Jupiterのlimit orderの指値をtakeするbotがエッジだった
こんにちは、バジル(@kkngo_crypto)です。
あたりで触れていたbotを紹介します。
要約
Jupiterのlimit orderの指値をtakeするbotを作ったよ
2023/12/20:40万円、12/21:50万円、12/22:130万円と連日の高収益だったよ
12/22の夕方頃に指値のtakeが突然jupiter運営しかできなくなったよ
だから今からこのbotを真似しても全く儲からないよ
はじめに
10月頃から本格的にSolanaでbotを始めたのですが、atomic arbでは割とすぐに壁にぶつかってしまいました。つよつよの人たちのおこぼれ程度しか拾えません。
Jitoを勉強するとかノードを改造するとか技術面でatomic arbをがんばる道もあるとは思ったのですが、せっかくDEX botを始めたのだし、幅広く収益源を探してbotをたくさん作ってみる方が楽しそうだと思いました。
楽しくなければ続かないですし、長い目で見れば自分が取れる戦略の種類を増やしたほうが収益にもつながりそうですよね。
そんなわけで、いろいろと調査をしつつbotのアイディアを練ることにしました。
ただ、調査とは言っても私にあまり専門的なスキルがなかったため、有名プロジェクトのDiscordを読んだり開発者向けドキュメントを読んだりgithubを読んだりと公開情報に目を通す程度のものです。
自分でも実装できそうなbotのサンプルやアイデアを見つけたらスキルアップも兼ねて試してみるということを何度か繰り返していました。
多くは収益につながるようなものではなかったです。
例えば今更Solendの精算botを作ってみて、1週間で0.05USDC拾えただけとかでした(magitoさんが精算botで爆益だったのは2021年の話です)。
見つけたエッジ
いろいろと試している中で見つけたのが、Jupiterのlimit order機能で指値をtakeするbotです。
Jupiterのlimit order機能は、取引所みたいな見た目にはなっていますが、実態としてはSolana上の流動性を使ったswapを価格指定で予約するような機能です。
流動性を使うので、特に上場といった概念もなく任意のトークンペアで注文が可能です(多分jupiterでswapできるものなら何でも)。
と言ってもよくわからないかと思うので、指値がtakeされる仕組みをざっくりと説明します。
画面からできるのは指値注文だけ
takeする機能(成行注文)はない
takeはbotが実行する(Jupiter運営はkeeper botと呼んでいるので、以下keeper bot)
keeper botの具体的な動きは概ね下記の通り
1.定期的に全指値の一覧を取得
2.市場価格と比較してアビトラ収益を上げられる指値があったら(チャート的には指値が刺さっていたら)takeするtxを投げる
例えば、SOL/USDCで80ドルに買い指値が入っているときに79ドルまで市場価格が下落した場合、keeper botが実行するtxによって下記の結果になる
指値を入れたユーザは80ドルでSOLを購入
keeper botは1ドル分の鞘のアビトラに成功(79ドルで市場からSOLを買って80ドルの買い指値をtake)
keeper botはアビトラbotの一種と言える
指値のtakeという独自のルートがあるので、DEXでのswapだけでがんばっているアビトラbotよりも優位性がある
ミスプライスの指値をtakeするという収益源もある
という感じです。
そしてこのkeeper botは、当初は誰でも実行可能なものでした(Jupiter運営も稼働させてはいました)。
SDKも公開されていましたし、下記のリポジトリで2023/08からkeeper botのサンプルコードも公開されています。
私も12月の上旬にJupiterのgithubを読んでいてたまたまこのリポジトリを見つけました。
なんかおもしろそうな仕組みだなと思ったので、スキルアップ気分でサンプルをもとにbotを作成してみました(サンプルのままだと遅かったり戦略がイマイチだったりしたのでかなり改修はしました)。
まさか勝てるとは思っていなかったのですが、いざbotを稼働してみると1SOLくらいの元手で初日から1万円ほどの収益を上げることができました。
収益機会も頻繁に検知できていましたし、私の既存のatomic arbと比べると明らかにtxが通っていました。
バブっているSolanaで一番盛り上がっているJupiterの機能であるにもかかわらず、なぜかつよつよbotterの大群に支配されていないようでした。
数か月前、Solanaがまださびれていた時に公開されたものなので、誰もkeeper botという戦略に気づいていなかったのかもしれません。
そんなことあります? 正直、今でも謎です。
ともあれ、「これ、いけるんか?」と思った私は、複利で資金を回すようにbotを改修して速度も限界まであげてみました。
数日後、
2023/12/19:10万円
2023/12/20:40万円
2023/12/21:50万円
2023/12/22:130万円
と雪だるま式に収益が増え、bot稼働開始から1週間ほどで250万円くらいの収益になっていました。
突然の終わり
「4ヶ月前から公開されていたリポジトリだし、もう1ヶ月くらいはつよつよbotterに見つからないんじゃないか? 100万円/日が1ヶ月続いたら3000万円か、とりあえず新NISAに全部突っ込もう。更に1ヶ月続いたら6000万円か、仕事もやめちゃう???」
などと皮算用していたところ、終わりは突然に訪れました。
12/22の夕方頃に指値のtake用のエンドポイントが運営のみ実行可能に変更され、botがエラーを返すようになってしまいました。
ちーーーん。
感想
つよつよbotterが参入してくる覚悟はできていましたが、まさか運営がいきなりエンドポイントを閉じてくるとは思っていなかったのでショックでした。
チケットを切って確認してみましたが、意図的な変更で、またエンドポイントを公開したりホワイトリストを募集したりすることになったらアナウンスするとのことでした。
閉じられた理由までは知る由もありません(確認していません)が、自分が思い浮かぶのは下記のようなことです。
アビトラ収益の独占のため?
日次100万円(自分以外のkeeperもいただろうから実際には日次数百万円超の収益源のはず)という収益はJupiterにとっても小さくないはず
12/22時点では思いもよらなかったが、今思うとローンチパッドを安定させるため?
WENやJUPなどのローンチではlimit orderも購入手段となっていた
トークンのローンチのような不確定要素の多いイベントでは、運営としては少しでもコントロール下における要素を増やしたいはず
limit orderのkeeperを運営だけに限定しておけば、たとえばkeeper botが拾ったJUPをburnして価格維持に努めるとか、takeする日付や価格の条件を調整するとか、運営がトークンのさばき方をコントロールできる
【追記】運営の説明によると「何か問題が起こった時ユーザーに補償するため」とのことです
https://twitter.com/pico__sol/status/1754724271652540842 より(ありがとうございます!)
バブルで動く金額も増えていて初心者も増えていましたし、オープンにしておくことにリスクがあるというのは納得感はあります
どれかが正しいのかもしれませんし、複合的な理由だったのかもしれません。
でもさ~~~
理由とかは正直何でもいいんです。
あと一週間でいいからkeeper botしたかった!!! 12/22とかもう早めのクリスマス休暇入っておけよ!!!!!
うわあああああああああああああああああああああん
エッジって思いのほか転がっているもの?
気を取り直して記事のまとめに入ります。
今回紹介したkeeper botもそうですし、
のbotもなのですが、思いたって数日で作ったbotが予想以上の収益を上げるということが続いています。
ビギナーズラックなのかバブルだからなのかはわかりませんが、とにかく思いついたものはbotを実際に作って試行回数を増やしていくのが大事だな~と思います。意外とエッジが転がっていて勝てたりします。
当面はDEX botを作っていくので、賞味期限が切れたbotがあればまたnoteで紹介していきます。
ではまた!
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