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高松美咲『スキップとローファー』(6~10巻)初読ひとこと感想集


『スキップとローファー』は5巻くらい出ている頃から読み始めて、一読してもう虜になり、とにかく描かれている世界が好きすぎて途中で止められないほどでした。

自分の「好き」さがある一定値を超えると「常に泣きながら読む」状態が発生することがあるのですが、『スキップとローファー』もそういう作品のひとつです。

とうぜんアニメも観て感想を以前書きましたが↑、そういえば漫画のほうの感想をちゃんと残していなかったな、と思い、各巻の初読時の簡単なひとこと感想を発掘してきました。1~5巻の初見感想は世界に溶け込んで消えました。残念。。








6巻

新時代の少女漫画は2年目へ。

「各方面へ配慮した結果つまらなくなる」?
いや、この作品は配慮すればするほど面白くなることを実証し続けている。

江頭さんの話と叔母さんの話がシンプルに泣けました。



7巻

2年生スタート!うおおお相変わらず面白すぎる!!

ゆづのエピソードの泣けること泣けること。こんなにも見事に(反)ルッキズムの教科書のような話をかけるんだな。

新たなクラスになりとっても個性的な新キャラたちとの今後も楽しみ〜!!



8巻

スキップとローファー、お前がナンバーワンだ…… 自分にとって、青春モノ、人間関係フィクションは、これだけでいいとすら言ってしまいたくなるほどに。

氏家君もおもろいキャラだなぁ。マコトのようなタイプかと最初思ったけど、まさかのみつみオルタだったとは。志摩くんとみつみの関係の進展・変化というメインプロットの中で彼の存在が大きく関わってくる作劇は予想外だしちょっと上手すぎる。もう1人の新キャラ女子の活躍も楽しみ。

ただ志摩くんにしろ彼女にしろ、キャラ造形の説得力を出すために家庭環境に頼りすぎているきらいはある。

とはいえ、みつみが如何に恵まれているかを俎上に載せるところが重要なように、「青春」の背景・土台にある家庭環境をこそ真に描きたいのかもしれない。

恵まれていると言っても、ゆづのそれとみつみのそれは全然異なる点がまた素晴らしい。




9巻

うお〜〜〜〜最高…… この作品は我々をどこまで連れていってくれるんだ……

氏家くん関連のズラしとか、志摩くんとの関係の新たな展開とか、ちょっともう自分の想像の埒外に行きすぎてて、でもぜんぶ描かれると最高に感動して面白くて、、

これだけ高校のすばらしい友達たちとのお話をやってくれていても、いちばん好きなのは結局、「みつふみ」と「ナオみつ」なところに、じぶんの保守具合が出ているなぁと思う。

ふみさんがみつみの高校のみんなに会ってくれただけで感無量。みんながみつみの故郷に来てくれただけで感無量。

迎井くんと志摩くんの風呂での「好き」観の違い談義、図示されたグラフが良すぎて……。

フィクション一般にキャラの赤面描写が苦手なじぶんでも、本巻の志摩くんのそれには思わず「キタァ!」とテンション上がっちゃった。



10巻

どんな生き方をしてきたら、どんな経験をしてきたらこんな物語を紡ぐことができるようになるのだろう、と素朴に考えてしまうくらいに、ただただ感嘆する。この作品を読めていること、この作品とともに時代を過ごせていることの僥倖を思う。

恋愛を超えてゆけ。また戻ってもいいほどに。もうここまでやり尽くしたら、あとはもう、「大切な人(パートナー)」がいなくてもいい生き方の肯定、ひとりで生きていくことをも寿ぐくらいしか、やり残してることはないんじゃないか。



まとめ

続刊を読むたびに、既刊を読み返すたびに、ますます自分にとって大切な作品になっていきます。連載中ですが、これまで読んだ漫画のベスト10には確実に入るほど。

最上級に好きで、自分でもどうしてこんなにこの作品に心惹かれるのか、感動させられるのかがよく分からず、ただじぶんの「魂のかたちに合っている」のだと表現するのがしっくりくるので、最近はこの形容をするようにしています。

ほんとうに、リアルタイムでこの作品の連載と時代を共にできていることの幸せを嚙みしめたくなる漫画です。まぎれもない、今の時代からしか生まれ得ない傑作でもあるのですから。

新刊が出るたびにまた1巻から読み返して、ずっと涙腺をうるうるさせながら読みます。





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