ドラフトマッチ② 1回戦前半 PENシークエンスのX

BBOでの試合が思いのほか楽しかったので、また開催されて欲しいと思っているKKTです。


我々アニマルパラダイスの1回戦は芋の呼吸チームとの対戦でした。

相手は積極的に攻めてくるイメージのチームです。前回とはシーティングを変えて、日本リーグのパートナーと同卓するようにしました。手口に理解があるのでスコアが守りやすいと思ったからでした。

気になったボードをいくつか振り返っていこうと思います!



5mのジャッジ

あなたはSouth。

2番ボード、we vul 2番手

7
T6
AKJT4
KJT76

(P)-1D-(1H)-1S;
(3H)-P-(P)-X;
(P)-?

3H=H4+,PRE

What is your call?















開始早々ビッドに困ったハンドでした。

ビッド展開からパートナーのハンドはS5枚程度、H2枚以下、10点程度と見えました。こちらの手と合わせると、少なくとも片方のマイナーはフィットしてそうなので5mが近そうです。

5mに必要なカードは、SA,HA,DQ,CA,CQです。この中から3枚あれば5m良さそうと思いました。パートナーの点数レンジ的に3枚は持ち得る範囲内です。

一方で、パートナーの点数が10点程度と考えると、これらのカードを3枚持ちうるとはいえちょっと足りないようなそういう感じです。

4Cで控えめにビッドしてパートナーに任せるか、5Cとビッドしてしまうかの二択となりました。



どっちがいいかと言われるとちょっと難しいです。

4mまでしかできない手ももちろんあるので、4Cとビッドしてパートナーがレイズしてくれる時だけ5mをプレーするという判断はリーズナブルだと思います。

また、5Cとビッドするときはもっとしっかりした手とすれば、万が一パートナーが想定している手よりももっと強い手を持っていた時に、6mに安心してレイズすることができます。5Cのレンジを守るためにも、4Cをビッドするというのは論理的な判断だと思います。

思慮深い人間であれば、4Cをビッドしていきそうです。




しかし、アニマルだったらどうでしょうか?




アニマルはよほど体調が悪くない限り、4mという渋いコントラクトをプレーすることはありません。

そもそも4Cには2344の弱い手なども含まれるため、パートナーは5mができている手でも、4mでの撤退を選んでしまうかもしれません。こちらの55は4Cでは伝わらないでしょう。

また必要なカードを持っていなくても、シングルトンやボイド、良いサポートなどのアディショナルチャンスもあります。そして、

一度トライしたゲームは絶対に逃さないのがアニマルです。

ここは元気よく5Cをビッドしてみました。







その結果は以下です。

5Cは鉄板でした。

必要なカードは二枚しかありませんでしたが、ハートのシングルトンとクラブのナイスサポートがありました。狙っていた一つの形でした。

プレーはクラブの30がどっちにいそうか考えるだけです。WESTがクラブボイドなら4Hをビッドしそうなので、CKから取るのが正しいと思います。




ちなみに裏の展開は

WESTの巧みなサクリファイスがありました。スペードリードからだったので1ダウンで11取りでした。ナイスです。








続いて、

早い段階でのディフェンスの判断

あなたはSouth。

3番ボード、they vul 1番手

A4
Q852
A876
943

P-(P)-2S-(X);
P-(2NT)-P-(3C)///

オープニングリードはSAを選びました。ダミーは、

T8
JT6
Q52
JT875

T1:SA-8-5-Q

Plan the defense.















全体の配置はこちらです。

テーブルではD7にシフト、ディクレアラーは手で勝ってCK、パートナーがCAで勝ったタイミングでスペードが出たのでメイクでした。


サウスとしては早い段階でディフェンスの判断を迫られて難しかったです。こういうときはだいたいのカードが見えてないので、何を期待すればよいか分かりにくいですよね。

まずは分かっていることから一つずつ整理して考えてみます。

・スペードは取れない寄りだと思います。ディクレアラーがQを出すときはQダブルトンかKQダブルトンですが、あまりQダブルトンでQ出さなそうな気がします。パートナーのS5はどっちつかずの数字なのでカモンの可能性もあります(PREしたパートナーへアナ―リードしたときのシグナルはSPが普通)。ただ、この取り決めはあまり正確に使われていないので微妙だと思いました。

・ディクレアラーは3Cをビッドしていて18点以下くらいなので、パートナーは10点くらい持ってそうです。


この前提でありそうなディフェンスのラインは、

①DKダブルトンを期待してダイヤを出す。

②ハートアナ―+CAの形を期待してハートを出す。

③スペードを出して様子を見る。

この3択になると思います。

実際には①を選んだわけですが、後から考えると②が良かったと思いました。その理由は、②が外れでも①に戻ることができるかもしれないからです。


例えばハートを出したとして、HA or HK+CAの形であれば当たりです(HKのときはダブルトンでないといけないかもですが)。もし、どちらも無かったとしても、CAなどでパートナーが勝つタイミングがあれば、ダイヤへシフトできるかもしれないです。

一方でDKを期待してダイヤを出す場合には、ハートが間に合わなくなるかもしれません。例えばHKダブルトン+CAの形ではハートが間に合わなくなります。

こんな感じで考えると、②のディフェンスラインは赤いスーツのアナ―どれか+CA期待というディフェンスラインになるので、かなり良さそうな感じがします。



テーブルではそこまで考えず、なんとなくハートは損しそう、ダイヤは良いアタックになりそうくらいで出してました。ディフェンスの序盤は手なりになりがちですが、分かっていることを整理して組み立てるように心がけようと思いました。



追記:先輩からコメントをいただきました。ありがとうございます。

Sさん:スペードはダメそうなので赤いスーツラフが本線ぽい。なので、CAと赤いスーツのアナ―を期待する。ダイヤはKxだけ成功するのに対して、ハートはKx,Ax,Axxで良いので二倍以上良い気がする。後ろ二つはCAグルトンでも良いし。

Hさん:ノースの1トリック目はS9を出してハートを示唆した方が良さそう。サウスにHKかDAがあればダウンしそうと見えるので、ハートシフトをリクエストするべきと思う。

たしかにそうだと思ったコメントでした。




続いて、

PENシークエンス?

あなたはSouth。

13番ボード、both vul 3番手

AQJ
Q
K7652
AQ43

P-(P)-1D-(1H);
X-(1S)-X-(2H);
P-(P)-?

What is your call?















ビッドに困ったハンドです。

1SへのXはPENのつもりで、2HをPdがXすれば流そうと考えていました。

パスするわけにはいかないので、Xと3Cからの選択です。

さて、ここで自分が2HをXするとどういう手を示すでしょうか?


おそらく、パワーがあって他のビッドが無いようなハンドになると思います。典型的には15-18くらいのSemi BAL風のハンドになりそうな感じでしょうか。

自分の手は守るのは良くなさそうだと思ったのでテーブルでは3Cを選び、最終的に自分の3Dになりました。




全体のハンドは下記です。

敵の2Hxを捕まえるのが良かったみたいでした。少なくとも2ダウンくらいはしそうです。


後から反省して思ったのは、Xしてパートナーに任せればよかったと思いました。

パートナーには2Hを守りたいけど、2HをXするにはパワー不足かもしれない手(今回のような手)が存在しているので、こちらからパワーを示すXをすることで、そういう手と向き合ったときに2Hxでの大きい得点を狙うことができそうです。

また、自分がテーブルで心配していた、2Hxを守るとまずいような手は2Sか3mにコンバートしてくれるような気もします。例えば、実際のハンドで、パートナーの手のハートがダイヤに移ったような手では、3Dに直してくれるかもしれません。

そういう風に考えればここでのXは2Hxでの得点を狙いつつ、3mなどもカバーできる良いビッドだったように思いました。

もちろん2Hxがメイクされることもありますが、それを恐れてばかりでは得点の機会を逃してしまうと思います。Xする側とXを受けた側のジャッジのバランスを意識して、こういう機会で得点できるようにしたいと思いました。




前半戦は24-36でした。12IMPビハインドで後半戦へ。





















いいなと思ったら応援しよう!