ビディングシステム その③ IMAX3C

紹介するシステムの正式な名前を忘れてしまったKKTです。


今日は、最近ブリッジ界で流行している、あの3Cの紹介をします!

それはこちら。


1H-1S;3C、1H-1NT;3C、1S-1NT;3C


この3C(以降IMAX3C)が本来のM+Cの意味でなく、下記のようなパターンのハンドを含むというものです。

①M+Cの強い手②M1スーターの強い手(③パートナーのM3枚を持つ強い手)



レスポンダー側は特徴的な手でない限りは3Dをビッドしてオープナーのハンドを聞きます。例えば、

1H-1S;3C-3D;

3H=H1 suiter
3S=H+C(もしかしたらS3H5の20点くらいかも)
3NT=H+C
4C=H+C,すごく強い or 65などのシェイプがある手

という感じで展開します。




こうすることで何が良くなるかというと、

・オープナーがM1スーターのFGを示しやすくなる。

・3DリビッドがM5D4を保証するので、ダイヤのスラムトライがしやすくなる。

・レスポンダーがスーツのフィットを表明してスラムトライしやすくなる。


レスポンダーのスーツフィット表明について、特に1H-1S;3Cでは効果的です。

なぜかと言うと、1H-1Sのレスポンダーには長いスペードがあるかもしれず、また1Sは上限が無いので、1M-1NTの展開と比べるとレスポンダーの手の幅が点数、シェイプ共に広いためです。


1H-1S;3CをIMAX3Cとしておけば、レスポンダー側は、

①様子を見たい or ハートのSTをするときは3D、
②スペードのSTをするときは3S、
③S+mでSTするときは4m

と分けることができます。


こうすることでお互いにどのスーツでスラムトライしているのか、はっきりする展開が増えます。





例として実戦から一つ紹介します。


画像1


ノースの手で1Hオープン、1Sレスポンスと進み、

H1スーターでFGバリューがあるので3Cをビッド。

このビッドを仮に①H+C②H1スーター のどちらかであると仮定します。


それを受けたサウスとしては、18-21くらいあればスラムトライへのバリューは十分にありそうなので、

①H+Cであればクラブでスラムトライしたい

②H1スーターであればハートでスラムトライしたい

場面です。


どっちを持っているかは、3DとASKすることで判別できます。

3Hと返ってくればH1スーターなので4Dでアドバンストキュービッドを返します。3NTと返ってくれば4Cとクラブフィットを示します。


このように、レスポンダー側の対応ビッドに3Dを残すことで、Hのスラムトライとmのスラムトライを区別することができるのが良い点です。





もしIMAX3Cを使っていなかった場合はどうなるかというと、これは裏テーブル側のビッドですが、


画像2


1H-1Sまでは一緒です。

次のノースのビッドに3通りの選択肢が発生します。3D、3H、4Hです。

それぞれのビッドが本来の意味から少しずれています。


3DはFGを示すことができますが、パートナーに手の形を誤解されるリスクがあります。また、正しいスーツにフィットできるかどうか不確定な状況があります。

3Hはパスされるリスクがあります。また、アンダービッドをしたためにスラムルーズするリスクもあります。

4Hはもっと弱い手でもビッドすることがあるので、こちらも同様にスラムルーズのリスクがあります。

一般的には長い方のmを選んで、仮のFGとして3mをビッドすることが多いように思います。


実際にはNorthは3Hを選びました。

その後の展開は少しよれてしまい、5Hでストップしています。4Dがハートフィットなのか、S+Dなのかはっきりしなかったというのもあると思います。


少し話が逸れますが、3Hを受けたSouthは4Hをビッドしてスラムトライをしない選択肢もあります。

6HにはHA,HK,HQ,DA,CA,CKのうちから5枚必要です。

自分以外に残っている30点のうち、15-18点くらいパートナーにあるとして、平均的には3~4枚くらい必要なカードを持っていそうです。

そうすると、4Dを見てスラムに向かうような良い手(トップ30%)には4枚くらい必要なカードがある見積もりになりそうです。

それで足りないとすれば、サウス目線3Hの中でスラムできるのは良くてトップ10-20%くらいの手と分かっていて、大抵は4Hがベストコントラクトだと判断して良い気もします。オーバーランのリスクも考えてこちらから4Hをビッドするという選択です。



こういう感じでスタンダードの1M-1X;3mはフィットを見つけるのも大変な一方、IMAX3Cを使った場合には、比較的安全にフィットを見つけた上でcueするスペースも生まれることがあります。

IMAX3Cは覚えるのも比較的簡単な上、デメリットがほとんど無いので、きっと今後はこの3Cがむしろ標準的な取り決めになっていくんじゃないかと思っています。

特にGazzilliなどの技を使用していない場合には、1M-1NT;の後も有効だと思うので、ぜひ試してみてください!







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