジャッジ
あなたはEAST。
12番ボード、they vul 3番手
----
842
JT7654
AQT7
4C-(P)-?
4C=H suit,good PRE(8.5トリック程度)
Plan the call.
実際のハンドです。
5Sはクラブのリードから手なりに進んで4ダウンでした。
こちらの6Hもしくは敵の5Sxが良いコントラクトでした。どう展開すると良かったでしょうか?
EAST目線で、パートナーが8.5トリック程度持っていると仮定したときに、自分にはスペードのラフ3回とクラブのAQでおよそ3~4トリック程度は期待できます。
そうすると、パートナーの8.5トリックと合わせて12トリック程度期待できます。
これくらい期待出来ればおおよそ6Hまでビッドしたいところなので、何かしらの手段でトライするのが良さそうです。
5Dがダイヤのコントロールアスクというビッド(CAB)を使っていれば、それが良さそうだと思います。
4C-5D;5H/5S/5NT=コントロール無し/K or シングルトン/A or void
5H以外が返ってくれば6Hをビッドする算段です。今回のハンドもこのアクションを取れば6Hに到達できたと思います。
CABを使っていないとすれば4Dでスラムトライを表明して、後はパートナーに合わせるというアクションがあります。ただ、4Hとビッドされたときにどうするかというゲスが発生します。
4NTでRKCBするのは結局SAがあるかどうかの判断がつかないのであまり良くなさそうです。
ナムヤッツはPREしたい一方で、こちらのスラムも逃したくないという考えを持っている人にぴったりです。使っていない場合は1Mか4Mかで迷うような手を、自分たちにとって建設的な形で捌くことができます。また、ナムヤッツを採用することで4Mオープンしたときは8トリック以下と分かるので、4Mオープン後のジャッジの負担を軽減することができます。
自分は攻防の一手になりやすいビッドが好きで、ナムヤッツは気に入っていて積極的に採用しているビッドの一つです。システム的な負担も小さいのでぜひ試してみてください。
最後に、
分の悪いギャンブル
あなたはWEST。
14番ボード、both non vul 3番手
AJ86
Q
AJ982
T75
1S-(P)-2NT-(P);
3C-(P)-3S-(P);
4C-(P)-4D-(P);
4H-(P)-4S-(P);
5C-(P)-?
1S=S5+,11-15
2NT=S4+,w short FG
3C=ASK
3S=H short
4C,4D,4H,5C=cue
Plan the bid.
全体のハンドは以下です。
実戦では6Sをビッドし、フィネスが抜けて1ダウンでした。テーブルでは5Cを見た段階で悪くとも1フィネスくらいになっているだろうと考えてビッドしました。
いろいろ反省がありますが、結論から言うと、1Sの上限が15点なのでスラムは厳しかったです。
そもそも1Sオープンを見た段階で、スラムに必要なカードはSK,SQ,HA,CA,CK,CQ,DKのうちから5枚程度必要です。5枚必要となると1Sオープンが15点上限の時点でほぼほぼ足りません。つまりバリューでの6Sは厳しいです。
なので、1S-4HでSPLしていおいて、パートナーとシェイプが噛み合った良い手のときだけスラムを目指すのが良かったです。例えば、
KQxxxx
Axxxx
x
A
パートナーがこういう手を持っていれば少なくとも6Sまでは到達できそうです。こういうのだけを拾いに行くために、4HとSPLするのが良かったのかなと思います。
また実際の展開で、5Cとビッドされた段階で想定される手でもちょっと足り無い寄りでした。
5Cとクラブを二回ビッドしたパートナーは、すべてのスーツのコントロールがあると分かったうえでRKCBを選択しなかったので、バリューを心配しつつもう一押ししているか、ボイドがあってRKCBしたくないかのどちらかであることが多そうです。
そして、もしボイド持ちだったとしたら、1S-2NTの段階で自分のショートスーツを示していく判断をしたり、どこかの段階でボイドウッドをすることもできたので、本命はバリューを心配したハンドになりそうです。
バリューを心配しているハンドと向き合ったとき、自分の手はバリュー不足なので、5Sでサインオフするのが良いジャッジでした。
ちなみにテーブルでは下記のような手をポジティブに想像して6Sをビッドしました。
Kxxxx
Axxx
x
AKx
パートナーが示しているCA,CK,HAともう一つスペードのアナーを持っていてダイヤシングルトンの手です。
しかし後になって考えてみると、パートナーがこの手を持ってればバリュー十分と判断してRKCBしそうでした。
特に流れの悪い時や集中できていないときはこういった悪いギャンブルをしがちなので気を付けないといけないと思った、そんなハンドでした。
前半はそんなこんなで15IMPのビハインドでした。後半へ続きます。