【ブリッジ】思い出のスラム【ワールドユース2022BAMファイナル②】

スプラ3のフェスに初参加しています。初参加がポケモンとのコラボでテンションが上がっているKKTです。


BAMの最終セッションは各チーム順位がだいたい分かってきているのと、インディビジュアルを除いて大会のラストセッションなので、みんな思い出作りをしたくなる気持ちが強くなって大荒れしやすいです。そんなラストセッションを振り返っていきます。

Session 3


まずは最初のラウンドの3ボード

#19

自分はイーストにいて、サウスから(2H)-X-(4H)-P;(P)-X///となって300取り。こちらの4Sが良いコントラクトでしたが、相手にうまくやられてしまったので仕方ないです。裏は4Sまでビッドされてサウスの5Hxになって500取られだったので0。


#20

あなたはウエスト

#20 Both vul 1st

JT83
AQ92
Q74
43

P-(P)-1D-(1NT);
X-(3C)-P※-(P);
?

X=PEN
P※=take out or waitinig

アクションはどうしますか?










実際の配置は、

ウエストは最後にダブルをして3Cxがスタンド。ノースの3Cxは1210しかとれずジャストメイク670取られ。裏はイーストの4Hがジャストメイクで620取られで0でした。


EWはどうするべきだったでしょうか?解決策を考えてみます。
まず、ウエストが3Dもしくは3Hをビッドしてフィットを探しに行く方法があります。我々のペナルティシークエンスの取り決めは「どちらかが一度でもスーツを示した後はダブルがペナルティ」になっていて、今回はイーストの1Dオープンがダイヤを示したから、EWどっちもダブルはペナルティになります。そうすると、イーストの3Cへのパスはウェイティングかテイクアウトのどちらかなので、ウエストはコンバートした方が良さそうに見えます。また、取り決めを変える方法もあります。ダブルはテイクアウト、パスをウェイティングかペナルティにすると、イーストが3Cにダブル、ウエストが3Hや4Cとかビッドしてコントラクトを探しに行く感じです。

どうすれば良さそうか、有識者の意見を聞いてみました。

「3Cと言われて厳しかったですね。その取り決めであれば私ならEWどちらもパスしてノースの3Cがスタンドします。」
「その約束であればWが何か言った方が良いです。1Dがほぼ5枚の約束なら3Dも有りますが、そうでないなら3Hとか。」
「eはテイクアウトなんだから、wはボロ2枚クラブでテイクアウトで良かったのでは。最低3枚、できれば4枚で、メジャーの無い手がダブルが望ましいのでは。テイクアウトの仕方はミニマムだから、3ハートで良いかと。eは形含めて余裕あるからレイズできる。それか4クラブでボスメジャー。問題はテイクアウトか、ウェイティングか、分からないことだったんだろね。分からない時点で、パスはフォーシングだよね。テイクアウトのハンドで3クラブノンダブル流れたら困るから。取り決めはパスダブル決まっていたらどっちがどっちでも構わないのでは。自分は最初のナチュラルに対するダブルはテイクアウトにしてるけど。」
「WはXではなくて4CかPかを置いた方が良いかと思います。ダブルの約束的には、ゲームバリューが保証されている訳ではない状況なので、ダブル付コントラクトよりも自分たちのゲーム探しを優先して、ペナルティではなくテイクアウトの方が良いかと思います。今回で言えばEがXして、Wが4C的な」
「3レベルは両方ともT/Oが良さそう」
「イーストがテイクアウトダブルするのが明白で良いです。」
「私はダブルがテイクアウトの方が良いと思います。テイクアウトでなければ3Cを許すしかないでしょうかね。テイクアウトだったとしても4H到達は難しいでしょうけど。」
「私がお薦めのダブルのルールは、長いスートを持っている相手の手前での競り合いでのパーシャル コントラクトへのダブルは、決してペナルティにならないです。Northが2Cなら長いスートを保証するわけではないので、Westのダブルがペナルティなのは良いと思いますが、3Cは明らかに長さを保証するので、テイクアウト気味のバリューとするのが良いと思います。
あるいはWestが最初にダブルではなく、メジャーズを示す2Cをビッドするか…」
「明確なルールはないですが、オポの逃げた1つ目のスーツの後ろの位置でのXはペナルティ、手前の位置でのXはテイクアウト気味なオプショナル、2つ目以降のスーツについてはどちらからのXもペナルティ、と決めたことはあります。」
「EastはF1のPよりは3Hだと思いますし、WestもPEN Xでなく3Hだと思います。ダブルの取り決めは、多分「PENシーク後は2NTまではフォーシングだから柔軟にビッドできるけど、先に3Cを置かれると3Dを超えて3Hを置いていいのか判断できないことがある」あたりに問題があるので、2NTまでは「どちらかが4枚以上のスーツを1度でも示したらXはPEN。困ったらPass」
3Cから4Dは「XはT/O(微妙にバリューがあって困ってる手を含む)など、PはNFかtrap」みたいに分けるとベターな気がします」
「テイクアウトにした方が良いです。1NTへのダブルはほぼ点数しか保証していないから、相手に山フィットがあるコントラクトにテイクアウトが無いのはまずいです。1NT関連は、一回目のXはどちらもT/O、二回目以降はPENというのが簡単で良いです。一方で、1m-(X)-XXの後は一回目からどちらもPENが良いです。それは、1C-(X)-XXという手にAQTx xx KJT Qxxxとかは入ってないからです。ハートに逃げられた時にX受けないので、自分たちの4S見つけること優先して1Sから入るからです。オープン-(X)-XXは原則バランスだから、最初からPENが良いということです。」

1NT後の相手の一回目のNATにはテイクアウトにした方が良いという意見がかなり多かったです。たしかに言われてみるとテイクアウトが良いのは納得です。理由は、
・パスをテイクアウトorウェイティングにしてしまうと、バランシングポジションにゲスが発生することがある。テイクアウトならビッドが良いけど、ただ弱いだけのウェイティングならパスが良い、という感じで。
・1NTをXした側の手に点数のあるアンバランスハンドが有り得るので、オープナーがPENしにくい。また、1NTをダブルした側もアンバランスハンドならオープナーのPENを流すかどうか難しい。

1NTxの後はお互いにフィット枚数が多いかもしれないので、こういうシチュエーションは一回目はテイクアウトにした方が良さそうです。最近のブリテンでブライアンシニアも言ってましたが、純粋にペナルティダブルしたいハンドはそう頻繁に出てこないので、それより頻度の高いテイクアウト風のバリュー(オプショナルダブル)が得策です。ペナルティダブルしたいハンドはパスしてパートナーのリオープンダブルを待つのが良いようです。


続いて、

思い出の7D

あなたはイースト

#21 both non vul 2nd

4
87
AQ985
K8732

(3H)-P-(3S)-P;
(4H)-P-(4NT)-P;
(5C)-P-(5D)-X;
(6H)-?

3Sはハート合意のキュービッド、4NTはハートのRKCBという説明がありました。アクションはどうしますか?









テーブルで考えたのは、
・7Dをビッドするか、パスして大人しくDAをリードするか。
・相手バルでこちらノンバルなのでサクリファイスが美味しいかもしれない。こちらのダイヤ取れない可能性まで考えると、6Hはだいたいメイクしてそうに見える。相手の6Hがメイクするとすれば、パスして守ったら1430取られる。7Dxをプレーした場合に1,3,5,8,11,14で6ダウンまでならプラスになる。
・パートナーのリードショーイングダブルにダイヤの長さが有りそうなことと、サウスにスペードが結構有りそうなことを考えると、パートナーは4162みたいなシェイプをしているかもしれない。7Dxが6ダウンすることはあんまり無さそう。


ペア戦ではこういうボードでサクリファイスをした方が正解のことが多かったし、最終ラウンドだし7Dをビッドしたくなった。



結果は、

(3H)-P-(3S)-P;
(4H)-P-(4NT)-P;
(5C)-P-(5D)-X;
(6H)-7D-(X)///

7Dを置き切ったときはかなり気持ち良かったですが、ダミーを見たら6H落ちそうだったので後悔しました。7Dxは4ダウン。裏は5Dxが3ダウンだったので0でした。


後から振り返ると、7Dはオーバービッドでした。理由は、
・リードショーイングダブルは長さを保証しないから。相手はダイヤのキュービッドしないままRKCBしていてダイヤ取れるケースもあり得る。パートナーはリードショーシングダブルを積極的に仕掛けるかもしれない。この状況ならパートナーにKJxとかのダイヤがあればダブルするかも。
・自分がCKを持っていてパートナーにスペードの長さが有るかもしれないので6Hのディフェンスがあるかも。

7Dでサクリファイスするなら、パートナーにダイヤの長さを期待できる状況でするべきでした。例えばパートナーがダイヤでオーバーコールした後だったら7Dが良さそうです。今回の7Dはギャンブル味の強いビッド。

ということで最初の3ボードで0点を叩いてしまったので3位は絶望的になりました。


続いて、

思い出の7NT

ビッドはオポーネントのNSのフリーランで、1S-2H;2NT-3H;4C-4H;4NT-5H;7NT!となりました。自分はイーストに座っていてDKをリード。HQが落ちないから7NTが3ダウン。
ノースは「sorry」と言っていました。きっと、作る気半分、思い出作り半分でビッドしたのでしょう。その気持ち分かります。


続いて、

取り決めの無いビッドの考え方

あなたはイースト

#26 both vul 1st

73
QT74
KQ2
KQ64

1C-(1D)-1S-(P);
1NT-(P)-2D-(P);
2H-(P)-3S-(P);
?

介入された後の2 way CBの取り決めは無しです。アクションはどうしますか?













テーブルの考えは、
・介入された後の2way CBを使うかどうかは、深く取り決めていなかったが使うような気がする。
・2 way CB使っているとすれば2D then 3Sというビッドシークエンスは存在しない。Sの62フィットを探したないなら2Sをビッドするはずだし、Sをセットしてスラムトライするなら2Dを挟まずに3Sをビッドするから。
・2 way CBを使っていないとすれば、スペードのスラムトライということになる。スラムトライしているケースはあり得るけど、左は1Dでオーバーコールしているからスラムトライの頻度は低い。
・もしS6枚のINVをしたい場合はどうするだろうか?2Cをビッドしてパスされうること、3SがINVとして機能しない可能性があることを考慮すると、パートナーは他の手段を選ぶかもしれない。

いろいろ考えて辿り着いたのが、「2Dから3Sをビッドするシークエンスは無いので、これがINVになるんですよ」と言っているパートナーだった。パートナーはこういった妙手のようなビッドが好きなので、テーブルで辿り着いた自分の読みには納得があった。パスを選んだ。



実際の配置は、

パートナーの手は普通にスラムトライ。3S5メイクは200ですが、裏は4S5メイクなので0でした。


冷静に振り返ると、4Sをビッドするべきでした。
・取り決めをしていないなら2 way CBをオフとして、キュービッド=FG、2NTと3XをINV、それ以外はNFと考えるべきだから。キュービッドされた時点でゲームまでビッドすることを決めるべきだった。
・深読みするのが良くなかった。パートナーも取り決めの無い状況で変わったビッドは普通しないだろうから、2D then 3Sがかなり強そうなビッドっていう直感をそのまま信じれば良かった。

あとは介入された場合に2 way CB(XYZ)がオンなのか、オフなのかというのは基本的な取り決めなので、試合前にしっかり決めておくべきでした。とりあえず、日本リーグ前には取り決めるようにします。


最終ラウンド

キュービッドかダブルか

あなたはイースト

#29 both vul 2nd

Q
Q8653
QJ9
AKQJ

(P)-1H-(1S)-2D;
(2S)-?

アクションはどうしますか?


















テーブルで考えたのは、
・あまりダイヤフィットの強い手という感じでも無い。3Sとビッドして3NTか5Dをプレーするのも有りだが、イマイチかもしれない。
・ダブルしてパートナーに任せるのはどうか?パートナーが流してくれるような手なら、2Sxが3ダウンして800取れることもあるかもしれないし、こちらのゲームができない配置で200とか500を取れるかもしれない。パートナーが3mと3Hの時は、3Sでストッパーアスクをすればいい。

3Sよりはダブルから入った方が柔軟で良いと思ったのでダブルから入ってみた。






実際の配置は、

パートナーはXをパスしてサウスの2Sxがスタンド。サウスの2SxはHA,Hxから、サウスがHTで勝ってDx-A-2-9、C3-7-Q-2、H3-K-S7-J、C9-T-K-4、Hx-SJ-Dxとプロモートしてやっと2ダウンで500。裏は何故かウエストの6Dまで上がって1ダウンしていたので2取りでした。


実際にはEWの3NTの方が良かったですが、どうするべきだったでしょうか?ここで考えてみます。
・イーストがXではなくて3Sをビッドするべきかもしれない。ダブルだとダイヤフィットが隠れるから、ウエスト目線プレイングトリックが減る。4枚程度スペードを持っていれば、2Sxでプラスを取りに行く方が良いと思うかもしれない。
・イーストのダブルにウエストが3NTをビッドするべきかも。イーストがエクストラバリューを示したから、3NTをプレーするバリューは十分にある。また、ストッパーはあるもののスペードの長さは無いので。

良くわからないので有識者に聞いてみました。

「私はEでダブる方が好きです。ハンドをよく示していて、かつ、こちらにフィットがないもしくは3NTができない時にもプラスが取れる可能性があるので。3Sは着地点が見えない割に代が上がりすぎて情報交換がしにくい印象です。チーム戦ならそう考えて気楽にXでいいんでしょうがBAMはわかりません。STがなければ逆の結果になるわけですし。」
「私ならイーストがダブルしてウエストは3NTをビッドします。ダブルでイーストがバリューを示したらウエストは3NTできそうだと分かります。」
「パートナー間のダブルの感覚を合わせれば良いです。個人的にウエストのハンドはどちらかと言えば流さない、イーストも3Sは考えられる。不運の面もあります。」
「5Dがベストの事もありますね。3Sが良いです。」
「イーストが3Sをビッドするのが良いと思います。ウエストはストッパーが無ければ4Hか5Dを選べばいいのではないかと考えます。」
「ダブルしないね。3クラブかなあ。5ダイヤやりにいくかな。3クラブに3nならパスかな。」
「わたしがEastなら3Cとビッドします。パートナーが3Sと続けて来た場合に3NTにするか4Dにするか迷いそうですが、BAMなら3NTかな。普通のIMP戦なら4D。このハンドでダブルは考えません、危険過ぎます。DとSが逆になっていたらダブりますが。私の理解では、この様な状況でのダブルは強さはあるが適当なビッドが無いハンドですかね。強さとシェイプを正しく表現できるビッドがあれば、ダブルよりもビッドしたほうが良いと考えます。
ダブルはトランプを2、3枚持っていて、パートナーもフィットがなくてバランスハンドならパスしても良いというような感覚です。」
「Wの主張に賛成です。S2回止まれば3NTできそうですし。ダブルするならサポートが無くてトリックも無いけど点数があるような手になると思います。」
「Eは3Sbidして3NTか5D/6D狙うべきだし、2SxされたらWはパスします。ダブルするなら2524とかの14点以上ある手にしたいです。」
「オプショナルならトランプ2枚はあった方が良いのでは?9枚フィットの2Sxは守りたくないので。それにEはアナーの持ち方がディフェンスに向かないので、ダブルでなく3S(フォーシングになるならパスや3Cもあり)を言った方がいいと思います」

イーストはダブルせずが多数派でした。パートナーがINV以上を示した状況では14点以上あれば何かしらのアクションをしたいので、ダブルするなら他のアクションがしにくいようなBAL傾向の手を示すのが良さそうです。いわゆるオプショナルダブルで、ディフェンスもオフェンスも考えているような手になるからスペードは2~3枚持っていることが多いみたいです。オフェンシブな手は3Cとか3Sとか4Hとか、そういうビッドを選んで捌くのが吉。今回の手は3Cか3Sが良かったようです。勉強になりました。


ラストボード

思い出の7H

あなたはウエスト

#30 both non vul 3rd

K95
A74
AK754
AJ

1H-(P)-2D-(P);
2H-(P)-3H-(P);
4H-(P)-4NT-(P);
5S-(P)-?

5S=2key w HQ

EWはシリアス3NT(3S)を使っています。アクションはどうしますか?













実際の展開は、

ウエストは6DでDQアスクをしてEが7D、ウエストが7Hに直してスタンド。H32、D33ならメイクですが、どちらもブレークが悪かったので2ダウンでした。裏は6H1ダウンだったので0。

ウエストは5Sの後すぐに6Hでサインオフする方が良いです。ウエストの3Hのスラムトライに対して、イーストは3S(シリアス)、3NT,4mのキュービッド、4Hの三段階で強さを表現できます。三段階で使い分けるなら、だいたい下のような割り振りになるはずです。
3S=スラム出来そう:上位30%、エクストラバリューのある15点以上で余力有り。
cue=スラム出来るかも:上位30~70%、13点前後のBALだけどコントロールのある良い手、ミニマムだけどシェイプとコントロールを持つ良い手。
4H=厳しい:下位30%以下、ライトオープン、ミニマム、13点前後のBALでコントロールが少なくてルーザーの多い冴えない手。

今回のイーストの手は、ミニマムだけどパートナースーツのDQがあって、SA、HK、HQは全てキーカードなので無駄点が無いです。キュービッドと4Hどちらも有り得る境界線上くらいの手です。4Hのマックスを前にしてなお赤いスーツのグッドブレークが必要になるから、ウエストの7トライはオーバービッドです。バリューが足りないので7はスクイズプレーも生まれなさそうです。

と、いろいろ書きましたが、パートナーも作る気半分、思い出作り半分で7トライしたんだろうと推察します。大きな大会の最終ラウンドは思い出が欲しくなるものなので。


ということで、スコアはともかくみんなで思い出を作ったラストセッションになりました。最終結果は、

53点/102で7位。終わってみると3位まで6点差だったので意外と惜しかったです。我々ペアだけでもSession1とSession3をいくつか改善すれば手が届いたことを考えるとちょっと勿体なかったです。


これでメインイベントは全て終了。終わってみると下振れしてメダルは取れなくて残念でしたが、しっかりとした総当たりのペア戦も新鮮で楽しかったし、MPの戦い方を学んで強くなれた気がするし、イタリアを歩いて気分転換にもなったので個人的にはイタリア行って良かったです。


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