KKL20220601 研究室会議レポート

こんにちは。今週の研究室会議のレポートは、修士2年の杉野が担当します。よろしくお願いします。

普段の研究室会議は、自在画室と呼ばれる研究室の隣にある大きな部屋で行われます。この部屋は、物を作る時に利用したり、他研究室がゼミをおこなったり、卒計シーズンは各自の作業ブースへ様変わりしたりと、日々のイベントに応じて全く違った使われ方をする面白い部屋です。
今週の研究室会議も、この自在画室で行われました。研究室の人数が過去最大ということもあり、構成員全員が円状に集まる会議は、一つの集合として迫力があります。一方で、構成員一人一人は、ユニークな面々が揃っているところが研究室らしさだと思います。

その研究室会議ですが、前半は研究室の運営方法、予算といった事務的な連絡と各プロジェクトの進捗状況などの研究室全体に関わることが主となって話が進められます。普段は、会議の性質上この共有事項に大きな時間を割きますが、今週はプロジェクトの進捗共有のみで普段よりスムーズに進行しました。

後半は、構成員の個人発表の時間です。学部4年生の卒業設計、修士生の修士論文に関する発表が行われました。一人一人の研究テーマについてコメントしていきたいところですが、今回は省略して、前半のプロジェクト発表から会議に多く上がっていた「全体計画」と「具体化」をテーマに、会議を振り返りながら、会議を通して感じたことを綴ろうと思います。

まず、各プロジェクトについての発表では、「他者と共有するための企画書が必要」、「与条件を整理した上で、何が可能なのかパターンを出すことが必要では?」、「テーマが必要なのではないか?」といった指摘がそれぞれで上がりました。プロジェクトは、どんな小さなプロダクトの設計であっても実際にモノや予算が絡む建築設計であり、作品として人に伝えるためにディテールと全体像を横断した綿密なスタディが必要であると、僕自身もプロジェクトに関わっているものとして考えるべき議論でした。一方で、議論の中にはプロジェクトとして位置付けられたゼミ旅行に関する話もあり、大真面目に遊びを設計する点、研究室らしいプロジェクト発表でした。

次は、卒業設計の発表でした。例年通り、自分の興味の赴くままに調べてきたものを会議で発表します。自分の趣味や身近なもの、感じていることなどそれぞれの感性に基づいた発表が今週も展開されました。卒業設計は、自己表現の場であると同時に、興味がいかに普遍的な課題へと接続し得るのかこの二つを伝える作品だと思います。そのため、自分の興味を掘り下げる具体化の作業と他者と共有するための全体像の構想を何度も反復することが必要で、この試作を通して初めてオリジナルなものをこの世に打ち出すことができるのではないか?と思います。学部を振り返ると、僕は後者を考えることが全然出来なかったな〜と発表を聞きながら思いました。自分の興味に一途に突っ込むのも、一歩引いてドライに観察してみるのも卒業設計の楽しいところだと思います。各々が、自分の好きとどのように向き合い、どんな可能性を発見していくのか今後の展開が楽しみな発表・議論でした。

最後は、修士論文の進捗発表がありました。M1は、興味の対象から研究としてどういうテーマ設定ができそうか、興味を広げながらも、絞っていく段階。対して、M2は、各々のテーマに対して、具体的なリサーチを与えながら修士論文としての形をスタディしている段階です。ただ闇雲に情報を集めていても、自分がどこにいて、何を調べているのか訳がわからなくなってしまいます。自身の研究の全体像を設計した上で、対峙した情報から部分を選択し、組み合わせ、研究を具体化し、また全体像を更新していく。この過程を反復することが大切で、修士研究としての楽しみがあるのではないか?と発表を聞きながら、考えていました。

こうして会議を眺めてみると、プロジェクトから修士研究まで同様の思考過程の元に研究室としてのアイディアが発現しているように思えます。これは、研究室ゼミが会議という全体像を纏い、研究室に関わるものを等しく議論する研究室らしさゆえかもしれません。

最後に、研究室会議は、何かを教えてもらう体で臨むと肩透かしを食らってしまいます。会議の中でどうコミュニケーションを取るか?個性豊かな構成員とそこで展開される議論から自分は何を真似し、どう拡張させられるだろうか?それを考えることが近頃の僕の目標だったりします。

テーマに反し、冗長的な文章になってしまいましたが、ここらへんで今週の研究室レポートを終わりにしょうと思います。読んでいただきありがとうございました。

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