【ブリッジ】グランドスラムトライの考え方【2020後期日本リーグⅠ部2日目③】
この時期の服選びが一番難しい。気温が下振れると寒いし、上振れると暑くて振り回されているKKTです。
最終ラウンドは植木との対戦でした。自分たちがⅠ部にいるときも、Ⅱ部にいるときもいつも一緒のフライトにいる気がしてます。気のせいでしょうか。
早速振り返っていきます。
1NTオープン後のグランドスラムトライ
あなたはEAST
11番ボード、both non vul 4番手
J
Q
AKQ53
AJT942
二番手のパートナーの1NTオープンからフリーランで、
1NT-2S;2NT-3H;4D-4NT;5H-5S;5NT-?
2S=マイナーステイマン
3H=SPL,m55+,FG
4D=D3
5S=K ask
5NT=CK
5D,6D,7Dの判断をするためにキーカードを確認。2keyだったので6Dか7Dをプレーしたいところです。
ビッドの方針はどうしますか?
確実なことを整理すると、
・パートナーのハンドはSA,HA,CKを含む15-17。あと4-6点の余力がある。
・パートナーは4Cを飛ばして4Dをビッドしたのでxx32のシェイプをしている(xx33であればCKを持ってて内容の良いクラブをチョイスするはず)。
あとはCQとかDJがあれば出来そうです。どうジャッジすると良いでしょう。
実際の配置です。
パートナーにはCQがあったので7Dが良いコントラクト。
トラベリングを見ると7Dに到達しているペアはいないのでビッドは難しいようです。
実際のビッドで5NTの段階でCQやDJを確認することが不可能とすれば、7Dをビッドするのが良いと考えてます。
理由は、下記のように全体としてメイク率が6~7割くらいはありそうだからです。
①CQとDJどちらもあれば鉄板
②CQだけあるときはD32ならメイクなので68%
③DJだけあるときはD32かつC32でメイクなので5割弱+α
④どっちも無いときはD32かつ表にCQでメイクなので3割程度
メイク率が6割あれば、裏は6Dだとして期待値プラスになるはずです(+10IMP×0.6-14IMP×0.4)。
裏がスラムをビッドしてない可能性があるなら期待値マイナスですが、I部なら6Dまではビッドしそうです。
話しを一旦ビッドに戻して、5NTに対する6CがCQの確認ビッドだと共通の認識があるとすれば、6Cをビッドして6Dが返ってきたらパスをするという選択があります。これを採用すると上記の①②は7D、③④は6Dとできるのでもっと期待値の高い選択をできます。
またRKCBのところまで話しを戻して、1NTオープン後にレスポンダーが55以上を示したら4NTはダブルRKCBにするという取り決めを採用していれば(寺本ノート参照)、今回のケースでダブルRKCBすることができます。
その場合の4NTに対しての答え方が、5C/5D/5H/5S/5NT/6C=14/03/2noQ/2wLQ/2wHQ/2wQQ
になるので、2key with Low Qの5Sがレスポンスとして返ってきてSAHACKCQまで分かって7Dをビッドできます。
グランドスラムは、オポーネントがスモールスラムまで到達しない可能性がある場合には特に、鉄板級じゃないと置きにくいです。自分はメイク率7~8割くらいは欲しいなと思ってます。
そういう意味でグランドビッドは難しいですが、うまくビッドしたグランドをメイクさせるのは楽しいですし、スコアにも思い出にも残るのでこういうチャンスをモノにできるようにしたいです。
続いて、
ダイヤは見つかる?
あなたはSouth
12番、we vul 4番手
T9
AKQ54
AT73
A3
ビッドは二番手のパートナーの1NTオープン(15-17)からフリーランで、
1NT-2D;2H-3C;3D-?
2D=TRF
3C=H+D,INV+(55の時だけINV+、それ以外はFG)
3D=D3枚以上,H2枚以下,NF
となりました。Dフィットしているサウンドな手なら3Dの代わりに3Sをビッドする取り決めです。
次のアクションはどうしますか?
実際のハンドです。
テーブルでは6NTをビッドし、ダイヤのリードが来たので一瞬でメイク。
ダイヤフィットを探さなかった理由は、
・フィットを探す明確な取り決めが無い
・ダイヤは3枚のことが多いのでそもそもフィットしてる頻度が低い
・物量足りているのでハートや黒いスーツでトリックを稼ぐ展開があり得る
・グランドスラムは無さそう
だからです。トラベリングを見ても6NTが多数派なのでこれで良かったと思ってます。
テーブルではダイヤのフィットを確認するのは難しいと考えたのですが、3Sとビッドすることで確認できそうです。もし4Cや4Dなどが返ってくればダイヤは4枚持ってそうですし、3NTならD3枚でしょう。次出てきてマイナーに向かいたいときは3rdスートのうち低い方をビッドしてみようと思ってます。出てくるのは一年くらい先になりそう。
続いて、
システムの当たり外れ
こちらは全体のハンドから
うちのペアは2NTオープン=m55+,PREを採用しているのでサウスの2NTオープンからスタートしました。下記の展開で5Hへ。
(P)-2NT-(3C)-4D;
(4H)-5D-(5H)///
あと一押しで6Hまで上がりそうだったのですがストップされてしまいました。Northが5Dで競っていると、EASTが頑張って5HをビッドしてWESTがレイズして6Hになっていたかもしれません。テーブルでもWESTは5Hと6Hでかなり悩んでいたので、EASTが5Hならたぶん6Hにレイズしたでしょう。
普通のシステムならおそらく3Dオープンからスタートして3D-(4D)-5D-(5H);P-(?)とここでどうするかになってスペードもクラブも不安だからやめるとなる気がします。うちのテーブルと比較するとCKの配置が悪くなってそうなで分が悪いです。
今回はシステムの当たりを引けているパターンで、得点チャンスを逃したのが惜しかったハンドでした。次はシステムの差で得点できたらいいな。
R7は全体的に調子が良く勝ちでした。
2020日本リーグ後期①をトータルで振り返ると、点数をあまり引かなかったからか、ジャッジの場面が少ない分失敗も少なかったです。後輩とは初めてⅠ部で組みましたが、ペアとして戦えている感触があって良かったです。
一方でトッププロの試合を観戦したり、たかやまチームとの対戦を通して技術不足も感じるシリーズとなりました。焦る部分もありますが突然うまくならないので少しずつ積み上げていきたいです。
逸れたディフェンス?
あなたはSouth
6番、They vul 2番手
764
K982
KQ7
932
(P)-P-(1D)-X;
(XX)-1H-(2D)-2H;
(2NT)-P-(3NT)///
オープニングリードはH2を選びました。ダミーは、
T532
A
AT98642
K
T1:H2-A-3-5
T2:D2-3-J-7
T3:SK-7-2-A
T4:CA-5-?
T2はパートナーにCAを期待してダミーのダイヤが良くならないようにダックしました。T4のCAに何を出しますか?シグナルはUDCAです。
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