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1.堺市と南港のスーパー銭湯


空気の違いに唖然とした。大阪というよりは南国の風が吹いていた。


7月、友人と堺に遊びに行った。友人に付き添ってもらったまま仕事の撮影を2本こなしつつ、朝から宝塚→西宮→四天王寺前夕陽ヶ丘と移動し、天王寺から新今宮で乗り換え、昼下がりに堺に到着した。仕事と旅行を両立させると毎度こうなってしまう。

天王寺駅と新今宮駅は同じ環状線で隣り合わせの駅なのに、新今宮駅から南はなぜか違う空気を感じる。もちろん駅から出ても違う空気を感じる。単に新今宮からはわたしにはあまり馴染みのないエリアだからだろうか。

そして堺も違う空気だった。とんでもない熱風と大通りにズドンと生えるヤシの木がそう思わせたのだろうが、やはり私の知る大阪とは大きくかけ離れていた。暑いのが苦手な私は到着直後からすでにクラクラしていた。


堺では一通りの観光をしたあと、ゲストハウスの個室に一人2,000円でチェックインした。ドミトリー価格でクーラーと二段ベッド付きの個室が取れるとは…。


そして駅前に移動して夕食をとった後、南港の銭湯に向かう。バス停でバスを待っていたら後方にたむろしているベトナム人の若い男性集団にジロジロ見られて何か言われていたので、せっかく出費を抑えることができたけれどタクシーで行くことにした。

さすが南港というべきか敷地は大きかったし、ファミリーが多く明るい雰囲気だった。のほほんと湯船に浸かっていると、だんだんサウナトランスのように視界がぐにゃぐにゃしてきた。気持ち悪くなり目を瞑ると余計酷くなる。


暑さでやられたのかと思い、堺に戻るまでバスで寝ることにし、着いてからコンビニで買ったアイスを食べたらしんどいのが治った。

しかしそれでは終わらず、夜中に急に目の奥がガンガン痛み、ひどい吐き気で目覚め何度もゲーゲーしてしまった。そして二段ベッドの上で寝ていた友人を目覚めさせてしまっただけでなく、ロキソニンまでせびる厚顔さ。


翌日そのまま天橋立へ行く予定があったものの、私の体調は戻ることなく旅は終わった。行きにあれだけ圧倒されたヤシの木も温風も帰り道では干渉してこなかった。まじで申し訳ない思いでいっぱいで、それから友人には合わす顔がない。


帰宅してから存分に睡眠をとったらすっかり治り、翌日は問題なく出勤した。思い返せば撮影の日は早朝に起き、納品に追われて1ヶ月ほど睡眠4時間の毎日を送っていたのだった。ミサワのようだが脚色はしていない。

やはり「旅をしながら仕事をする」のは非現実的だと実感した日だった。特に熱風には弱い。


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こんばんは。昨日に引き続き新マガジンを立ち上げてしまいましたが、今回のマガジンは旅ネタ満載なのでおもろくなると思います。

大阪にいた頃の記憶を中心に、各地にまつわるエッセイを書いていきます。100ノートいったら有料マガジン化しようと考えているので、今のうちにぎょうさん読んどいてくださいw

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