台湾戦@BBO 最後のゲスは相手にさせよ
海外へ気軽に行ける日を待ち望み過ぎてキリン並みに首が長くなりそうです。KKTです。
台湾のU25のチームと日本のU30のチームで試合をしました。相手チームの印象としてはかなりアグレッシブにしかけてくるようなイメージです。いやどちらかと言えば日本ユースが全体的に控えめなので、そこを狙ってきているから普段よりもグレッシブになっているのかもしれないとも思います。
試合の中からいくつか振り返っていきます。
高い台のジャッジに向けて
あなたはEAST。
6番ボード、We vul 1番手
A2
AQT873
Q
KQ54
1H-(P)-2H-(2S);
?
plan the bid.
敵の4Sが予測される場面でどうやってビッドを組み立てるかというジャッジです。
テーブルでは、4Hとビッドして4Sをビッドさせにくくするか、競り合いとなった場合に備えてクラブを示しておくかの二択だと思いました。
結局は、どちらにせよ4Sをビッドされる可能性が高いと見て、競り合いに備えて3Cでクラブを示す方を選びました。
結果は以下です。
3Cをビッドした後、サウスに4Sをビッドされてそれが自分に回ってきました。このボードはこちらのハンドだと思ったので最後にXしてスタンドしました。プレーはDQ-A-9-5, ST-J-K-A, HT-5-K-2, D3-T-S2-4となったのでぎりぎり1ダウンしました。
T1のD9はダイヤのトリックがエスタブリッシュするかもしれませんが、パートナーにハートのエントリーを伝えるためにSPを出すことを優先していてそのあたりのバランス感覚が上手だと思いました。
後から振り返ってみると、3Cの時点でエクストラバリューを示していたので、4Sに対してはパートナーのジャッジを信用してパスするのが良かったです。仮にパートナーがマキシマムのハンドであれば、ディフェンシブならX、オフェンシブなら5Hを選んでくれそうです。
逆に言えばそれらのアクションが無いときは4Sxも5Hもあまり良くなさそうでした。
パートナーにジャッジしてもらうために3Cをビッドするという方針は良かったです。次はジャッジを任せるようにしたいです。
ちなみに裏のテーブルは、
Northが頑張って3Sをビッドして4Sが1ダウンして2取りでした。WESTの3Hはこのバルのweakとしてはちょっとハイカードのバリューが足りなくて危ないですが、その時点で手を示しきることによって後のEW側のジャッジが楽になることが多いので良いビッドだと思いました。
最後のゲスは相手にさせよというのはブリッジの基本ですが、迷ったときはそういうジャッジを選ぶようにしたいところです。
続いて、
高い台のジャッジ
あなたはEAST。
13番ボード、both vul 2番手
5
K652
AT4
KQ982
(P)-1C-(P)-1D;
(1S)-2H-(3S)-4H;
(P)-P-(4S)-P;
(P)-?
1C=C2+,11-21
1D=H4+
What is your call?
良さそうな4Hを4Sでサクリファイスされて困った場面です。ここでPASS,X,5Hのジャッジをすることになりました。
パートナーは自発的に4Hをビッドしているので、パートナーの手は、
①ハートが長くて4Hをプレーしたい手
②バリューがあって4Hをプレーしたい手
のどちらかだと仮定して考えました。そうすると、①なら5H、②なら4Sxが良さそうだと思いました。この区別はつくでしょうか?
テーブルでは、①のタイプの手はパスして、②のタイプの手はXすることが多いと考えました。FGバリューを持ったBALのような手であればXするだろうと思ったためです。
もちろん、①のタイプの手で5Hをビッドすることは有りますし、②のタイプの手でXできないことも有りそうだとは思います。しかし、4Sをパスするレンジ全体を考えたときに、①のレンジの手の方が多く残っているように思いました。
ということで5Hをビッドしてみました。
実際のハンドは下記です。
実際には②のタイプの手でかつXができないケースでした。たしかにディフェンシブバリューが少ないので4SをXするには厳しいかもしれません。
後から振り返ってみて、このシチュエーションになったときの5Hは当落線上くらいでちょっと難しいと思いました。②のタイプの手は仕方なくXするとすれば5Hが良いと思いますが、レンジにいくらか残っているならXが良いかもしれません。
このハンドをどうすると良かったのか、プロに聞いてみました。すると、
5Hのビッドをするくらいだと思っているなら、2Hじゃなくて3Hをビッドしておけばいいと思う。最高の12点でシェイプ勘案すれば15点バリューはあるでしょう。
と教えていただきました。
たしかに、この展開であればパートナーは4H(4D)をビッドした後、4SにXするのは容易だと思います。オフェンシブなら当然5Hまでビッドするでしょうし、パスで回ってくればこちらもパスすることができます。
要は、示していないエクストラバリューのために高い台で困るくらいなら、低い台のうちに頑張ってバリューを示しておいて、高い台はパートナーにジャッジを任せた方が良いということだと思います。
またも最後のゲスは相手にさせよというのはブリッジの基本で正しいと思いました。まだ余裕があるうちに示しきっておくように心がけたいです。
最後に、
ハートの枚数
あなたはEAST。
15番ボード、they vul 4番手
AK
AQ96
Q832
T96
(P)-P-(2NT)-P;
(3NT)///
オープニングリードはH6を選びました。ダミーは、
J52
T54
KT964
84
T1:H6-4-7-8
T2:DA-2-4-5
T3:DJ-3-K-7
T4:DT-H2-C5-Q
シグナルはUDCA、ファーストディスカードはLavinthalです。
Plan the defense.
Northのハートの枚数が3枚ならHA,Hxとすれば落ち、4枚ならHA,Hxと出すとメイクさせることになるかもしれないという状況でした。
実際のハンドは下記です。
テーブルでは一旦クラブを出した後、スペード出されてSKが勝ったタイミングで決断の時となり、ハートを出してダウンさせました。
ハートの枚数を判断できたのはT1のH7がカウントを示していると考えることができるので、パートナーのハートは奇数枚と考えられるためでした。この状況では2を出してもカモンにはなり得ないので、カウントが出ているだろうと考えることができると思います。
こういうところでしっかりカウントを出してくれるのは頼もしいと思いました。パートナーの上手なシグナルでした。
以上となります!
試合は14-45で負けました。
最後のゲスを自分がすることになって苦しかったボードが二つありました。良い手を持って競り合っている場合には、安全なうちに多少オーバービッド気味に手を示して後は任せるようにするのが基本的には良い結果につながりやすいと勉強になりました。多少のリスクを受け入れつつも早く適切に伝えるビッドを意識して増やすようにしたいです。