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【EDH】マリーゴールドの騎士、アーサーデッキを考える 其弐【統率者】

はじめに

 こんにちは、kknと申します。
 9月も末というのに未だ日中は暑く、過ごしやすい季節はもう少し先のようですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
 この記事の執筆中に統率者の禁止推奨カードが増えて皆様困惑されているところかと思います。その流れの中で新たなルールを提唱される方もちらほら見かけるので、何かしらの形でmana cryptや宝石の睡蓮が使えるようになればと思う限りです。
 また、はじめましての方はどうぞよろしければ前回の記事も併せてご覧になっていただければ幸いです。

 私はといえば、この9月は仕事中も隙を見つけてはアーサーデッキの構築を考えたり、仕事をサボってカドショをうろついていたりしていました。そして土日は晴れる屋さんなどで実戦を繰り返していました。そこで思い知ったのですが、私のデッキのなんと殺意の低いこと。これは人の考え方に依るところが大きく、それについて物申したいとかいうことは全くないのですが、統率者レベル5~6、あるいはBattle帯のデッキでそこそこの頻度で無限コンボを見かけたのです。(それも統率者との実質1枚コンボも)
 前回投稿した私のアーサーデッキはその点で言えば、無限コンボは搭載しておらず、であればきちんと120点削り切れるのか?と言われればそれも中途半端な構造であったことは二、三回やればすぐに気づけるレベルの構築でした。そのことから今月はひたすら構築の見直しと実戦を繰り返し、より良い構築を模索し続けておりました。
 そしてある程度満足できるレベルにまでは練り上げられたと感じられましたので、再び投稿させていただく運びとなりました。
 ちなみに前回の投稿では金銭面を多少考慮した構築としておりましたが、今回数多の敗北に幾度と枕を濡らした私は暗黒面に落ちたので、さすがに1枚1万円を超えるカードこそ使ってはいませんが、(そもそもその辺に手を出しはじめると中途半端にchallenge帯になってしまい、ボッッッッコボコにされる未来しかないので今後も使う予定はありません。強力マナソース、ジェネラルピッチetc)そこそこ高額カードにも手を出してしまいました。
 それでは長ったらしい前置きもそこそこに、リストをお見せしてから、前回を踏まえた調整点を順番に説明させていただきます。


デッキリスト


調整点

 ここからは前回と変更したところを説明させていただきます。まず前回のデッキを使っていて弱いと感じた時・場面を挙げて整理したいと思います。

・能力を理解された途端、除去されまくる。
・アーサー以外のクリーチャーを除去されて1ターン休みになる。
・マスデスを打たれて最低2ターン休みになる。
・マリガンが思ったよりハードルが高い。
・マリガンが悪くなくとも、引きが弱く、4t目キャストができない。
・起動型能力のブリンクが機能するまで遅すぎて使えない。
・相手のクリーチャーがデカすぎて殴れない。
・相手のクリーチャーが並びすぎて殴れない。
・中途半端な捲れが多いor何も捲れない。

 ざっとこんなところでしょうか。
 多い…多くない……?もしかしてアーサーお前…弱い、のか……?????(強いか弱いかで言えばまぁ残念ながら間違いなく弱い
 兎にも角にも問題点が見つかったならそれを解決していく術を模索するのみです。では順番に解決策を考えていきませう。


除去されまくる問題

 まずはアーサーの実際の挙動を見て戦慄した相手が、恐怖のあまりアーサーあるいはオトモを殺戮し始めてくることの対策です。やはりジェネラル公開の時に「調整版ウィノータ」とわかりやすく(あくまで個人の感想です)説明したとて、実際に使ったことや戦ったことがなければ何が出てくるのか、そのパンチ力が如何なるものかは判断がつかないようで、また、アーサーが速攻を持っていることはかなり見落とされがちなので、初動に重きを置いたこのデッキの実際のスピードを見て、警戒レベルは時にその実力以上に見られてしまうこともしばしばありました。結果、早急に除去され、再キャストまでもたつき、その間に負けてしまうことが少なくありません。ではこの問題を如何にして被害を少なくするか、答えは簡単ですね。除去を打ち消すか、除去に対して破壊不能や呪禁を付与することです。

軽量かつ優良打ち消し


破壊不能あるいは呪禁付与


 頑固な否認は前回から入れていましたが、今回はその枠を増量しました。アーサーを立てた後はマナが余ることが少ないので、極力軽量カウンターを採用することにしました。2マナ打ち消しにも優良なものがありますが、数を増やし過ぎてはハズレ枠が増えるだけなので絞って入れることにしました。軽量打ち消しとしては他にも「呪文貫き」や「精神的つまづき」などがありますがそれらは状況によって腐ってしまうことが多く、使っていくうちに自然と抜けていきました。
 一方、破壊不能付与や呪禁付与は近年その数を増やしているようで且つ安価に手に入るので使ってみましたが、ものによってはマスデスからも逃れられるので、ボードアドバンテージに繋がることもあり、採用の価値ありと判断しました。また、少々もったいない使い方ですが、無理やり殴りに行くときにも使えたりするので覚えておくとよいかもしれません。


キープ基準がキツい・引きが悪い

 これは完全に構築か運か日頃の行いか前世の行いのいずれかが悪いです。前回、マリガンのキープ基準を定め、確率を計算しておおよそ5割強の確率での4t目アーサーキャストを見込んでおりましたが、その確率をさらに高めたいと思います。
 まず一つとして、前回採用していた「土地税」内蔵クリーチャーのほとんどを抜きました。彼らは土地という基本的には永続的なアドバンテージをもたらしてくれはしますが、如何せんその条件が厳しいところがありました。
 要は先行だった場合や、相手が土地詰まりを起こしていた場合あるいはマナファクトもりもりキープをされてしまった場合です。そうなるとマナ加速もできないただのバニラと成り果て、しまいにはアーサーのために一応キャストしなくてはならない、攻撃してもすぐ死んでしまうクリーチャーとなる場面が非常に多く感じました。そこで、必ずマナ加速してくれるクリーチャーを採用することで解決を図りたいと思います。

最近はついに2マナのETB宝物生成が出ちゃったんですね

 このようなETBで宝物トークンを生成してくれるクリーチャーは「財力ある船乗り」から次々と生まれているのですが、近年はそれにプラスアルファで能力がついているものも散見されます。何より土地のほうがアドバンテージとしては軍配が上がるものの、条件によっては出せないものとは違い、彼らはどのような状況にあっても必ず1マナ用意してくれるので安定感が爆上がりします。かつ、彼らは実質マナファクトとオトモを兼任しているとも言え、キープのパターンが1通り増えることになります。早速前回同様のマリガン確率計算サイト様で計算していきましょう。枚数設定はオトモ16枚(宝物を出すオトモ含む)、宝物を出すオトモ6枚、マナファクト16枚、土地32枚です
( 引用:複数のカードの確率計算機(マリガン対応) (yazirusis.com) )


前回のキープパターンは3通りでした


上記組み合わせが1t目ドローで満たせる確率
前回は約57%なので約10%上昇しました


上記確率に加え追加で土地1枚ドローを4t目までにできる確率
前回は約58%弱なので約8%向上しました


 このようにキープ基準を新たに設けることで、4t目キャストの確率を微量ながらも高めることができました。一応補足しておきますと、「土地税」内蔵クリーチャーは「忠実な軍用犬」のみ残しております。理由としては、3t目に土地を置く前にキャストできる唯一の2マナシングルシンボルでの「土地税」内蔵クリーチャーだからです。つまり土地二枚からキャストしてETBで3枚、セットランドで4枚目まで行けるのは「忠実な軍用犬」と「白蘭の騎士」のみで、言うまでもなく「白蘭の騎士」くんはダブルシンボルが重すぎるために入れておりません。
 また、ブリンク目的で入れていた「ドゥーネダインの守護者、ギルライン」などの起動型能力でブリンクをさせるクリーチャーは捲れてしまった場合、その起動型能力を使えるのが、最悪3t後になるケースもあり、悠長だったことからこれらのクリーチャーに席を譲ることとなりました。プレイしていて思ったのですが、やはりブレイゴやメネルドールらのようなサボタージュ能力でのブリンクが最も使い勝手がよく、次点で変位エルドラージ等の起動型能力だったため、基本的には前回紹介した長期計画等でブレイゴを引っ張ってくるところから始めるプレイングにするほうが強いと感じました。


相手のクリーチャーのせいで殴れない

 今回一番悩んだのはここでした。マスデスを打ちたい場面に多く遭遇し、マスデスがあればと思いこそすれど、打てば自分も壊滅的な被害を受けてしまうというジレンマがあったからです。マスデスを打った後打たれた後に問題となるのはオトモの存在なのです。基本的にアーサーは速攻持ちなので、マスデスを打った後にオトモを出せれば問題ないのですが、常にそんなマナがあるとは限らず、また、手札にオトモがいなければ打てないマスデスとは明らかに弱すぎます。打ちたいときに打てなければいけません。その問題を解決してくれるのがマスデス後にクリーチャーを出せるマスデスたちです。

プレイアブルなものが本当に少ない

 最初に気が付いたのは配布プロモのコルヴォルドのためにスタンをかじった際に、太陽降下が環境で幅を利かせていた(現在進行形?)という話を本当かはしりませんが聞いたところからでした。これらのカードであれば、太陽降下については実質7マナとなりますが、マスデスした直後にオトモをおいておけるので、次のターンにアーサーのキャストからまた動き始めることが可能です。
 特に「落星の祈祷」は盤面にいた有用なクリーチャーを一体残して置けるのでベネです。また、変わった使い方として、自分の場にクリーチャーがおらず、相手にこちらのクリーチャーのコントロールが奪われているときにカードを贈呈して打つと、これにより自分の墓地に置かれた(奪われていた)クリーチャー・カードをリアニメイトすることができます。私も一度やったことがあるのですが、EDHはしばしばコントロールが奪われるので、たまに使えるテクニックとしてぜひ頭の片隅に留めておいてください。

捲れが弱い・何も捲れない

 運命力を鍛えましょう。無理なら先ほどまでのカードを一部抜いてでかいのたくさん入れてください。以上。


デッキの基本的な回し方

 ここまでは前回のデッキの実戦で生じた問題を挙げ、それを解消していく形でデッキリストをブラッシュアップするところまでやりました。では次はその調整を踏まえたうえで、このデッキの基本的なプレイングについて触れていこうと思います。

キープについて

 キープ基準については先ほどETBで宝物を生成するクリーチャーの採用のところや前回の記事でも軽く触れていますが、もう少し明確にしようかと思います。まず最も大事なのは引きを当てにしたキープをしないことです。当然のことかと思われる方もいると思いますし実際そうなのですが、やはり中程度の実力のジェネラルにおいては、ヌルキープこそが最も敗北に近づく行為だと私は考えます。カードにもよりますが、ジェネラル自身がアド源になれるものは早期キャストさえできればという観点から、多少キープ基準を緩めにしやすいかと思います。ただ、アーサーは単体ではアドは生み出せず、必ず他のカードを、しかも複数枚使ってようやくアドのような何かを生み出せる程度であるため、キッチリキープ基準を見定めなければ、数ターン何もできないマグロになってしますこともあります(N敗)。マリガン計算の項目を見ていただいたらわかるかと思いますが、理想の動きには最低でも5.6枚のカードが必要になります。悪い例を挙げると、土地1枚に「太陽の指輪」など強力なカードを引いたものの、オトモが引けていない。こんな時は絶対にマリガンすべきだと私は考えます。なぜなら、初手で7枚引いているので残りのデッキは92枚、その中から16枚あるカードのうち1枚とさらにマナファクトか土地2枚の合計3枚引かなければなりません。それも4回のドローの中で1回しかムダヅモが許されません。数学は弱いので確率はわかりませんが麻雀をされてる方ならなんとなくは分の悪い駆けであることを理解していただけるのではないでしょうか。
 このことから私の中でこのデッキのキープ基準は以下の通りとしています。

・必ず3t目に出せる4マナ以下のクリーチャーがいる
・最低でも手札の土地とマナファクトで3マナ以上出せる

 この条件が満たせていればあとはオトモより母数の多い土地が4回のドロー中2回引ければいいので賭けとしても多少マシな部類になってくるかと思います。実際に5ターン目までに必要なカードが6枚そろう確率は一応上図においては6割は超えています。また、前回の記事でもお話ししている通り、このデッキの初手理想必要枚数は5枚ですので、ダブルマリガンまでの3回のマリガンは積極的に行ってください。マリガンしたとしてもデカブツをボトムに落とせば手札の質がそう悪くなることはないはずです。また、一応一回だけですがレベル7~8相当相手の3人対戦でトリプルマリガンから隙を見て勝利したことがあります。初手が少なくなるのは精神衛生上悪いですが、ヌルキープは後悔先に立たぬことしかありません。たまたまうまく神引きできる可能性があることも承知していますし、実際引けるときは引けますが、引けないことのほうが圧倒的に多いのは明らかです。皆様もヌルキープは、やめましょう!

アーサーをキャストした後

 ここまで必死にアーサーをキャストしてとして、そこはゴールではなくここからがようやく勝負の始まりとなります。基本の動きとしては、可能であれば「永遠王、ブレイゴ」などを「長期計画」や「巻物棚」で、もしくは運で捲ることを第一目標とします。デッキを回していて特に感じるのですが、マナを要する起動型能力ブリンクカードは中盤以降の小回りが利く一方で、序盤の取り回しがあまりよくありません。そこで出してすぐ自身もブリンクして、次鋒のブリンク役にもなれる「永遠王、ブレイゴ」や「救いの疾翼、メネルドール」あるいは再キャストを容易にしてくれる「エインシャント・カッパー・ドラゴン」の3枚は捲れたら積極的に出していきたいカードです。もちろん起動型能力でブリンクできる「変位エルドラージ」や「祖先の残響、アブエロ」も、アーサーキャストに宝物を使わず6マナ目を用意できれば、次のターンで素キャストから捲れた生物をブリンクしてくれるので、優先度としては次点になりますが2番目に捲れてほしいカードになります。

勝ち手段

 当然このデッキは相手のライフを120点削り切ることを目的とした構築となっていますが、一応ささやかな無限コンボが搭載されています。それは以下の二通りです。

・「巻物棚」+「老いざるメドマイ」
・「巻物棚」+「港を滅ぼす者」

 このコンボは前回の記事のコメント欄にてカエル様に教えていただいたもので、「老いざるメドマイ」(以下メドマイ)は自身で得た追加ターン、他のカードで得た追加ターン問わず、いかなる追加ターン中でも『攻撃できない(攻撃クリーチャーに指定できない)』のですが、攻撃している状態で戦場に出た場合はこれを無視できます。(攻撃クリーチャーに指定したわけではないため)詳しい挙動についてはwikiをご参照下さい。ちなみにメドマイが殴れないのは追加ターン中のみであり、追加戦闘フェイズでは普通に殴れるのでぜひ覚えておいてください。
 「港を滅ぼす者」についてもほぼ同様で、このカードはサボタージュ能力で追加戦闘フェイズを得たうえでこのターンダメージを与えたプレイヤーには攻撃できなくなってしまうので、通常は追加できる戦闘フェイズが有限なのです。しかし、戦闘終了時に手札に戻った港を滅ぼす者を巻物棚でデッキトップに戻し、アーサーで捲れば、新たなオブジェクトとして戦場に出るので、先ほど殴ったプレイヤーの情報もリセットされるためにまた同じプレイヤーを殴れるようになります。
 一応以下に手順を記載しておきますので、ご参考になれば幸いです。

※戦場にアーサーと殴れるオトモ、巻物棚がある状態で且つ、クリーチャーがブロックされて死亡するようなことがないことが前提条件。

①アーサーとオトモで攻撃指定、「メドマイ」か「港を滅ぼす者」を捲り、ブロックされないプレイヤーに攻撃している状態で戦場に出す。

②攻撃が通った後、「メドマイ」か「港を滅ぼす者」を手札に戻す。

③「メドマイ」なら次のターンのドロー後かつアーサー能力誘発処理前に、「港を滅ぼす者」なら次のアーサーの誘発処理前に「巻物棚」の能力でそれぞれのクリーチャーをデッキの一番上に置く。

④また捲れたそれぞれのクリーチャーをブロックされないプレイヤーを攻撃している状態で戦場に出す。(以下②~④をループ)

 ルートは以上の通りとなります。
 ただこのコンボはクリーチャーの攻撃が通らないことには機能しないので、あまり過信しないことと、盤面をよく確認してから仕掛けることに注意してください。
 一応第二の勝ち手段として使えそうなものは二段攻撃付与の「ヴェリュス山(さん)の恐怖」などを戦闘前にブリンクし、併せてギセラを置けるとダメージが危険な領域へと突入します。

追記
 
そーすい様からのコメントで、「港を滅ぼすもの」で無限コンバットを行う場合、別個で「巻物棚」のアンタップ手段であるとのご指摘をいただきましたご教示いただき助かります。もっと言えば、巻物棚の起動真名もいるのでマナクリも必要ですね…
 かなり初歩的なミスであるからして以後注意いたします。この記事に大した影響力などないと承知してはおりますが、誤った記載を参考にされてしまわれた方々にお詫び申し上げます。


採用したカード・採用しなかったカード

 最後に前回採用していなかったカードでまだ紹介していないものと、今回から採用したカードの同型や類似カードで採用しなかったものなどを紹介していきます。皆様のほうで採用価値の有無について考える際の参考になればと思います。先に採用したカードから紹介します。

荒れ模様のストームドレイク


前回コメントで教えていただきました

 最初は、アーサーで捲った際に戦場に出ても、直後にコントロールが移るため戦闘から取り除かれてしまい、打点にならないので不採用としていたのですが、前回記事のコメントでmigi様におすすめされ、調べたところ、アーサーの能力はオーナーの手札にクリーチャーを戻す効果なので、相手の場からこちらに帰ってくることがわかり採用としました。しかもマナ総量分のエネルギーを支払えなくても除去にはなること、そうした場合次にキャストする際、使わなかったエネルギーと合わせて8マナ以下を奪えることはかなり強力であると思います。ただ、妙に強力な除去耐性を持っているため、渡す相手を選ばないとデカくなって脅威になることもあります(1敗)。

引退した忍びのもの、ビルボ


別に忍者というわけではないらしい(指輪物語未履修)

 宝物を出すクリーチャーですが、そのマナ総量からアーサーの早期キャストには一切貢献しません。しかし、指輪に誘惑される誘発型効果を持つので自分に回避能力を付与しつつ、戦場から離れた際に再度指輪に誘惑されるため、指輪所持者を変更することができます。おケツがでかいスタッツと指輪は相性がこれ以上ないほどよく、アフターケアも兼ねられるため採用しました。戦場に出た時の誘発は、最初に一つの指輪を見つけた時、戦場を離れた時の誘発はフロドに指輪を託して去ったときの再現なんでしょうか。


ヴェリュス山(さん)の恐怖


効果が非常にシンプル

 実は微妙に少ない二段攻撃付与の中でも数少ないプレイアブルなカード。本当はもっとたくさん入れたかったのですが、他の採用しなかったカードは後ほどその理由とともに紹介します。このカードは自身で二段攻撃を持っていることと、飛行を持っていることから採用を判断しました。ちなみにヴェリュス山とシヴ山とパーディック山は読みがサンですが、エレボール山と白羽山はヤマ読みです。


孤独


ブリンクしまくれば何度も除去できる便利な奴

 ぶっちゃけ説明する必要はないと思います、ブリンクできるせいで「剣を鋤に」を超越したパワーを持ちます。また、捲れた場合なら最低2回は除去になるので大体強く使えます。TUEEE


裏切り者の工作員


思ってたより強くて困惑してます

 こいつもあんまり説明しなくていいかなと思いつつ、一応どんな活躍をしたかは説明しておきます。私自身そうするまで知らなかったんですが、土地を奪えるの地味におかしくないですか?一度相手が迷路の終わりデッキだった時に奪って勝ちを封じたこともありました。まれにストームドレイクと噛み合ってインクのシミ3ドロー効果が使える瞬間があります。覚えておいてください。

追記:すみませんでした。こいつのこと舐めてました。こいつとブレイゴが並ぶとヤバかったです。何がヤバいかというと、家路もパクれるので対処が本当に難しいです。変位エルドラージも並ぶともう宇宙です。最近勝てたパターンはみんなこいつのおかげです。こいつを好きにブリンクできるようになったら、相手のためにもギセラなどを持ってきてなるべく早く終わらせましょう。


ドラコの末裔


能力の割に色指標がない

 ぶっちゃけメチャクチャ強いカードではないと思っています。ただ、周りのクリーチャーが結構馬鹿にできない強さとなること、アーサーへの恩恵が大きいこと、大体の場合で不特定6マナで再キャストできることから採用してみました。今のところ、一回除去の避雷針になってくれたりしているので使い勝手は悪くないんじゃないかと思っています。また、何かの間違いで「裏切りの工作員」で「bayou」か「草生した墓」か「インダサのトライオーム」か「ゼイゴスのトライオーム」か「ジアトラの試練場」を奪っていれば10マナ軽減できます!やらなくていい
 ちなみにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、荒地は基本土地ですが基本土地タイプではないので版図にはカウントされません。覚えておいて下さい。

 次からは前回のリストから抜いたカード、おすすめされたけど入れなかったカード、採用を検討したけど入れなかったカードとその理由を説明いたします。


家庭と故郷の剣


抜くかは最後まで悩みました

 能力はかなり噛み合っているので悩んだカードです。ストームドレイク同様、前回記事にてmigi様に教えていただき使用しておりました。ブリンク能力もそうなのですが、プロテクションがありがたい場面が多く、パワータフネスまで上げてくれるアーサーにとって最強の装備品だと今でも思います。
 ただ一点、ほとんどの場合初手に持ってないとほとんどの確率でアーサーで捲れてしまうことが気になりました。その問題を解決するには、まだ採用を検討してはいませんが、装備品をサーチするクリーチャーを入れて、そいつで引っ張ってくることでしょうか。その場合「多勢の兜」なんか入れても面白いかもしれませんね。ただ、その手のカードでは伍堂だけは何があってもデッキには入らないでしょう…


藁山


除去対策には結構使える

 前回フェイズアウトの手段として採用していたカードです。抜いた理由は家庭と故郷の剣とほぼ同じです。実際かなり強力なカードなので、使えればラッキーくらいでデッキに入れることも検討しましたが、サーチ手段がない以上、引けない確率のほうが高いため、多少の上振れより安定をとることにしました。


無限の日時計


大体電波デッカーに酷使されてるイメージ

 このカードの検討理由は単純で、アーサーの遅延誘発型効果がスタックに乗った状態で起動することで、なかったことにするためです。ただ、上記2枚と合わせて3枚ほどの、アーサーの遅延誘発回避を目的とした置物の採用を検討したわけですが、ぶっちゃけクリーチャーで解決するほうがアーサーの能力的に手っ取り早く、リストもコンパクトになるのでアーサーキャストに専念したデッキになるということで採用されることはありませんでした。 


ドゥーネダインの守護者、ギルライン&糾弾の天使


起動にマナがかからかからないので使ってみたが…

 タップコストの起動型能力でクリーチャーをブリンクできる奴らです。先ほどお話しした通り、今回の調整に当たって、クリーチャーでのブリンクに絞っていたのですが、にもかかわらずこの人たちは採用しませんでした。その理由は、3マナ起動型能力ブリンククリーチャーと比較して、出してから能力を使えるまでに1ターンかかってしまうことです。うまくいっていたらアーサーキャストターンで5マナ、次のターンには6マナに伸ばせる可能性があり、変位エルドラージ等をキャストしてなお、即捲ったクリーチャーをブリンクしに行けます。対してこちらは速攻を付与しなければ次のターンまで待たないといけません。変位エルドラージも6マナなければ同じ挙動となりますが、できる可能性があるのとないのでは大違いということでリストラとなってしましました。


アンブロッカブルクリーチャー


ルーティングで変にファッティ引いてしまった時の悲しさ

 前回の記事でも優秀なオトモとして紹介したはずの彼らでしたが、残念ながら彼らの席はなくなっちゃいました。確かに生存能力が比較的高いので、安定して毎ターン殴りに行けるのはそうなのですが、如何せんそれしかできないとなると、終盤の捲れとしてあまりにも弱すぎること、宝物を出せる生物はキープ基準を緩めつつ、中~終盤でも一時的なマナジャンプをさせてくれるので、まだ使いようもありることから彼らに席を譲る形となりました。


牧歌的な教示者


弱いわけではない

 前回「騙し討ち」の貴重なサーチ手段として入れておりました。が、このデッキ、まわしていただいたらよくわかると思いますが、ターンを返すのに起こしておけるマナはたいていの場合、1~3マナが限界です。何よりそのマナは打ち消しやブリンクに取っておくためのものなので決して余っているわけではありません。つまり打つタイミングがなかなかない、ということです。幸いにもこのカードの調整前である「Enlightend Tutor」はインスタントなので、構えたものの使わなかったマナで上記の緑白剣や藁山をサーチできるので、そちらも併せて採用しやすくなるかもしれません。エンチューも安ければ1000円前後らしいので、見つけたら確保して試してみようかと思います。


ETBor誘発能力持ちオトモ


ワンちゃんかわいいしほんとは抜きたくなかった

 彼らもアンブロッカブル部隊同様、アーサーキャスト強化月間キャンペーンの荒波に揉まれ、居場所を失った者たちです。「陰気な港魔導士」くん自体は強力で、いま彼には我がスタンカエルデッキにて労務に服していただいております。ただ、ブリンクしていきたいのに、戻った時誘発であること、ファッティを引き込みたくないことから抜きました。「鉄頭のアーニ」は手札に戻ってしまったクリーチャーを条件付きで速攻を付与するような動きができるのですが、中盤以降でブリンクしていく流れができるとただの3/3バニラに成り下がってしまい、やむなく退場していただきました。ワンちゃんはドローできることで、序盤に土地を引きに行ったりできると思いさいようしていたのですが、ヌルキープの原因にもなりかねない安易なドローを許したくなかったので抜いてしまいました。


打点上昇クリーチャー


本当に使い勝手の良い同型が異様に少ない

 すでにリストに採用されている「黄金夜の刃、ギセラ」や「ヴェリュス山(さん)の恐怖」と同じタイプのクリーチャーです。これらは殺意を高める目的での採用の検討でした。まずこれらの前に全体に影響をもたらす「ラースの灼熱洞」について私は検討しました。結果としてエンチャントでは相手からのダメージも増えるため、殴れなくなってしまうことと、こちらの寿命も縮まるということで採用はやめ、内蔵したクリーチャーに目を向けました。彼らは自分のコントロールしているものにのみその効果を及ぼすため、アーサーにぴったりだと感じました。しかし、その数はかなり少なく、あまつさえ黒を含むカードすら存在する始末。その中でもこの二枚と採用している二枚の計四枚が最終選考に残ったのですが、上記二枚は不採用となりました。
 その理由はシンプルで、「アングラスの匪賊」は重いくせにこれしか能力がなく、タフネスも低いのですぐ死ぬ、ということと、「刃の歴史家」はマナは軽いけど拘束がきつすぎて再キャストできない、ことが問題でした。
 なんかこう、もう少しマナ多くてもいいから(4)(R)(W)(W)くらいでダメージ軽減能力と飛行と先制攻撃持ってくれませんかね…


さいごに

 ここまでいろいろと理屈を並べてデッキ内容を解説してきましたが、どういうわけかネットに転がる数少ないアーサーデッキのその多くが私と全く異なる構築であるようです。EDHRECなどはそもそもあまりあてにしないほうが良いものですが、構築済みのカードを脳死でぶち込んだようなものばかりが転がっている有様です。またこの記事を書いている間に、セラのカードショップ様のEDHデッキ紹介にてなぜか紹介されていました。ぜひ読んでみて下さい。しかし拝見させていただいたところ、そのデッキはクリーチャーが19枚しか採用されておらず、おそらく捲りはサブ程度の構築として汎用札で対応していき、最後は無限コンボで決める、といった流れを想定している構築なのかなと感じました。
 つまり何が言いたいのかというと、皆様もぜひアーサーを手に取っていただいて、思い思いの構築をしてぜひご意見としておすすめのカードや構築コンセプトの改善案など頂ければ、それはとっても嬉しいなって思います。例えば、苦情が来そうですが法務官など重めのスタックス系クリーりゃーを並べまくる、というのも一つのコンセプトとして強力だと思います。アーサーはどんな自由な発想で組んでもいいんだ!そして、世にアーサーの民が増えん事を。

 また、いろいろ調整した際にもしかするとデッキを紹介するかもしれませんし、あるいはあっさり別の統率者に乗り換えてデッキを投稿しているかはわかりませんが、また次回の記事でお会いしましょう。
 

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