ドラフトマッチ@BBO 前哨戦 アニマルの思考

自粛期間ですっかり夜型になったKKTです。


ドラフトマッチ第二回の開催が決まりました。第一回戦は土曜日の昼間の予定ですが、水曜の夜にその前哨戦がありました。

我々アニマルパラダイスの初戦の相手は芋の呼吸チームです。相手チームの印象としては、積極的に仕掛けてくる攻撃的なチームという印象があります。

その前哨戦8ボードマッチから気になったボードを紹介します!



4NTの約束

あなたはSouth。

5番ボード、We vul 3番手

AKQ4
T4
---
QJ96543

1H-(3D)-?

What is your call?


















最初のアクションに困ったハンドです。

3Cがビッドできるならそれがぴったりですが、3Dまでビッドされるとそれはできません。

なので選択肢としてはXと4Cのどちらかになりそうです。


Xをした場合は基本的にクラブは諦めて3NTか4Mを狙う展開になりそうです。

4Cをビッドする場合には4M,5C,6Cあたりを狙っていくことになります。こちらは3NTをプレーできないのが難点です。ただ、5CをプレーするときにCA,CK,HAあたりから二枚あればなんとかなりそうなので、3NTを越えても良いかもしれません。



テーブルでは4Cを選びました。

クラブが隠れてしまう展開になるのを避けたかったのが大きいです。また、左手にダイヤをビッドされる可能性が結構高く、その展開となればおそらく4Cをビッドした展開のほうが良さそうだからです。

例えば、4Dをビッドされる展開であれば、

1H-(3D)-X-(4D);P-(P)-?
1H-(3D)-4C-(4D);P-(P)-?

こういう感じになります。前者の方はXをビッドしにくいですが、後者はXがちょうど良さそうな感じがします。

もちろん5Cをビッドしてくれる展開もあると思うので、競り合いになれば4C有利な感じがします。



ということで、4Cをビッドし、下記のようにオークションは続きました。

1H-(3D)-4C-(P);
4NT-(P)-?



この4NTは何でしょうか。

NATなのか、RKCBなのか。どっちなのかあやふやなビッドが出てきました。

第一感としてはNorthはまだ4Dをビッドでき、RKCBするなら4Dをビッドして4NTをビッドすることを狙うような気がするので、NATな気がします。

一方で、4Dはコントラクトチョイス系のwaitingビッドとして使う可能性もありそうな気もします。つまり、困っているときは4D、RKCBするなら4NTと分けているかもしれません。

ただ、思慮深い人間であれば4NTはNAT、4Dは強いハンドと分けるように思います。ここは4NTで撤退も止む無しでしょう。







しかし、アニマルだったらどうでしょうか?




アニマルはよっぽどのことが無い限り、4NTをNATの意味でビッドをすることは無いと思います。

一度トライしたスラムは絶対に逃さないのがアニマルです。

だいたい4Cをビッドすればガーバー、4NTをビッドすればRKCBという意味になるでしょう。

ここはRKCBと判断し、1 key with voidの6Cをビッドしてみました。








その結果は以下です。

NATでした。

4NTもダウンする形だったのでなんとか耐えました。



ボードが終わった後のパートナーのコメント「クラブのスラムトライだったら4Dビッドしませんか?」

確かにそうですよね。失礼しました。



まじめに反省すると、そもそも自分の手はクラブを持ちすぎている割にルーザーが多いのが4Cをビッドする手として良くなかったです。7枚も持っているとパートナーに期待できる枚数は2枚程度になります。

その場合にCAかCKが含まれる可能性が低くなってしまうので、クラブコントラクトが良いかどうか微妙でした。

同じシェイプでも下記のような手のほうが4Cビッドに向いているような気がしました。

KQxx
xx
---
AKxxxxx

とか

Axxx
Qx
----
KQJTxxx

要はパートナーのクラブサポートが無くてもトランプのルーザーが少なくなる形のほうが良いということです。

期待する点数が同じくらいでも、枚数の多い場所と少ない場所では確率もだいぶ変わってくるのかなと思いました。

そういう視点で考えれば自分の手はシェイプはとがっているものの、クラブのコントラクトはあまり良くなさそうなので、Xから入って3NTと4Mを目指し、チャンスがあればクラブをビッドするというスタンスでビッドすればよかったです。

ビディングスペースが削られて密になっているときは、目的のコントラクトをどこに設定するかよく考えて最初のアクションをするように気をつけたいです。



続いて、

競り合いのジャッジ

あなたはSouth。

7番ボード、both vul 1番手

Q87
AQ6
54
QJT62

P-(2D)-X-(4D);
?

What is your call?






















競り合いのジャッジです。

パートナーがXしていてこちらには25点前後ありそうなので、何かしらのアクションを返したいところです。

バランスハンド系で困ったときはたいていXを返すと良いので、まずXが第一候補です。

ただ、Xの問題点は今回のハンドはあまり4Dxをディフェンスしたく無いことです。

敵はバルで自発的に2Dと4Dをビッドしているので、4Dはそんなにたくさん落ちることは無いと思ってそうです。自分の手もディフェンシブトリックが少ないので、そんなにディフェンスには前向きではないです。



第二候補としては5Cがあります。

4Dが10枚フィットを示していて、Xしたパートナーは5枚メジャーを持っていることが少ないと考えれば、パートナーの手の典型的なシェイプは4414や4315になりそうです。

シェイプ的には5Cは良いコントラクトになりそうです。

必要な点数的には、CA,CK,SA,SK,HA,HKから4枚くらいなので14点前後です。敵にダイヤの点数が全部有りそうなことを考えれば、点数的にもちょうど良さそうな感じがします。

ただ、この5Cビッドは敵のダイヤの枚数がずれていたり、パートナーが5枚メジャーを持ってたりすると、途端に悪手になるので少しギャンブルぽくなるのが難点です。



今回は5Cにしてみました。

ダイヤの枚数が少ないことは考えにくいですし、クラブが大当たりになっていることも結構あるだろうと考えたからです。




結果は以下です。

5Cは外れでした。

しかも、H5リードから始まって、HAで勝ってすぐダイヤを出したので5Cが落ちました。

H5リードはシングルトンに見え、作るためには紛れが起きないと厳しいだろうということでダイヤを出していったという考えでした。。

こういうまずいコントラクトになったときに、気持ちを入れ替えて取り組むのも必要だと思いました。気を取り直すの、なかなか難しいですよね。



あとは、やっぱりこういう手は基本はXだと思いました。深読みするのも時には大事ですが、根拠のない深読みは危険でした。

深読みした側に舵を切ろうとしているときは、決断の前に一呼吸おいて、本当にこっちでいいのか確認するようにしたいなと思いました。




前哨戦を通して、パートナーの考えていることが5年くらい前に国際試合で組んだ時とは全然違うことが分かりました。本戦ではそういうところも加味して賢いアニマルになれるように頑張ろうと思います。

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