見出し画像

オタクコンテンツとしてのストリートダンス入門


このnoteは、ダンス未経験者・ダンサーではない人に、ストリートダンス、特に私の大好きな「ポップダンス」を “観る” 楽しさを伝えることを目的としています。

したがって、「ダンスに興味がまったくない」「踊りなんて出来ないしやりたくもない」という人こそ読んでほしい

というのも、巷にはダンス初心者向け、つまりこれからダンスを始めたい人に向けた基礎講座的なモノは溢れていますが、一方で、例えばアニメやYoutuberの動画と同じように、純粋に「"観る"コンテンツ」としてストリートダンスを布教するような試みは少ないからです。

踊らなくても、踊れなくても、ダンスを好きになっていい

これは私の持論です。

例えば、「作曲をしない音楽ガチ勢」や「執筆をしない本の虫」、「絵を描かないアニメオタク」はたくさんいますよね。むしろそれが大多数を占めているのではないでしょうか。

なのに、「踊らないダンスファン」というのは滅多に居ません。イベントに参加しても、会場のほとんどはダンサーばかりです。(例外的に「踊ってみた」界隈やその派生のA-POPシーンには結構いますが)

私はこの現状が非常にもったいないと思っています。ストリートダンスは、単純に「観るコンテンツ」としてめちゃくちゃ面白いんです。

私はほぼ毎日、1~2時間をyoutubeでストリートダンス動画を観るのに費やしています。

「それはお前がダンスやってるからやろ」と言われそうですが、違います。自分の中で「他人のダンスを観て楽しむ」ことと「自分が踊る」ことは全く別の趣味として存在しています。

つまり、自分が上手くなるためにダンス動画を日々漁っているわけではありません。第一、私の観ているトップレベルのダンサー達は次元が違いすぎてまったく自分のダンスの参考になりません。単純に、ファンとして楽しんでいます。

そもそも、ダンスを始める前は誰だって「純粋なダンスファン」でしょう。どんなに上手い人だって、最初は誰かに憧れてダンスを始めたはずです。

私はここに加えて、「自分には到底出来ないけど、純粋なファンとしてダンスを観るのが好き」という人を増やしたい。いわば「観る専」の「ダンスオタク」です。
そう、ストリートダンスは観ているだけでも超エキサイティングなので、実はオタクコンテンツとして非常に優れたポテンシャルを持っているのです。

「ストリートダンス?なんかパリピっぽいし治安悪そう…」と思っているあなた、安心して下さい。

自分が始めるのならともかく、「観る専」なら自宅に引きこもってyoutubeで動画を観るだけです。陽の空気に晒されたり、怖そうな人とお近づきになる必要は全くありません。

前置きが長くなりました。

このnoteは本記事で終わりではなく、シリーズものにしたいと思っています。毎回、私が大好きなダンサーを少しずつ取り上げて、オタク語りをする形式で。

初回となる今回は、「そもそもPopダンスとは?」「ダンス動画を観る上での基礎知識」「オタクコンテンツとしての魅力」について簡単に紹介します。

そもそもPopダンスとは?

Popダンス(ポップダンス)とは、別名Poppin'(ポッピン)、Poppin Danceとも呼ばれるストリートダンスの1ジャンルです。

ストリートダンスには、めちゃくちゃザックリ言って以下のようなジャンルがあります。
(ここら辺全然詳しくないので正確ではないと思います)

・ロック(Lock)
・ブレイク(Break)
・ポップ(Pop)
・ヒップホップ(Hip-hop)
・ハウス(House)
・ワック(Waack)
・ガールズ(Girls)
etc..

この中で、本noteシリーズではポップしか取り上げません。なぜなら私はポップをやっており、一番好きで、それ以外のジャンルは語れるほど詳しくないからです。

ポップのなかにも流派というかサブジャンルがあります。

・アニメーション(Animation)
・ブガルー(Boogaloo)

つまり、「アニメーション + ブガルー = ポップ」だと思っておけばそれほど問題はないと思います。

アニメーションは、あたかもアニメ的に編集されたような不思議な動きをするダンスです。ロボットダンスもここに含まれます。

こちら↑は沖縄出身のRickyさん。世界トップレベルのウェーブ、ストップを使いこなします。超コワモテの外見から見え隠れするハニカミ笑顔が素敵。

アニメーションダンスはひと目見て「!?」となる動きで構成されているので、ポップダンスに馴染みがない人でも凄さがわかり易いという利点があります。


一方ブガルースタイルは、一般人にはあまり馴染みのないジャンルだと思います。動きは特殊なものの、正直はじめはカッコよさが伝わりにくい気がします。
そのため、ブガルーのなかでもおそらく最も親しみやすくカッコいいこの人をまず見てもらうのがいいでしょう。

Kite(カイト)さんはその異次元の足技から"Crazy Leg"の異名を持つ、おそらく名実ともに世界一のポップダンサー(の1人)。めちゃイケに出演して岡村隆史さんにポップを教えたり、きゃりーぱみゅぱみゅのMVで踊っていたりもしています。

ダンスが上手いだけでなくイケメンで、さらにかなり陽気な変人という、まるでマンガから出てきたかのような典型的な天才タイプの人です。日本の中高生ポッパーは大体全員Kiteさんに憧れて足をバタバタさせる時期があります。


さて、以上がポップダンスのなかの2つの流派、アニメーションとブガルーです。

この2つに別れているといっても、大抵のポップダンサーは両方出来ます。各自のスタイルに合わせて、アニメーション寄りかブガルー寄りか、緩やかなバラエティがある感じ。
もちろん、この2つのどちらとも呼べないような独自のスタイルを持つダンサーもいます。(というか、トップダンサーは大体ジャンル “俺” みたいな唯一無二の存在です)


ダンス動画の観る上での基礎知識

さて、では実際にyoutubeでポップダンスの動画を観てみよう、となったときに最低限知っておいたほうがいいことを紹介します。本当はそんなものは皆無で、いろんな動画を観るうちに分かることなんですが、念のため。

それは、「主にストリートダンス(の動画)には2つの種類ある」ということです。それは…

・ダンスバトル
・ショーケース

です。おそらく、全くストリートダンスに馴染みがない人にとってのダンスというのはほぼ確実に後者のショーケースです。

例えばミュージックビデオのバックダンサーやニコニコ動画の「踊ってみた」は全てショーケースです。また、上に貼った2つの動画も「Judge Showcase」というショーケースの1種です。

一方、多くのストリートダンサーにとっての「ダンス」とはダンスバトルでのダンスを指します。私がyoutubeで毎日漁るのも、その8割がバトルの動画です。

ダンスバトルとは──観れば手っ取り早いのですが──基本的には1vs1で、DJがその場でかける音楽に合わせて即興で一人ずつ交互に踊り、ジャッジが勝敗を決めるものです。2vs2のペアバトルや、大人数でのクルーバトルもあります。

ストリートダンスの重要で面白いところのひとつが、この「即興で踊る」という点です。おそらくダンスに馴染みがない人は、「ダンス=振り付けを覚えて披露するもの」というイメージを持っているかと思います。

しかしそれはストリートダンス的には大きな間違いで、むしろその場のフィーリングでいかに踊るか、そのスキルをダンサーたちは日々磨いています。即興だからこそしばしば生まれる奇跡のようなダンスを観るのが、「観る専」の楽しみといってもいいでしょう。
(もちろんショーケースメインでやっているストリートダンサーも沢山いるし、振りを覚えるより即興で踊るほうがエラい、とかそういう問題ではありません)


というわけで、「即興で白熱するダンスバトルを観るのは楽しいよ」ということを皆さんには知ってほしい。

これは2016年に韓国で行われた"feel the funk vol.11"の準決勝、ダンス史に残る伝説の試合です。永遠のライバルと言われる韓国のHoan(ホアン)と日本のKiteさんのやり取りがとにかく熱い。このバトルはMCやジャッジ、周りの観客も含めた雰囲気が素晴らしいんです。ダンスバトルを観てこんなにも幸せになれるのか、と何度観ても思います。


オタクコンテンツとしての魅力

上のダンスバトルを観てもらえば分かると思いますが、ストリートダンスではトップダンサー同士の関係性がアツい。つまりカップリングが大好きなオタクが沼ること間違いなしです。

有名なライバル関係として、前述のHoan-Kiteの他にもGucchon-KiteやHoan-Hozin、Greenteck-Slim Boogieなどなどよりどりみどり。

またライバル関係だけでなく、仲間関係ももちろんあります。ストリートダンサー達はCrewと呼ばれる何らかのチームに属しており、また2人でコンビを結成したりします。

例えばKiteさんはMadokaさんと共にFormer Action(フォーマーアクション)というコンビで活躍しています。熱き決闘者たち↓(マドカさんはガチのアニオタ)

この2人のハンパない仲の良さがよく分かる動画がこちら↓

ひたすらイチャイチャ夫婦漫才をしてます。誰かフォーマーアクションの同jおいばかやめろゲフンゲフン。…失礼しました。ナマモノは危険です。公式が最大手


また、ダンスバトルの動画は大規模なものほど公式でYoutubeにアップロードされるため、コンテンツの供給が絶えないという点でも優れています。

また、youtube上でダンス動画を観るだけならお金がまったくかからない、という点も何気にすごく嬉しいことです。最近はyoutube以外にInstagramのそれぞれのアカウントで練習風景の動画などを上げていることも多いので、より沼りたい人は要チェックです。(私は推しダンサーと推し声優をチェックするためにインスタを使っています)


さて、ストリートダンスをほとんど知らない人向けにPopダンスのオタクコンテンツとしての魅力を紹介してきました。

…どうでしたか、少しは興味が湧いてきましたか?

次回からはいよいよ、私が愛してやまないたくさんの推しダンサーたちを紹介していこうと思っています。

今日取り上げたのは主に日本のダンサーたちですが、実は私の推しポッパーはほとんどが韓国のダンサーです。彼らの個性豊かさは観ていて飽きません。

それではお楽しみに。Twitterなどでの感想ツイート待ってます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?