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論文紹介「肺がんのリスク要因」

本日は肺がんのリスクに関する論文を紹介します!
文献:「Risk factors for lung cancer worldwide」
著者:Jyoti Malhotra Matteo Malvezzi Eva Negri
参照先:European Respiratory Journal 2016 48(3): 889-902; DOI:

https://doi.org/10.1183/13993003.00359-2016

  1. 喫煙が最大のリスク要因

    • 肺がんの発生と死亡率は、主にタバコの消費によって決定されます。

    • 喫煙者は非喫煙者に比べて20~50倍のリスクを持ちます。

    • 受動喫煙も肺がんリスクを20~30%増加させます。

受動喫煙とは、喫煙者の周囲の方が副流煙を吸い込んでしまうことをいい、立派な肺がんのリスクであることが、本論文よりわかります。
  1. 遺伝的要因

    • 遺伝的要因もあり、肺がんには特定の遺伝子変異(15q25, 5p15, 6p21 など)が関連しています。

  2. 職業的および環境要因

    • アスベスト、シリカ、重金属、ポリサイクリック芳香族炭化水素(PAHs)などの職業曝露が肺がんリスクを増加させます。*アスベストは、こちらをご覧ください!アスベストについて解説します!|からすま 

    • 大気汚染(特に PM2.5)も要因となります。

  3. その他の危険因子

    • 食事:果物や野菜の摂取はリスク低減に寄与する可能性があるが、赤肉の過剰摂取はリスクを高めます。

    • 慢性炎症:結核や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺の炎症性疾患がリスクを高める可能性があります。

    • 放射線:ラドンやX線への曝露がリスクを上昇させます。

  4. 予防と対策

    • 主要な予防策は禁煙であり、特に女性や若年層への禁煙対策が重要です。

    • 職業曝露や大気汚染の管理も重要な予防戦略の一部とされます。

この研究は、喫煙以外の要因の解明にも焦点を当て、非喫煙者の肺がんリスクをより深く理解することが今後の課題であると結論付けています。

本日もご覧頂き、ありがとうございました。今後も論文解説をできればと思います。
からすま

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