『CROSS†CHANNEL』(2003)感想&1週間の日記
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DLsiteのセールで買った『CROSS†CHANNEL -FINAL COMPLETE-』をクリアしたので、その感想を書く。
2003年に発売した最初のバージョン『CROSS†CHANNEL』や、ゲーム機への移植版(非18禁)などの他バージョンはいっさいプレイしていない。初クロスチャンネルである。
・プレイ前の所感
本作をやり始めた理由は、何よりネットのあちこちで語られる「名作エロゲ」のトップ10にはほぼ必ず入ってくるほど有名かつ評判が高く、エロゲをこれから嗜もうとしている人間としては早いうちにやっておきたいと思っていたためだ。
奈須きのこ氏が本作を「絶対に超えられない壁として君臨する作品」と評したというエピソードは、ボルヘスがカサーレス『モレルの発明』の序文で「完璧な小説」と書いてハードル爆上げしたのと同じくらいには有名である。
シナリオライターの田中ロミオ氏の作品に触れるもこれが初めてだった。ゲームのみならず『人類は衰退しました』などの小説・アニメ作品にもいっさい触れていないので、オタク界で著名なこの作家の作品がどんなものか非常に楽しみだった。
有名な作品なので、プレイ前から「どうやらループ系の作品らしい」ということと、「学生のいじめを扱うらしい」ことは聞いていた。しかし後者の要素はあんまり無かったので、なにか別の作品と勘違いしていた可能性が高い。
また、作品主題や物語設定などに一定の考察を求められる、いわゆる「考察ゲー」であるらしいとも聞いていた。一口に考察といっても内的/外的など色んな種類があるが、わたしは自分のことを「考察好き」だとは思っておらず、また巷で「(優れた)考察」としてもてはやされている文章の価値がよく理解できないことも多いため、「考察ゲー」としての期待はしていなかった。(というか、いまだに「考察ゲー」ってなんやねん、と思っている)
ここからプレイ後の感想に入る。
・雰囲気ゲー
わたしが本作の良さを一言で表すならば「雰囲気ゲー」となる。この単語はしばしば「表層の雰囲気だけを取り繕っていて肝心の内容の魅力に乏しいゲーム」のような否定的なニュアンスで用いられるが、わたしは100%肯定的な意味で「クロスチャンネルは最高の雰囲気ゲーである」と叫びたい。
その雰囲気の良さを形作っているのは、まず第一にグラフィックである。
パッケージやタイトル画面からも分かるように、本作は薄く淡い画風かつ青色を基調とした色彩設計を特徴としている。
「青を基調とした淡いグラフィック」は、ゲーム内の背景美術やテキストボックス、キャラクターの制服にまで徹底している。
こうした、画面全体の画風・色調のコントロールがほんとうに優れていた。そして、こうした淡さ・青白さは、単にグラフィックの次元に留まらず、物語・世界設定の次元と密接にリンクしている。
すなわち「人類が忽然と消失してしまった」設定や「夏休み明けの1週間をくり返す」設定、また「ラジオ(無線)」という目に見えない通信技術を重要なモチーフとする点や、なにより、一人称視点で本作を物語る主人公:黒須太一をはじめとした「群青の者たち」という独自の設定──これらすべてが本作の「白昼夢のように淡い雰囲気」の演出に寄与し、また寄与される。
・・・・・おっといけない、上品で穏やかなピアノ曲を中心としたBGMや、Duca氏の優美な歌声が染み渡るピアノバラード調のオープニング曲「inertial world」などの音響面も、本作の "群青色の雰囲気" を支えている。
曲もMVもめちゃくちゃ好き。MVには一切キャラクターが登場せず、「人がいなくなってしまった世界」を表現している。波打ち際の実写映像が挟まる点も珍しい
わたしは思う。『CROSS † CHANNEL』のもっとも優れた点は、SF・ループ作品としての世界設定の緻密さや、哲学的で感動的なシナリオの完成度、主題(""メッセージ性"")の素晴らしさetc……ではない。雰囲気がいい。とにかくいい。SF設定もループ設定も伏線が散りばめられたプロットも個性的なキャラクター達も、すべてが「群青」という本作独特の雰囲気を作り上げるために存在している。
グラフィック・音響・システム・物語・世界設定・キャラクター設定──これらの要素が無理なく、見事に調和(交差)して、ひとつの、ノベルゲームでしか体現し得ない雰囲気にたどり着いている。
この点において、わたしは本作を「最高の雰囲気ゲー」だと思う。
この一点において、わたしは『CROSS † CHANNEL』を傑作だと断ずる。
・ 上品? 下品?
上でわたしは「上品なピアノ曲」もまた「群青色の雰囲気」に貢献していると書いた。ここに用いられた「上品な」という形容詞もまた「青い」とか「淡い」と同様に、本作の雰囲気をあらわすのに相応しい言葉のように思われる。
しかしながら、本作をプレイしたことのある人の多くがこう思うはずだ。「クロスチャンネルほど下ネタとセクハラにまみれた下品なエロゲもなかなかないだろう」と。(※より最近では『ぬきたし』等のQruppo作品が挙がるだろうが。)
主人公であり群青学院2年生の黒須太一(くろす たいち)はとにかく下品だ。ところかまわず下ネタを言うだけならまだしも、女性キャラクターへのセクハラがすさまじい。スカートめくり、尻愛撫、胸愛撫、キス、性器露出…………セクハラ常習犯というか、完全に性犯罪者だといっていい。本作をプレイして最初に面食らうのは──冒頭から炸裂する田中ロミオの個性的な文体を除けば──主人公の言動の異常さである。
もちろん(ヘテロ男性向け)エロゲでは、男性主人公が物語のある地点で女性キャラクターと肉体関係をもつ描写が含まれるのが一般的だ。しかし、陵辱をメインとした作品でもないかぎり、性的な接触に至るまでには恋愛(好意形成-告白-合意)という(不可思議な)手順を踏むことが多い。なぜならふつう主人公はプレイヤーの分身(感情移入対象)として設定されており、あまりに非常識な振る舞いの果てにヒロインに性的に接触してしまっては、その後の「シーン」をプレイヤーが十分に楽しむことができないためだ。エロゲが恋愛シミュレーションゲームとも言われるゆえんである。
本作が、そして黒須太一が異常なのは、決して陵辱ゲー的なノリではないにも関わらず、ヒロインが嫌がっているセクハラを一貫して実行し、それが日常シーンの大部分を占め、ときにはシリアスなトーンでも続く点にある。これに最初はほんとうに面食らった。そこらへんの人よりは非常識だという自信があるわたしでも、黒須太一の振る舞いにはドン引きしていた。(女性に限らず)ある程度の良識のある現代人であれば、本作をプレイし始めてすぐプレイをやめようかと思うはずだ。
もちろん現代人は『CROSS † CHANNEL』が名作だと知っているためすぐにプレイをやめることはないのだが、とにかく主人公の言動の下品さに辟易しつつゲームを進めることになる。
前置きが長くなったが、ここで我々はひとつの矛盾に突き当たる。
──結局『CROSS † CHANNEL』は上品な雰囲気ゲーなの?それとも下品なセクハラゲーなの?
と。
わたしはこの問いにうまく答えられない。「上品か/下品か」なんて下品な二者択一に回答することはできない。
わたしにできる精一杯に誠実な答えは、「どちらでもある」というか、「上品であり、かつ、下品である」というつまらないものである。どちらの側面もこのゲームを語るうえでは外せないと思うが、より重要なのは、これらは排反関係として矛盾するのではなく、むしろ互いに奉仕し合う相補的な関係にあるのではないか、という観点だ。
ヒロインに性犯罪をくり返す黒須太一は、やがて「適応係数84」の群青──雑に言えば他者への加害衝動を引き起こす精神疾患を抱えた人間であることが明らかになる。(それどころか、太一だけでなく、同学に通うすべての登場人物が多かれ少なかれ精神的な異常を抱えている)
精神病患者の起こした犯罪には特別な留保が付く、という現代日本の法規にしたがって、プレイヤーは「安心」し、黒須太一の異常な振る舞いを「許す」。もちろん人によって程度は異なるだろうが、「性犯罪者の主人公」に対するいくらかのエクスキューズとしては機能する。
ただしここで重要なのは「太一の言動を許せるか許せないか」ではない。それは作中のキャラクター(太一自身も含む)が直面すべき問題であって、プレイヤーの領分ではない。われわれにとって大事なのは「太一の群青(精神疾患)という設定によって、本作の上品さと下品さの関係にどんな変更が迫られるのか」という問いだ。
いや、べつに太一の群青に話は限らない。この物語では一貫して人間の不安定さ・脆さが描かれる。群青学院に通う生徒はみな何かしらの "欠陥" があるのだという。特に、人と人が接する場(コミュニケーション)における暴力性や、加害者性-被害者性の両義的な関係について、さまざまな登場人物のエピソードを通して取り扱う。
これら作中の描写が累積していくごとに、本作の上品さと下品さの関係は否応なく変更が迫られる。更新されていく。下品だったものが上品になり、上品だと思っていたものの下品さが露呈し、群青色は塗り重ねられ、ついには上品とか下品といった枠組みを放棄せざるを得なくなる。
こうした「塗り重ね」がもっともわかりやすく、同時にもっとも優れているエピソードは、太一とすぐに仲良くなった転校生:新川豊の一連の挿話である。ふたりの秘められた過去が明らかになる前後で「あいつも幸せな瞬間が少しはあっただろ」という台詞の意味が鮮やかに反転する様は、愛情や憎悪や諦観や虚無や執着といった、およそ人間が人間にたいして抱きうる感情の割り切れなさとやるせなさを痛切に訴える。ここにおいて太一の加害者性と被害者性が混交し、霧の態度が(非現実的なほどに)急変することになる。
セクハラを含め、犯罪とは複数の人間のあいだに「加害者/被害者」という構造=意味を与える装置である。意味を与えることの暴力性。この暴力的な装置を、どう乗り越えるのか。あきらかに下品でありながら、また同時に上品でもあるという境地に至る道、それはやはり、このゲームの雰囲気=色にこそある。
本作において「塗り重ねる」ことは、けっして意味を上書きし、元の色を塗りつぶして見えなくする行為ではない。塗りつぶされてしまうほど "色" は濃くない。この作品は「淡い」のであった。塗り重ねられた色は元の色と混ざり合い、あいまいで両義的な、どちらでもあってどちらでもないような色になる。どちらの色も透かし見ることのできるような、そんな新しい色に。
『CROSS † CHANNEL』は全編を通じて上品な雰囲気漂う作品であるし、同時にきわめて下品で暴力的な作品でもある。こうした両義性を成立させているのも、このゲームの淡い群青色なのである。
・・・
意味のわからない文章を書いてしまった。
要するに「このゲームは上品なところと下品なところがなんか独特なかたちで両立しててフシギだなぁ」と思ったのを、無い頭で精一杯格好つけて書くと以上のようになる。ライターズハイというやつだ。
ここからは(少なくとも自分には)意味のわかる文章を書くように努める。
・Ifのセカイ設定
『ゼロ想』は未読だし前島賢『セカイ系とは何か』はまだ30ページしか読んでいないので、本作が "それ" に当てはまるのか、セカイ系とループ物の関係は?……などに関してわたしはいっさいわからない。ただ、貧しいエロゲ体験と偏見から出力されたことを率直にいうと、CROSS†CHANNELはいかにもゼロ年代感のある、エロゲらしいエロゲだった。
わたしにとっての「エロゲらしさ」とは、初めて触れた『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』(すば日々)らしさ、と言い換えられる。思春期の若者の鬱屈とした自意識、全能感と無能感がないまぜになった不安定な精神状態と、それを主観的な世界認識へと素朴に拡張し、内実に乏しい「世界の終わり」を夢想する感覚……結局は「エヴァっぽさ」「碇シンジっぽさ」と表現するのがもっとも的確なのだろう。『セカイ系とは何か』にもセカイ系とはポスト・エヴァンゲリオン現象であると書いてあったし。ただ、わたしはエヴァの同時代的感覚を一切持ち合わせていないし、そもそもエヴァがそんなに好きじゃない(わたしにとって重要な作品ではない)ので、エヴァの代わりに『すば日々』の名前を頻繁に用いている、というだけだ。
すば日々は終末思想を扱ってはいるが、その実、物語のスケール自体は地理的にも人間関係的にもごく小さい範囲で収まっている。その「肩透かし感」がすば日々の真骨頂であり、わたしをとらえて離さない一因なのであるが、とにかくすば日々は狭義のセカイ系ではないだろう。主人公たちの行動は世界の命運を握っていないばかりか、そもそも世界規模の話を一切していないからだ。
それに比べると、CROSS†CHANNELは比較的セカイ系の要素が濃い。前述の通りわたしは「ループ物の傑作である」という事前知識のもとに本作をプレイしたが、もっとも驚いたのは、「1週間がループする」だけでなく「世界から人類(や他の生物)が消滅した」というポスト・アポカリプス的な要素まで入っている、という点だ。
率直に言って、わたしはループ系作品があまり好みではない。『まどマギ』も『紫色のクオリア』も何が面白いのかわからない。(シュタゲは普通に好き。)それに比べれば、終末モノはわりと好きだ。『少女終末旅行』と『アイアムアヒーロー』と『ヨコハマ買い出し紀行』、あと『資本主義リアリズム』くらいしか読んだことないけれど。
この趣向の理由は明確で、わたしはべつに人生をやり直したり繰り返したりしたくない(過去への後悔などがまったくない)が、人がたくさんいる状態(=社会・世界)が苦手だからだ。わたしの座右の銘は「世界に自分ひとりになったとしてもまだ自分にとって価値のあることをやれ」であり、読書やダンスはこの理念のもとにやっていきたいと思っている。(このnoteを書いて公開する行為は思い切り反しているような気もするが、これはわたしの未熟さゆえだ。)
こうした性分なので、「ある日いきなり世界から人間が消える」という設定は非常に好ましく、興味深く受容した。ほとんどの人類がいなくなってしまえば、たとえ空間的にはごく小さな範囲しか扱っていなくとも、その小さな人間関係こそが社会であり世界となる。中学生が考えそうなとてもありふれた設定ではあるが、だからこそ私には、ループ設定よりも人類消失設定のほうが刺さった。地理的・人間関係的なスケール自体はすば日々とたいして変わらないのに、このSF的セカイ設定によって一気に本作はセカイ系に接近したのである。
といっても、もちろんセカイ系に近くなったから本作が優れているとか、好みだったわけではない。むしろセカイ系も基本的に苦手だ。わたしがCROSS†CHANNELのセカイ設定を好ましく思うのは、それがノベルゲームというメディウムの形式性をうまく活かしているからである。
多くのエロゲはノベルゲーム形式を採用している。この点から「エロゲなんて紙芝居から全然進化してないじゃん」という手垢にまみれた揶揄フレーズが存在する。わたしは常々思っている。紙芝居で何が悪いのか。小説なんて何世紀にもわたって未だに文字の羅列から進化していない※。しかし、そのこと自体を嘆くひとはいない。(出版業界が斜陽だとか文学は死んだとか嘆くひとは多いが。)それと同じで、ノベルゲームなんだから紙芝居なのは当たり前で、紙芝居という形式に向き合って掘り下げることで面白さはいくらでも増すのではないのか。(もちろん「紙芝居」とはキャッチーな比喩にすぎず、実際は映像や音響、システムなどを含め紙芝居よりも要素は多い。)これはノベルゲームを作る側だけの話ではなく、むしろプレイする側の責任であり、またいちばんの楽しみでもあると考える。ノベルゲームの形式がつまらないというなら、それはプレイするあなたが、この形式の豊穣さと面白さをわかっていないからである。
※ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』のパワーポイント小説とか、ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』などのタイポグラフィ小説など、文字だけでない実験小説は近年もたくさん発表されている。しかしこれらはあくまで「実験」小説であって、これらの試みが小説の進化形である、だからもう文字だけの小説は時代遅れだ、とは誰も思っていない。むしろ、小説の枠組みを推し進めたと見なされているのは、20世紀前半でいえばジョイスやプルーストやウルフやベケット、カフカといったモダニズム作家であり、20世紀後半でいえばガルシア=マルケスなどのラテンアメリカ作家やトマス・ピンチョンなどのポストモダン作家である。これらの書く小説はいずれも文字の羅列から進化していないが、だからこそ小説という形式を進化させたと評価されている。つまり、メディウム固有の形式のなかで新たな地平を切り開いてこそなのだ。サッカーボールを手でぶん投げてゴールに入れたところで「発明」でも「進化」でもないのと同じだ。サッカー史に残る名プレイヤーとは、サッカーというルール(=形式)のなかで誰も実現できなかったレベルや種類のプレイを確立した人のことを指すだろう。しらんけど。たぶん、そういう革新性だけの世界ではなく、もうちょい堅実にチームに貢献して記録を積み上げたプレイヤーこそ評価されるべき、とサッカーファンは言いそう。まぁ比喩(小説)に比喩(サッカー)を重ねている時点で不毛だ。
閑話休題。
CROSS†CHANNELの世界設定はノベルゲームの形式をうまく活かしているから良い、という話であった。単純な話で、ノベルゲームは基本的に「使いまわし」の芸術形式である。立ち絵と背景CGが使いまわしの2大柱だろう。
立ち絵の数が限られているから、物語に関わるキャラクターの数が制限される。立ち絵の種類(差分)が限られているから、そのキャラクターの日常的な仕草・表情が制限される。背景CGの種類と枚数が限られているから、物語はいくつかの典型的な場所(学校、教室、自室、通学路、商店街など)に制限される。一度しか登場しないモブに立ち絵を用意してやることはほとんどない(※)し、一瞬しか訪れない場所の背景CGを描くほどコストが余っていることもまずない。
※『車輪の国、向日葵の少女』冒頭の南雲えりの演出は、こうしたノベルゲームの暗黙の前提を逆手に取ったものだと見なせる。
つまり、ノベルゲームの形式そのものが登場人物や地理設定を強く制限するのである。何百人ものキャラクターが次々と登場しては去る物語や、常に移動し続けるロードノベル的な物語はきわめて相性が悪い。ノベルゲームは「使い捨て」ができない。(『マルコと銀河竜』のようなエゲツないCG枚数の作品が主流になれば話は変わってくるが、まずそうはならないだろう。それに、最初はロードムービー的に放浪していたマルコたちでさえも、やはり序盤で一つの町に根を下ろす。)
もちろん、「登場人物や地理設定が強く制限される」のはノベルゲームに限らず、およそ「物語」を扱う芸術形式の普遍的な特徴であり条件だという意見は正しい。『戦争と平和』や『重力の虹』がいくら何百人もの人物を登場させたからといって、数十億人規模の世界人口には遠く及ばない。地理空間設計も(そして時間設計も)同様だ。畢竟「物語」とは、そうした膨大で複雑な「世界=現実」の総体から、人間が理解できるように要素を部分的に切り取ってつなぎ合わせたパッチワークであるといえるのだろう。たしかにその意味で、すべての物語芸術は、ごく限られた要素しか扱えない。
しかし、それでも、そうした「制限」を「使いまわし」の技術としてより先鋭化させた点にノベルゲームの特異性を見出すことができる。もちろん漫画やアニメでも使いまわしは重要なテクニックであろうが、ノベルゲームには及ばない。数十時間もずーっとキャラクターのイラストがほとんど変わらず、背景もほとんど変わらない漫画・アニメなどそうそうない。せいぜい4コマで絵を4回流用してフキダシを変える程度だろう。アニメ版『エンドレスエイト』だって、絵コンテも演出もレイアウト、アフレコに至るまで使い回さずに毎話律儀に変えていたではないか──いやむしろ、アニメという形式が使い回すことを許さなかったと言えるだろう。
ここでエンドレスエイトに言及したのは偶然ではない。『CROSS†CHANNEL』もまたループ物だった──そう、ノベルゲームの形式はループ物と非常に相性が良い。本作は「同じ1週間を繰り返す」設定であり、特に、黒須太一が目指す通りの人間関係の着地点を実現するために、少しずつ微調整を繰り返しながら徐々に「正解」へと漸近していく。したがって必然的に、同じような場所に行き、同じような人に会い、同じような会話をする。すべてが使いまわしである。ほとんど同じシーンが何度もある。既読スキップはできない。本作の冗長性は、ノベルゲームという形式自体が持つ「使いまわし」性=冗長性を突き詰めた結果である。
そして、本作が優れているのは、そうした使いまわし性──人は大概同じ行動をとる、という性質を「群青」という精神疾患および人間存在の実存的なモチーフへと見事に接続している点にある。
本作に出てくる印象的な単語に「自動的」という言い回しがある。「俺たちは、自動的なんだよ」──太一が抱える実存と自由意志への懐疑が、ループを繰り返すたびにプレイヤーの身にも迫ってくる。そしてループ設定だけでなく、世界から人がいなくなった──生きているひと、いますか?──という設定もまた、こうした実存的なテーマを別の側面から支えることになる。
こうして、ループと人類消失という単体でもインパクトのあるSF設定が邪魔し合わないどころか互いに奉仕し合うように併存させ、ノベルゲームの使いまわし性を、時空間と人間関係の物理的な制限によって批評的に表現し、それらすべての構造が「群青」や「自動的」といった孤独とコミュニケーションの交差点で懊悩するキャラクターたちを生き生きと描き出すことに成功している。セカイ系の系譜なので、本作の主題のひとつを端的にいってしまえば「ヤマアラシのジレンマ」という、エヴァを含めて古今東西の物語で使い古された(使い回された?)テーマである。このテーマ自体には何も新規性は無いし、たいして面白くもない。
『CROSS†CHANNEL』が傑作なのは、この陳腐な主題そのものではなく、この主題を中心として、ノベルゲーム形式を活かしきったループ/人類消失のSF設定やグラフィック・音響を含めたあらゆる要素が過不足なく美しく成り立っている、その構造的な完成度にこそある。わたしには「絶対に超えられない壁」というより、おそろしく精緻に組み上がった建造物のように思える。(製作者と消費者の違いなのだろう。)
ノベルゲームは総合芸術であり、「紙芝居」だと揶揄しているだけではあまりにもったいないほど豊穣なメディアである。本作を通じて、わたしは強くそう思わされた。エロゲらしさを突き詰めたことで高い完成度を実現し得た、という意味で、わたしにとって『CROSS†CHANNEL』はやはり「いかにもエロゲらしいエロゲ」である。
・・・
意味のわからない文章を書いてしまった。
要するに「このゲームの世界設定のエロゲっぽさすごいな〜セカイ系特有の魅力が表れているし、それがノベルゲームの形式性ともうまく噛み合っててすごいな〜」と思ったのを、無い頭で精一杯格好つけて書くと以上のようになる。ライターズハイというやつだ。
ここからは(少なくとも自分には)意味のわかる文章を書くように努める。
・キャラクターたち
いい加減疲れたので、ここからはよりテキトーに、各登場人物とそれにまつわるシナリオの感想を雑に語ることにする。
いちばん好きなキャラクターは支倉曜子(曜子ちゃん)だ。なぜならかわいいから。
黒髪ロングの外見……というよりも、ダウナー無表情系のキャラが好みなのだと思う。『女子高生の無駄づかい』のロボとかが近い。どちらも高スペックだし。
作中では太一に「(曜子ちゃんは)人類が消失したくらいで動揺するはずがない」と言われている。人類が消失したくらいで動揺するはずがないキャラクターが性癖です。1人でも生きていける、孤高の君。
ただし曜子ちゃんの実態は太一を「半身」として依存しきっているため、そこはややマイナスしたいところだが、ストーキングして太一が他の少女と仲良くしているのを眺めて傷つく曜子ちゃんはとてもかわいいのでセーフ。太一の言うことは基本的に何でも聞くので、その高スペックが太一の下らないセクハラ等にいいように使われてるのが面白かった。
元の世界へ最後に送り返すことになるが、完全にラスボスの風格だった。徹底的な監禁サイコー! そこからの「実はあの血の海のCGは……」というどんでん返しも、完璧に思われていた人間の脆さを暴く王道展開で良かった。しかし、弱々になるのはいいのだが、そこからやけに物分りが良くなって送還されてしまったことに納得がいっていない。簡単に太一と別れるのを受け入れてほしくなかった。もっとヨワヨワ涙ボロボロ鼻水グズグズの状態で太一に泣いて縋り付いて「お願いだからわたしを捨てないで」と懇願してほしかった。その懇願かなわず無情にも切り捨てられてほしかった。物分りがよくない曜子ちゃんがすき
その次に好きなのは山辺美希である。ただでさえ正統派カワイイ系外見でノリの良い後輩キャラなうえに、プロット上でも「裏主人公」とさえ言えるおいしいポジションを貰っているので、人気ナンバー1がこいつであることだけはわかる。
山辺美希の「そりゃあダントツ人気キャラでしょうよ感」は『レヴュースタァライト』の大場ななのそれと非常に似ていると思う。
ちなみに『レヴュスタ』でもわたしは大場ななさんが2番めに好きで、いちばん好きなのはまひるさん(上画像右)なので「支倉曜子=露崎まひる」「山辺美希=大場なな」という図式が成立するかもしれない。曜子ちゃんもまひるさんも黒(っぽい)髪のロングで、ある1人にものすごく執着しているが悲恋に終わるし……
・・・レヴュースタァライトはクロスチャンネルだった……?
山辺美希の話に戻ると、彼女絡みのプロットは特に良かった。ループに気付いて、祠でリセットを免れて成長していく美希とのシナリオ「INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS」は本作の白眉のひとつだろう。このシナリオの「世界にふたりだけの共犯関係」感は、すば日々の卓司×希実香√を連想した。希実香と美希、名前さえも似ている。
山辺美希は、このシナリオで見せる残虐な強さと、彼女本来の弱さの両方が「山辺美希」という1人のキャラクターに共存している点がしっかり描かれているのが魅力的だ。弱さから強さへと説得的に繋げるためにループ構造をうまく用いていて、本当に秀逸なキャラクターだと思う。
また、本作の行為シーンでもっとも良かったのも「INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS」での美希とのそれだ。性行為は単にエロス的な行為ではなく、身にまとっているものが剥がれてむき出しの状態になることから、人間の脆さ・弱さが表面化する行為でもある。この意味でシナリオ上の必要な描写としてHシーンを入れていてとても良かった。心にきた。
そして送還シナリオでは本来の弱い彼女と向き合うことになるが、ここでプレイヤーと太一は、何度もループを乗り越えて強くなった美希をも弱い美希に重ねながら、透かし見ながら接することになる。この構造上の滋味というべきものも非常に良かった。そりゃあダントツ人気キャラでしょうよ。
他キャラは簡潔に済ませる。
美希とともにFLOWER'Sを構成する佐倉霧は、彼女単体ではそれほど好みではないのだが、前述した新川豊のエピソードが本当に素晴らしかった。繰り返すように「ほんとにあいつは一瞬でも幸せな瞬間はなかったのか?」という太一の霧への言葉は、「生きている人、いますか?」と並ぶほどにもっとも印象的な台詞のひとつだ。
また、この「……どうして今すぐにでも死なないんだ?」という台詞も非常に印象深い。同じような言葉を毎秒自分に投げかけているというのもあるが、ここでの太一はべつに憎悪などの激しい感情からこう発したわけではなく、本当に純粋な疑問として投げかけた点がテストに出るポイントだ。というか、「純粋な疑問として投げかけた」のだという繊細で微妙なニュアンスを、こちらがすんなりと理解できるように描けていることがマジですごい。この新川豊のエピソードを読むだけでも、本作をプレイする価値はあると思う。ヒロインとの直接の絡みではない男サブキャラとの補足的な挿話でありながら、いちばん出来が良い部分だと思っている。
この真実を知った霧は太一への態度を一変させて「愛奴隷」へと自ら志願するのであるが、ここは正直、半分くらいはギャグ描写としてしか受け取れない。もちろん霧の「群青」、彼女の不安定さと生真面目な性格を如実に表すくだりではあるのだが。
みみ先輩こと宮澄見里さんは、初動のインパクトがいちばん強く、それ以降はどんどん微妙になっていった印象である。おっとり眼鏡巨乳先輩キャラというテンプレ属性のかたまりではあるのだが、屋上・未完成のアンテナという舞台設定の引き立てもあって、とにかく初対面ではめちゃくちゃ刺さった。いまとなってはなぜあんなに刺さったのかがわからないが、とにかく刺さった。
刺さった一因としては、典型的なキャラ属性と、やや古めかしいイラストの画風がすばらしく合っていたから、というのはあると思う。他のヒロインは別の原画家が描いてもそこそこ魅力的になるとは思うが、みみ先輩だけはこの絵柄でないと成り立たないキャラデザだという気がしている。
ただ、クリアした今となっては初対面時がピークで、その後、セクハラによるお色気要因として確立されていったり、"酒のみ" というわけわからん属性が追加されたりと、自分の嗜好からはどんどん外れていった。
彼女の送還シナリオは弟の島友貴と両親への「裏切り」が主軸となるわけだが、みみ先輩のした「告発」という行為は少なくとも法律的には完全に正しく、しかし弟からは道義に反するとまで糾弾されてしまうのもまぁ理解はできるという意味で、このゲーム特有の割り切れなさ・両義性・微妙な塩梅の問題としてうまく描かれていたと思う。ただ、そのぶん太一とみみ先輩の関係は薄く弱かった。
古典的なツンデレかつヤンデレという二重搭載の桐原冬子は、なんとも言い難いキャラクターであった。基本的には彼女もテンプレの塊なのであまり面白みはないのだが、しかしその気位の高さから多くのループでは高確率で食事を拒否してそのまま餓死する、というなかなかエグいことを平然とやってのけていて恐ろしい。この点がCROSS†CHANNELのすごいところでもある。物語のなかでキャラクターの死はたくさん描くのだが、それをセンセーショナルに描きはしない。誰かが屋上から飛び降りた、という描写も、いっさいCGを使わずにテキストだけで、あるいは過去回想か人聞きの噂として婉曲的に入れ込む。わざと核心をぼかしてサスペンス性を演出するためというよりも、死も生もたいして変わらない、白昼夢のような雰囲気──群青の雰囲気──を醸し出すことに貢献している。もちろん、太一の一人称視点であるがゆえでもある。
自室のベッドで冬子が死んでいた。眠っているような安らかな死だった。最初に遭遇したときは太一もプレイヤーも衝撃を受けるが、何度もループを繰り返すなかで、「そういうもの」として馴れてくる。冬子の死が日常になる。セクハラされて典型的な暴力コミュニケーションをこなしている冬子も、自室のベッドで安らかに眠っている冬子も同じ1人のキャラクターとして共存している。自分で死を選べる気高さと、いったん依存してしまうと止められなくなる脆さの両方が「桐原冬子」をつくっている。・・・こう書いていると、やっぱり彼女も本作に必要かつ非常に魅力的なキャラクターだったという気がしてくる。
最後にこれだけは言わせてほしい。・・・教室の窓際をバックに主人公の隣の席で頬杖をついている家柄とプライドが高い長髪のヒロイン──って完全に冬馬かずさやないかい!!!!!
残るは桜庭か。えーと……わりと好きだった。一人旅が好きなので、どこかに旅出たくなる気持ちはとてもわかるし、そもそも空間的に制限がかかっているノベルゲーム形式&SF設定のなかで、町を離れて旅に出ようとするのはそこらへんの「原理」を真っ向からぶち壊しに行っていて痛快だった。それが彼の変人さから説得的な行動であるのも良い。
また、男性キャラで唯一、他ヒロインと並んで送還イベントが作られている点もとても好き。女性陣とは異なり、太一に「あいつはまぁ前日に拘束して連行すればいいだろう」とクソ雑に処理され、じっさいに大した障害もなくアッサリと送還されてしまうというシナリオ自体がひとつのギャグ描写であり、それでいて最後にはちょい感動パートを差し挟んでくる塩梅もよくできている。
・不満点
ここまで基本的にいかにCROSS†CHANNELがすばらしいかを語ってきたが、とうぜん納得がいかない点もある。そのほとんどは、物語の終盤──太一が1人になってからの展開にある。……こう言い換えたほうが分かりやすい。「七香」というキャラクターは本作にいらなかった。
この自転車少女は半ばメタ的なキャラで、太一にループ構造を示唆する案内役キャラとして登場し続ける。この時点で実はあんまり必要がない。というのも、曜子ちゃんや美希は自力でループに気付いているため、彼女らをうまく動かせば案内役としても七香がいなくても十分に成立すると考えられるのだ。
・・・まぁ百歩譲って固有の案内役に徹するキャラとして七香を登場させるのはいい。問題はここからだ。
謎の存在だった七香は、最後の最後で太一との関係が明かされる。
・・・マジでいらない。このクライマックスのせいで、CROSS†CHANNELを全肯定できなくなっている。
それまでのシナリオでは、ループ構造のなかで太一が放送部員たちと触れ合って傷つけ合って、弱さも強さも、加害者性も被害者性も、清濁併せ呑んで「人間関係」の繊細で複雑な機微を多面的にかつ誠実に描いてきた。前述の通り「ヤマアラシのジレンマ」自体は陳腐な主題だが、その陳腐さを完全に昇華しきるほどの完成度のシナリオと構造だった。
それが、最後の最後で素朴な「親子愛」によって太一が「普通の人間」になる、という帰結は、あまりにも保守的だしあまりにもナイーブ(雑)だ。
あんなに部員たちと仲良くなることを望んで、近づきたいと望むほどに傷つけてしまう悩みの根源だった暴力衝動が、自身のルーツと愛を知ることで「消失」し、霧に怪物とまで言われた太一が「ヒト」に、「普通」になる。これぞ人間性ファシズム。
マジで最後の最後ですべてを台無しにしてしまった。太一のセクハラ行為は完全に性犯罪だし、認められないものだ。それでも「群青」という設定と、太一の周りの人間たちの葛藤をも丁寧に描くことで、人間関係に生じる見えないがしかし強力な権力性と暴力性をあきらかにしてきた。「怪物」で「完璧なバケモノ」だと痛烈に非難されたことで、太一の苦しみを徐々に理解することができた。
ここを受けて最後にハッピーエンドに、太一が自分は人間であると肯定できる展開に持っていくのであれば、それは自身のルーツや母親の愛を知ることによってではなく、数え切れないほどのループのなかで積み重ねてきた仲間たちとの交歓(の記憶)によってではないのか。「群青」がキレイにかき消えることによってではなく、自分自身の自動的なそれと一生をかけて向き合っていくことを受け入れることによってではないのか。
親から愛されずに育った者は決して「普通の人間」にはなれないのか。精神疾患を抱えた者は「ヒト」ではないのか。あれだけ感情移入できて、気持ち悪いと思いながらも応援できた黒須太一というキャラクターが、最後の最後でわたしのもとから離れていってしまった。あれだけ信頼してその世界観にどっぷりと浸ることができていた『CROSS†CHANNEL』が、わたしのもとから離れていってしまった。
わたしは、太一が世界に1人取り残されたまま終幕する展開を残念がっているのではない。むしろ、このほとんどBAD ENDとも思える鮮烈な結末じたいはとても好ましいと思う。だが、七香のくだりが本当にいらなかった。単なる無駄とか不純物ならまだしも、その混入によってそれまでの物語が決定的に台無しになってしまう類のものだったので救いようがない。
また、エンディングを挟んでのエピローグ「黒須ちゃん†寝る」もいらなかった。元の世界にもどった面々を三人称オムニバス形式で短く描く章であるが、まず三人称の語りが説明的すぎてあまりに萎えた。太一の一人称の世界が白昼夢のように特別であり、元の世界に還ったことによるギャップを文体から演出しているのだとしても、あまりに拙くて失望した。
そして、太一の「CROSS†CHANNEL」の放送で語る言葉がなにか自己啓発セミナーか新興宗教の訓話のように説教臭く、それを皆が大事そうに聞いている状況もかなりキツいものがあった。そりゃあ、別世界で1人生きる人間なんて、ほとんど神様や教祖のようなものだけれども、放送部たちは「人間」であり「友人」としての太一を想って聞いていてほしかった。(桜庭だけはそうした変わらぬフランクな態度で、やっぱ桜庭しか信用できん・・・となった。)あとネットで都市伝説的に話題になっているという噂にはフツーにウケた。わりと簡単に通信可能なんだな……
そのあと、本当の結末部には、章題の通り太一が屋上で寝ている様を、幽霊らしき放送部たちが囲んで会話を交わすくだりが添えられている。これは元の世界で太一が殺した部員の霊だというのをネットの記事で読んだが、正直、ここもいらないと思う。「トモダチの塔」で描かれるB世界の太一がどうのこうの……というのはわたしにとってはどうでもよく、むしろそこの設定が保管されても萎えるだけだった。多くのCROSS†CHANNELファンはこの没シナリオを絶賛しているらしいが、わたしにとって『CROSS†CHANNEL』はそういうゲームではない。橋向こうの死体とか発電所の謎とかどうでもいい。そうした世界設定の細かな隙間や時系列や解釈をうんぬんする……というのがいわゆる「考察」であるならば、わたしにとってCROSS†CHANNELは「考察ゲー」ではない。前述の通り、「雰囲気ゲー」である。そして、これだけ書き連ねればわかってもらえると思うが、わたしが本作を「雰囲気ゲー」として楽しんでいるからとって、それは何も考えずに表層だけを薄っぺらく遊んだわけではない。もちろん「1周」しかプレイしていないし、まだまだ掘り下げられるところは多いだろう。その意味ではたしかに、わたしはこのゲームの「表層」しか味わえていないのかもしれないが、現時点でのわたしとCROSS†CHANNELの付き合いとしては、これで十分であると自信をもって言える。
※ 上記の通りなので、「トモダチの塔」を含めたエクストラストーリーに関する感想は特に無い。無いほうが良かったとだけ言っておく。
・1週間の奇跡──結びに代えて
わたしは本作を2021年9月6日(月)にプレイし始めて、同年9月12日(日)にクリアした。この1週間は、作中で太一たちがループする1週間とほぼまったく同じ日付である。
なにがすごいって、作中の日付とリンクしたのは全くの偶然であることだ。CROSS†CHANNELをプレイするのは初めてだったし、なるべく事前に情報を仕入れずに蓋を開けてみたら、偶然にもいちばん良いタイミングで遊ぶことができた。
総プレイ時間はエクストラストーリーを含めて35時間ほど(本編は26時間)と、けっして短いゲームではないが、これまた偶然にも1週間で一気に駆け抜けるようにクリアしてしまった。普段はフルプライスのエロゲ1本に1ヶ月〜半年かかるので、本当に神がかっていたと思う。
わたしはゲームの内容もさることながら、それをプレイしていた、という「体験」をもっとも重視するスタンスである。(ゲームに限らず読書やアニメ鑑賞も同じ)だから、作中と完全にリンクしてプレイできた、というだけで、『CROSS†CHANNEL』というゲームはわたしにとってかけがえのないものだ。本作に出会えて本当に良かったと心から思う。
本日、9月12日(日曜)は、作中でのループが終わり、新しいループにリセットされる日である。太一は群青学院の屋上から、ひとりラジオ放送をする。
そして、山に登り、リセットの理から外れる不思議な祠に訪れる。
そろそろ空が赤くなってきた。
この周の、わたしのCROSS†CHANNELの感想はここまでのようだ。
ではまた来週
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他のギャルゲ/ノベルゲーのプレイ感想・メモはこちら
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山奥の祠に来た。祭壇の小さな扉を開けると、一枚の紙片がそこにはあった。
いつものことながら、理由の説明はない。
よくわからないが、曜子ちゃんが言うことなのだから、この言葉にしたがって、これから1週間の記録をつけようと思う。
9月6日(月曜日)
マウス右クリックでテキスト非表示にならないのめっちゃキモチワルイ!!!(非表示はスペースキーのみ)
シーンジャンプ機能がある。すごい
テキストログ画面の上1/3をシーンタイトルとログ画面が占めている。変わった構図だ。
ログ見るとボイスが中断されてしまうのはキツい。あとボイス継続機能もない。
ボイスとテキストの同期機能おもしろい。けど冗長なのでオフ
そして何より文体が独特〜〜〜
やけに難渋な単語と言い回しを使い、口調は「〜〜で。」とWA2を思い出す語尾。典型的なラノベ/エロゲ文体をもっと先鋭化させた感じ
それでいて、難しい漢字のルビを "(〇〇)" という形式で後ろに付けているので、かなり読みにくい。
絵もなんだか淡いというか薄くて特徴的。立ち絵も背景も。
いきなりセクハラ!!!(「ノリ悪いよ。もしかしてアレ?生理っぽいやつ?」)
こういう道化・お調子者系のエロゲ主人公は初めてかも。新鮮
青空に鉄塔を下から見上げるタイトルバックの構図は『リリイ・シュシュのすべて』を思い出してしまう・・・
夏休み明け、9月初頭!!!タイミング完璧やん!!!!!!
日本なんだ。
エヴァみたいな湾曲道路
マウンテンバイクの女の子初対面だったんかい!
上見坂市
山の斜面の町か〜〜いいな
ハーマイオニーみたいな少女
『田崎食料』
窓をバックに立て肘をついて隣の席に座っている「冬子」って名前の少女はどうあがいても冬馬かずさを連想してしまう。
お嬢様つながりでもある
放送部か。
そういや立ち絵がリップシンクする!!!(ボイスに合わせて口が動く)
この古めの絵柄の顔いいな〜〜
あと身体のデッサンがうまい
なんか今のところ、透明感のある優しい雰囲気がとにかく心地よいなぁ
淡い画風と、穏やかで上品なBGMと。主人公のセクハラがすごいのに、それを相殺して余りある雰囲気の良さ
山の上の学校、風が吹きすさぶ、未完成の鉄塔と給水塔のある屋上、といった舞台設計も最高
見里先輩、いい・・・
みみみ先輩もとい みみ先輩!いや〜〜これ反則だろう。かわいすぎる
マ、マスカラしゃかしゃか・・・だめだ、こんなに素直に「好き」と感じられるキャラクターはなかなかいない
みみ先輩に「幸せになってほしい」「嫌われたくない」わかる……
完全に主人公と同期している。こんなやつに感情移入したくねぇのに……チクショウ
いや主人公フツーにやべぇやつで草
新任教師にセクハラを繰り返して泣かせて不登校にさせたとか取り返しがつかないんですけど
いやいや……停学しただけでなぜ仲良くなる
なんというか、この主人公のエゲツない性犯罪者的思考も含めて、「「「エロゲ」」」って感じがする。
エロゲの良いところも悪いところもすべてが詰まっている
ああ、「ぺけくん」って黒須=クロス=✗=ペケってことか
関東ではないのか
どう考えても霧が太一に対する態度としては正解だろう
メガネ多くない?あと胸が全体的に慎ましい。どちらも好ましい
夕飯は隣の家で食べさせてもらってるのか?なぜそこの描写が飛んでいる?
太一の造語とか誤字の注釈も太一自身がやっているんじゃないのか?一人称のはずなのに。
本人が気付いていない誤字を訂正している?いや、本人が第三者の体でやっている?
検閲は本人によるものだと。
サマポケの花火のCGとかもそうだけど、キャラが映っていたCGから人が消えて背景=風景だけになるCGの魅力・効果ってノベルゲーム特有のものだよなぁ
群青=何かしらの障害持ち?
まーた別人格電波系かよ
曜子さん=おそらく太一にとっての重要人物
血の発作よりナチュラルセクハラのほうが遥かに危険だろ……
えっみみ先輩ヤバイやつなの?
新川との会話すごく自然で良いなぁ
悔しいけど、かなり文章うまいわ。
主人公の変人でキモいところと、いい具合に差別化というか書き分けができている。
素の文章力がある上で演出としてふざけているように思える
悔しいけどッ……(文章力)感じちゃうッ(ビクンビクン
プレイヤーは快楽堕ちヒロインだった・・・?
3時間でテキスト消化率5%か〜
このペースで単純計算すると60時間かかるじゃん。ヤバ
まぁだんだん本作のUIにも文体にもチューニングが合ってきたのでもうちょいサクサク進められると思うが。
9月7日(火曜日)
支倉先輩ってのが近所の少女か
純愛和姦みたいな雰囲気でレイプするのがいちばんこわい
主人公はブサイクと自称していたが童貞ではない?ループが絡んでくるのか?
陰影などの肌の塗りが絵画的でエロいというより綺麗
適応係数……犯罪係数みたいなもんか
支倉曜子ちゃんは太一が好きなの?
タイトル回収
やっぱ「ほしのこえ」とかそうだけど、セカイ系と放送・通信機器は相性がいい。
鉄塔ってなんであんなにエモいんだろう。なぁ岩井俊二さん。
開始から4時間半ほどで序章「CROSS CHANNEL」おわり。オープニング曲いいな。MVに実写映像もあった。
次章に行く前に、みみ先輩との選択肢のもう片方、襲わないほうを見ておく
→放送部のメンツで海水浴イベント
「弾ける」とか「ほつれる」というのは、彼ら群青生の障害が発現するということ?
みみ先輩は自傷疾患? 行為シーンがないかわりに本人の重要そうな情報が明かされた。
弟くんに手伝ってもらう辺りからさっきの既読パートに合流してオープニング曲へ。
とりあえずこっちのまま進めよう
・崩壊
人類は衰退しました・・・・・・
「ウィトゲンシュタインの愛人」再挑戦の機運が高まる
この周とさっきの周の前後関係がよくわからん。序章はかなり後──何度もループしたあとの世界線?
「人類が消失したくらいで動揺するはずがない」子がすきだな。ミカさんとかそふぃさんとか美凪さんとか……
佐倉霧との出会いパートが灰色だったのは、過去回想ということ?
太一は合宿中に冬子を襲ったりしたのか?
選択肢で冬子にしつこく話しかけると「純化」という章に入る。冬子√?
部活に行くと「崩壊」のまま。章というか、もっと細分化されている感じか。
とりあえず崩壊のままで
そういや、「人々がいなくなってしまった」という設定は、限られた人数分しか立ち絵を用意できないノベルゲームの制約を逆手に取っていると言えるのか。
「話に関わる重要キャラだけ立ち絵を用意する」のではなく、むしろ「話に関わらないキャラは存在しないことにしよう」という逆転の発想
やっぱり冬子の処女を奪っていた。
にしても胃袋を掴んだだけで冬子めちゃくちゃデレてきてこわい
幼馴染なのか
曜子との関係は?
マジで冬子√なのか?
7時間で16%!4時間で11%進んだ。
9月8日(水曜日)
「もういない、新川豊という男のことを」
灰色の回想っぽいシーンは過去ループでの記憶で、今回のループではすでにそのキャラが消失してしまっている、ということ?
あの少女が誕生日にプレゼントくれて交換日記わたしたのも、皆で海に行ったのも「去年」???
前のループというわけではなく??
そもそもまだループ設定がちゃんと明かされてないし、各周?の順序がわからん
あ、一年前らしい最初の頃の学校パートはまだ人類滅亡する前か。だから遊紗ちゃんとかその母親とかメガネ地味っ子とかいたのか。
人類滅亡前から冬子と付き合ってはいたっぽい
いきなりサスペンスに
死に戻りか〜
・CROSS POINT
まーた似非中世風ファンタジー前世パートか (AIR, サクラノ詩……)
まーた悲惨な子供時代パートか
(悲惨な過去持ちキャラがいっさい出ないエロゲは珍しい。いかにWA2がすごいかわかる。主人公もヒロインも、そんなに悲惨な過去ではない。雪菜は中学時代にいじめられていたけど、それをもとに何か物語が大きく動くことはないし、母親に捨てられたと言っていたかずさも、自分がすねていた面も多かったと思い直して良好な関係を築き直した。そして春希は母子家庭で母ともほとんど絶縁しているが、遂には最後までその関係は扱われずに終わる。家族・血縁関係や悲惨な過去を生産すること自体がキャラクターの魅力やストーリーの山に直結していない。エロゲに子供と過去と被害者の話は多いけど、WA2のような大人と現在と加害者の話が自分は見たい。春希の過去回想が全く無いのがすごい。)
幼馴染と過去。過去回想をいっさい見せない幼馴染関係のほうが好きかもしれない。凪あすの真中-光や、花いろの緒花-幸ちゃんなど。あの花のめんま-じんたんや、荒乙の2人は回想あった。物語開始時点ですでに2人の関係は長い歴史の上に成り立っていて、しかしその歴史を視聴者には開示せず、ただ現在だけが2人の間にはある、という関係。
また合宿おわりの人類滅亡の日に戻った。んだけど、まだどういう構造なのかよくわからん
曜子ちゃんかわいい。年上ミステリアス系デレデレ黒髪ロング少女
どの子もかなり類型的なキャラではあるんだけど、王道が故の良さをしっかり押し出してきている
曜子ちゃんのサンドイッチ
>ひとりで食べる
>祠に行ってみる
一週間のループなのか
ループに気づいているのは七香と曜子
>部室
X組は群青の終着駅。もっとも幸福なクラス。地味っ子のみゆきが容態悪化して移った。
美希
>デッドorアライブ
美希へのセクハラが防がれるのは彼女もループ者だから?
美希に
>サンドイッチあげる
放送部コミュニティFMラジオの件が立ち消えになったのは人類消滅とは別。1年前にやむをえない事件があった。
放送部が自然消滅したのもそれが原因?それ以降はみみ先輩ひとりで昼放送などすべての仕事をこなしていた。
「ある頃から、世界は狂人を生み出しはじめた。」
サナトリウムものの亜種とはいえる
新川豊と出会ったのも1年前。何かがあって豊はいなくなった?症状が悪化した?
あぁ、夜に自室で蝋燭つけてるのは電気が通ってないからか。
>二年教室に行ってみる
周回リセットごとにループの記憶が消える点はシュタゲとは違う
ループ2日目にみみ先輩は屋上で昼寝をして、3日目に怪我をして保健室で休む?
セクハラを「そういう病気だから」と「相手の病気を緩和するため」の2点張りで突破しようとしてきてる
灰色の回想シーンは人類消失前の思い出ってことでおk?
霧のクロスボウもクロス繋がりか
「繋がり」が1つの大きなテーマっぽい
他者と自意識、孤独と繋がり。人の交流を象徴する「クロス」
まぁよくあるヤマアラシのジレンマものではある
ポスト・エヴァ……正しくセカイ系か
思春期特有の「世界からの疎外感」が、なんらかの精神疾患や「病」としてフィクション中に現れる。
→闘病系ヒロインもその関連かもしれないが、ヒロインだけでなく主人公も含めた全員が「病人」である。
豊あらま。
霧は無くしたゆたにぃの半身を埋めるかのように美希に依存しているのか
うわ〜これは……本気でセクハラの加害性をわかったうえで、敢えて一切それを知らないかのように描いている可能性がある
泣いている子を格好良く慰めたあとの強引なキスとか、絶妙にイヤ〜なタイミングで差し込んでくる
適応係数って何に「適応」しているのだろう
いやぁ・・・これは「セクハラの加害性をわかったうえで」とかいうレベルではない。
「人間じゃない。怪物です」とまで言ってのける。しびれた。ギアが上がってきた
ちょっとすば日々の間宮卓司を思い出す。ダークヒーローというか、徹底的な悪者・悪役を主人公に据えて描く。
でもすば日々よりも7年くらい前の作品なんだよな……
WA2がエロゲ的でないエロゲの最高傑作だとしたら、本作はエロゲ的なエロゲの最高峰なのかもしれない。まだわからないけれど。
9月9日(木曜日)
死を
>受け入れる
で霧にクロスボウで射殺され、再び「CROSS POINT」の冒頭へ戻った。
>受け入れない
新川豊……マジか……
でも、加害者側も精神的に被害を負う、という両義性はいい
「あいつも幸せな瞬間が少しはあっただろ」の意味が反転するのめっちゃこわい
死に戻りじゃないパターンも普通にあるのね。
放送をしたら時間が来る?
またCROSS POINTだ
しかし新しいテキストになってる。
月曜の朝。7周目?
人類消失と一週間ループは別現象で、七香は後者しか知らない?
「人類はゆっくり絶滅していった」って何??
>学校に行く
・崩壊 に移った。
既読スキップで選択肢へ。冬子と話さずに
>屋上 (未選択だった)
・崩壊
に戻った
既読のはずなのにスキップできない。
自室でみみ先輩を襲う
アンテナが壊され霧にクロスボウで撃たれるが、最後に曜子ちゃんが皆を殺して血の海にするところだけ新規
・CROSS POINT
初日、七香に会った後の新しい選択肢
>田崎食料に行く
・INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS
にぬるッと入った。今回は美希√か?
>部室に行ってみる
なるほど〜。言われてみれば、確かに祠でループリセットを経験する、というのはまず試すべきだよな
髪伸びたとか胸大きくなったとかも、そういうことか。
これで美希が一気にプレイヤー格のメタキャラに近づいたことになる。
前に太一が語ったループ非同一性問題を、ちゃんとこうして作中キャラで扱ってくるの良い
「自分が大事」って群青色というか当たり前では。
独我論者・実存主義者にやってほしいゲーム
何回も試行をやり直してイレギュラーの偶然が発生するの、『少女庭国』っぽい
みんなで祠でなかよく週越し……はできないんだろうなぁ、人間関係的に。
あと、美希はなぜ祠内の太一(と曜子ちゃん?)の日記を捨てずにそのままにしているんだろう。ループ知られないほうが有利なのでは。
なんかすば日々の卓司×希美香√と雰囲気が似てる。
世界に2人だけの共犯関係
初めてまともに雰囲気の良いHシーンだったかもしれない
美希の華奢な身体が……興奮はしないが、グッとくる。
あと、普段の下品なノリからは考えられないくらいに文章も上品というか婉曲的でおしゃれになる
美希いいキャラだなぁ。
あー3人で山に登って沈む夕日を見たときに泣いたのもそういうことか。今気づいた。
ひとり旅に出た桜庭はホントにギャグキャラってことで良いのだろうか。かなりヤバいことしてる気がするけど。
ノベルゲームの地理的な閉塞性をいともたやすく打ち破っている。
こういう男の友人系キャラはヒロインに比べてコミカルに描かれることが多いけど、それを逆手に取ったミスリードの可能性もある。
やっぱり美希が皆を殺さなきゃいけないのがようわからん。と言っても、曜子を警戒して、霧を殺しただけか。
8人全員とは言わずとも、太一と2人だけでリセットを逃れ続けようとは思わんかったのかぁ。まぁ太一も警戒してたしな……
だからこの週がすごく貴重だったってことだ。
オープニング入ったけど、エンディングではないんだ。
10個あるエンディングまだ1つも解放されてない。
「ループ」と「人類消失」という独立してるっぽい謎現象が、「別世界への移動」によって結びつく?
・たった一つのもの
初日からループ知識を得た、かなり順調な週
なしかに七香は祠でリセットを免れていたわけじゃないのか。ゴーストのように気配・密度が希薄ってのも、メタキャラっぽいなぁ
これで美希・冬子・曜子(幼少期)・霧・みみ先輩それぞれのHシーンを1度ずつは見たことになる。
現在の曜子とのはまだ。あとは七香もか?
詳しく語られていない過去の出来事として、合宿と、みみ先輩姉弟の喧嘩がある。
9月10日(金曜日)
徘徊先。5つの選択肢。上から
>部室
3択
>教室
>冬子の家
別のループでの皆との会話記録を日記として確認できることと、バックログでいつでもそのシーンに戻れることは調和していると言えるか?
ループものとノベルゲームの相性の良さをつくづく思い知らされる。
思春期モノ(≒セカイ系)とループものの相性の良さも然り。ある意味で生み出されるのが必然的な作品
というかそもそも、日曜までに放送部全員の仲を取り持って大団円になったところで、それでこの現象から抜け出せたり進展するなんて保証はどこにもなくない?
それでも、太一らにとってやるべきことはそれしかないから……ってことか
逆に言えば、このループ世界になんとしてでも避けたい絶対的なカタストロフは存在しない。シュタゲのような。(まぁ人は割と死んでるけど)
鳳凰院凶真のように、何かに失敗したから積極的に自らの意志でやり直しているのではなく、意志とは関係なくループさせられている状態なのが大きく異なる。
あ〜シュタゲやりたくなってきた。
むしろ、「リセットされてループしてしまう」こと自体が、「なんとしてでも避けたい絶対的なカタストロフ」であるとさえ言えるかもしれない。
ループものと一口に言っても、色々あるんだなぁ。ループ特集の会誌ちゃんと読みたい
曜子にどす黒い感情を
>ぶつける
あぁそうか、全体的にこの世界・ゲームの色調が青っぽいのは、太一のトラウマである血の赤からもっとも対極の色だからという意味もあるのか。
そこに「群青」がかかってくる。色彩と世界設定がうまく練られているなぁ
桜庭との回想を挟んで、すでに読んだことのある曜子ちゃんに唐辛子だかを食べさせる週に入っている。
ただしシーンは「たった一つのもの」のまま。
5択に帰ってきた。
>一年教室
霧の痴態観察。美希が握った弱みはこれか
校門で3択
>屋上
2年教室で再び3択
>屋上
そうか、みみ先輩が怪我をするのを阻止すると「攻略」は遅れる
悪意を曜子ちゃんにぶつけるのを
>我慢する
あぁ、週末と終末を掛けているのか。いまさら〜
夕暮れ=終末
太一がひとりになりたいと望んだから1人だけでいられる(誰もいない)世界に移れて、でも皆といることも同時に望んだからその場にいた皆を連れてきちゃったということか。
9月7日(月曜日)→9月11日(金曜日)(惜しい)→9月13日(日曜日)
祠の接続感覚が消えているって何??
とりあえず話が進展してるっぽい
七香もいないといいながら無言のフキダシは表示される
4択
>一年教室
・大切なひと(霧√)
霧√?
>接近する →ダメ。また「たった一つのこと」の祠(少し前のくだり)まで戻される
>声をかける
これは1人ずつ絆していって祠で一緒にリセットを免れる算段か?
新川豊といい太一といい、被害者と加害者が容易に反転しうること、両者ともである人間が珍しくないことを強調する
霧送り返した!
とても良かった。人間関係の機微をすげぇ繊細に上手く描くなぁほんと。感動とか鬱とか、そういう紋切り型じゃなく、かなり曖昧で微妙なトーンを渡り歩いていくのがとてもうまい。
自室でキスだけして我慢するところでわけもわからず涙が出てきた。
もちろん太一は加害者でもありキスだって暴力なんだけど、そんなのは太一にもわかっていて、なんか色々清濁併せ呑んだ上でのあのキスに、よくわからないけど泣く。
『なんでお前は今すぐに死なないんだ?』が、はじめ太一の台詞とはわからない出し方も秀逸
話を聞いてなお「兄を友達として見てくれて嬉しかった」と霧が言うのも、ご都合主義に陥るギリギリのところで踏みとどまって、とても味わい深いシーンになっている。
話した後に霧が太一に従おうとするのを「依存」だとキッパリ言うのも(まぁ別れなんだから仕方ないんだけど)とても良い。
そしてラジオを持たせて、電波の受信によって太一との断絶を逆説的に認識させる演出もうまい。砂嵐(物理)
・たった一つのもの
に戻った。やはり1人ずつ送り返していくっぽい
2択になってる
>田崎食料に行く
・いつか、わたし(美希√)
美希√? これ霧いなくなってるんだよな。送る順番は固定なのか?
>霧の家に付き合う
→やっぱり失敗!
>デートに誘う
霧がいないのを美希に上手く誤魔化すためにいいなりになる曜子ちゃんワロタ
美希送り返した!
電波系(物理)
霧と違って、戻ってから泣かずに元気なまま「先に行ってますからねー!!」なのが良い
にしても、前日に処女を奪って中出ししてから元の世界に少女を送り返す(出荷する)ヤベーやつでもあるんだよな……すべては見方の違い
美希がリセット免れて戦士として成長する√のほうが、行為シーンも含めて感動はしたけど、その美希も重ねて見ながら太一は接していたのが良いし切ない。
海での写真を1人ずつ集めている?
日記で過去ループの記録は把握できるけど、それでもこの後1人で世界に残るつもりの太一が生で触れ合った彼女たちは、この1週間しかないんだよな……
世界にほとんど人がいない寂しさを埋めるための身体の触れ合いという意味で、Hシーンの意義が深くなる。
・たった一つのもの
3択になってる。冬子、みみ先輩、あとは桜庭か友貴か?
あーなるほど。田崎食料へ行って美希√入らずに学校にいくと、この3択が出るようになってる。
つまり霧→美希の前後関係は固定だけど、他の人は間に入ってもいいし任意ってことね。
>学食
・親友(桜庭√)
やっぱり桜庭だ!ってことは友貴はみみ先輩と一緒にかな。
桜庭送り返した!
いや〜〜クソワロタ。ヒロインと選択肢で並列させておいて「こいつは簡単だ。日曜の時点で身柄を押さえていればいいだろう」なのズルいでしょ。これは天才
しっかりプチ感動要素も入れてくるし……桜庭はある意味で最強キャラだよなぁ。面白いことを求めて旅に出たいよなぁ
・たった一つのもの
>屋上
・謝りに(みみ先輩√)
Hシーンダイジェスト!!!
みみ先輩&友貴送り返した!
海辺でのあれは普通にレイプやろ……と思う
みみ先輩の両親への「裏切り」の件は、なんというか、なかなかまた割り切れない微妙な問題を……
世界帰還特典としてラジオだけでなく携帯への父親からの着信まで付いてて豪華だった。
22時間半で64%既読
まだシーンタイトル開放率11/37だし選択肢既読数も63/127だし
エンディング10個はいつ見れるんだ
・たった一つのもの
残すは冬子だけど、先に「純化」を見ておくか?→どうやって純化に行くか忘れた
・Disintegration(冬子√)
冬子送り返した!
・・・なんか冬子だけBAD ENDみたいになってない?大丈夫?
過去回想もフツーにヤンデレで怖いんだけど……あの後、太一に捨てられて発狂する未来しかみえない
・弱虫(曜子ちゃん√)
いよいよ最後、曜子ちゃん√。ラスボス
曜子ちゃん送り返した!
被監禁→一転攻勢までは良かったけど、最後やけに物分りがよくなってしまって少し残念だった。
物分りがよくない曜子ちゃんがすき
スチルでミスリードしてくるとは……
あとは七香か。母さんってマジ?
3回目のオープニング曲
ここでやっとメッセージ既読70%
・CROSS X CHANNEL
お手本のような電波・発狂パート。じわじわと。
夜目の瞳にまさかそこそこ生理医学的な根拠あってワロタ。厨ニ的特殊能力じゃなかったんかい
あちゃ〜〜・・・
ここにきて、めちゃくちゃ陳腐な出生賛美親子愛をかましてきやがった……かなし〜〜
みみ先輩関連で親子関係は扱ったけど、基本的に、若者同士の人間関係で良いプロット盛りだくさんだから好きだったのに・・・
壮大な人間性ファシズムものだった可能性あるな
エンディング
・黒須ちゃん†寝る(エピローグ)
三人称で元の世界に戻った彼らを描く
文章がしょうもない
世界に1人だけで頑張ってるからって太一の言葉が神の言付けみたいに絶対的な正しさを伴ったものとして扱われてるのやだな
まぁ別世界からの通信とか神格化されても仕方ないんだけど、放送部員のやつらはなぁ。桜庭しか信じられん
なんか怪しい自己啓発セミナーか新興宗教みたいなこといってるし
口コミやネットで話題になってるんかい!!!
おしまい!!!
これでやっと10のエンディングのうち1つ終わり
まだ既読率73%だし。どゆこと??
回想シーンはすべて埋まってる。
<エクストラストーリー>
・冬子
BAD ENDかーいwww
エンディングってこれ1カウントか。じゃあ本編のエンディングはあの1つだけなのね。
・CROSS †' CHANNEL
意味がわからん。パロディ作品?
9月11日(土曜日)
・After Story
なげえ!選択肢もある!
おわり
89%
未開放のシーンタイトルは、回想モード(DIARY)で回想シーンを見て埋まるやつだった。
つまり、実質あとは残りの個別エクストラストーリーのみ。
・美希
あ〜初日に廊下の掃除してたのはそういうことか。
「CROSS †' CHANNEL」で殺された、B世界の美希の血ではなく榊原先生の血なんだ。
手帳へのサイン集めも、このループ内で始まったものか。もっと前から集めてるのかと。
霧にクロスボウあげたのも美希だったんだ。
太一と(曜子ちゃんと)同様にループを自覚して記憶を引き継いで奮闘する美希は裏主人公みたいなところがあるので、そりゃあ人気でるよなぁ。明らかにおいしいポジションだもの。それにキャラの性格や外見もカワイイし、絶対ダントツ人気キャラなのはわかる。レヴュスタでいう大場ななさんみたいなもん。
・曜子
ストーカーかわいい
「眼鏡女」とか「欠食女」とか、他のヒロインに嫉妬心と敵意むき出しなのが良い
そういや曜子ちゃんて結局太一からの寵愛は一切受けられなかったよな……七香以上に太一の好感度がアレ
そんな一方通行なところがかわいい
9月12日(日曜日)
・桜庭
カレーパン
9月7日じゃなくて9月5日が月曜日とか、合宿が2,3日じゃなくて1週間だとか、通常のループとやけに矛盾が多い。しらんけど
お〜ここにきて廃?線路のどエモい背景CGありがたい。線路に沿って歩くといえばサマポケ鴎√を思い出す
BAD ENDみたいな終わり方〜!
・霧
単なる天丼コメディ
・みみ先輩
ちょっと良い話しだった。
本編1周目のハッピーエンドっぽくなりそうで失敗するところを上手くみみ先輩の逃げの話に持っていっている。
・友貴
いちばんまともにサバイバルしてるやつ。冷静に考えて、平然と登校してる他の奴らが異常
友貴じゃなくて冬子の新CGなの可哀想・・・
「桜庭はカレーパンしか食べない」のアリバイ説得力
やった友貴のCGだ!良かったね!これはサクラノ詩で見た構図だ(圭と直哉)
エクストラストーリー全部見て97%弱
あと3%はおそらく本編の未選択の√
選択肢既読率が70%、アルバムはあと1つ埋まっていない。
「崩壊」の冬子とのシーンとみみ先輩とのシーンが未読だった。これで97.6%
アルバムの埋まってない最後の1枚(美希)を「CROSS POINT」霧√から回収
とりあえずこれで良しとする。未読選択肢はほんの少し残ってるけど回収めんどい
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