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中学受験の話だけじゃない!漫画「二月の勝者 -絶対合格の教室-」
最初は「現在における中学受験とは・・・」を
読みながら体現できるのかも?と期待して読み始めた。
同じ年代の子を持つ親として、
「中学受験という選択肢はどないなものか?」
を考えるにあたり、
参考になるかもと思ったからだ。
「中学受験」はメリットもあるが、
デメリットも多いと聞く。
しかし、塾側のリアルな本音、
チャレンジした家庭のリアルな本音を聞く機会は
なかなかに少ない。
というか、皆、言わない。から、聞けない。
なかなかの「取扱い注意事項」であるようだ。
「二月の勝者」では、
その辺を物語に載せて、伝えてくれる。
なかなか皆がはっきり言ってくれないお金の事や、
中学受験の仕組みだったり、システムだったりが、
ハッキリ描かれており、とても参考になる。
塾側の考え、講師の想い、スタンス。
子どもの事をサポートしたい、という熱い想いを持つと同時に、
塾自体は営利事業であることのジレンマ。
塾に来るそれぞれの子ども達と、その家庭環境。
成績が上がる子、上がらない子、それぞれの事情。
「良かれと思って、子どもの為と思って」が徐々にエスカレートし、歪んでいく親たち。
虐待すれすれだったり、夫婦の隔たりが起きたり。
それに敏感に反応する、子ども達。
子どもはどんな状況でも、親を純真な心で信じようとする姿。
問題のある家庭だと分かっても、
やみくもに家庭に首をつっこめない講師たちの葛藤。
家庭の金銭事情により、
挑戦したくてもできない子どもたちがいて、
それを支えようとする大人達もいること。
スポーツができる子は手放しに賞賛されるのに、
勉強の成績がいい子は学校で浮いてしまう。
「小さい頃からそんな勉強させられてかわいそう」という大人もいる中、
そこで居場所を見つける子どももいること。
自分のやりたい事を口にする勇気、
ライバルとの誓い。
最初思っていた「中学受験を題材にした漫画」だけではない、
受験を通した子どもの成長やひたむきさ、友情物語・家族の物語であった。
受験を題材にここまでの人間ドラマ、子ども達の想い、家庭というものが何なのか、社会が抱える見過ごされそうな人たちの問題までを描けるなんて、ものすごい深い漫画だったんだな、と感動してしまった。
多分同じ「受験」が題材でも、
高校受験や大学受験が題材であったら、
ここまで子どもの純真さというか、
健気さは表現されないのではないか?と思う。
小学生ってすごい!子どもってすごい!!
子ども達が読むべき漫画かは分からないけど、
是非お子さんがいる親御さんは読んでも良いかもしない。
熱い気持ちになるとともに、色々な事を考えさせられるドラマだと思う。
「中学受験関係ないし〜」と言う方にも是非!