木村六郎杯 R5 SQのタイミング
「プレシジョンのシステムくらい自分で作ったらどうだ」と言われ、振り返ると1Cを持ってうつ向いていた男。KKTです。
木村六郎杯の助っ人として出場してきました。
R5から5ラウンド出場です。その時点では入賞していない順位だったので、とりあえず助っ人としての目標は入賞することにしました。
R5から気になったハンドをいくつか紹介します!
マージナルハンドのジャッジ
19番ボード、we vul 2番手
AJT86
JT2
6532
5
(P)-P-(P)-1NT;
(P)-2H-(P)-2S;
(P)-P-(3H)-P;
(P)-?
What is your call?
実際のハンドは下です。
パートナーはXを選択、自分はパスして3Hxをディフェンス、手なりに進んで4ダウンしました。
終わった後にハンドを見て、このXがとても良いXだと思いました。どう良いのかというと、3Hxでの大量得点を狙いつつ、意外とリスクが少ないから良いと思いました。
EASTのXはパワーを持ったオプティマル系のXですが、仮に1NTオープナーの手を、ハートとスペードに着目して下記のように分けたときに
①スペードがフィットしていてハートも抑えている
②スペードがフィットしていてハートは抑えていない
③スペードはフィット無し、ハートは抑えている
④スペードはフィット無し、ハートも抑えていない
ハートを抑えている①と③についてはパスして3Hxを守ってくれて、良いスコアを狙えそうです。②については3Sになりそうですが、そんなに悪いコントラクトにはならないと思います。唯一④の場合には3Hxをメイクされる可能性がありますが、今回みたいにオポーネントの3Hが弱かったり、パートナーの手のディフェンシブバリューが多かったりすれば、3Hxを守れそうです。
総合すると、3Hxでの大きい得点を狙いつつ、ダメな時は3Sに逃げれるかもしれないので、リスクリターンの良いXになっているのかなと思いました。
こういうXはしっかり考えればできるのですが、テーブルではついパスしがちなので、しっかりXしてスコアを狙いに行くのは流石プロの技と思いました。
続いて、
6NTのディフェンス
あなたはEAST。
22番ボード、we vul 1番手
Q87543
7
93
QJT6
P-(2NT)-P-(3H);
P-(3S)-P-(4NT);
P-(6NT)///
2Sオープンしなくて良かったと一安心していたら敵のスラムになりました。パートナーのオープニングリードはDQでした。ダミーは、
KJ962
Q2
A84
975
T1:DQ-4-3-K
T2:SA-H5-2-3
T3:ST-H4-6-?
Plan the defense.
実際のハンドは下です。
テーブルでは即上がってダイヤを出しました。正しい順でプレーされるとWESTへのハートとダイヤのスクイズが効いてメイクなのですが(DCCHSSS)、順番を間違えたためダウンしていました。
SQ上がるタイミングがまずかったかなと思って後から確認したところ、ちょっとややこしかったのですが、SJのタイミングで上がると良かったみたいです(SA,ST,SJの順として)。T3以降下記のように進むとして、
T1:DQ-4-3-K
T2:SA-H5-2-3
T3:ST-H4-6-4
T4:H6-3-Q-7
T5:SJ-
ここで上がってダイヤ出せば、ダミーのエントリーが無くなるので、スクイズのタイミングが合わなくなって落ちでした。T5もダックした場合は、今度はWESTに対してクラブでスローインして、スペードの打ち込みになってました。T4でダイヤを出してダミーに入った場合も同様に、SQで勝ったタイミングでハートを出せば良いようです。
要はスクイズから逃れるためにダミーのコミュニケーションを断ちたくて、まずダミーエントリーを使わせてから、SQ勝ったタイミングでもう一つのエントリーにアタックするのが良いということでした。
テーブルではそこまで見えていませんでしたが、たしかに点数配置を考えれば11個のウィナーがありそうなので(4322)、スクイズに対抗するディフェンスを考えるべきでした。
最後に、
まっすぐなプレーライン
あなたはEAST。
29番ボード、both vul 2番手
A98
T8
T98
AKQ65
(P)-1C-(1S)-X;
(P)-1NT-(P)-3NT///
オープニングリードはSQでした。
K75
AK765
K43
92
A98
T8
T98
AKQ65
T1:SQ-?
Plan the play.
実際のハンドは下です。
自分はSQをダックしたらダイヤにシフトされて、DQ勝ち、ダイヤ続いてDA勝ち、D7-K-2-Tとなってダイヤがブロックしたので、クラブかハートを負けに行けば良くなってメイクしました。危ないところでした。
後から振り返ってみて、スペードを上がってシンプルにHかCのエスタブリッシュを狙えばよかったと思いました。
実戦の展開ではダイヤを攻められて負けに行くテンポを失いましたが、スペードを上がっておけば、ハートを試した後にクラブの33を試すことができます。危ないダックをせずにまっすぐプレーすれば良かったと思ったハンドでした。
以上となります!
試合は15VP弱取って勝ちました。結果的にはスコアが良かったのですが、相手の失敗にかなり助けられていてラッキーなラウンドでした。次のラウンドからは気をつけようと気を引き締めてR6へ。