【kdl2】さらば、セイイキ
こんにちは。B4の水越です。kdl2の進捗報告をさせていただこうと思います。
プロジェクト「kdl2」として6月から活動をしてきていますが、やっとこのプロジェクトの本題に入れたような気がします。さて、早速今回の内容に入りましょう。
kdl2の全体像
まずはこのプロジェクトの全体像を見せたいと思います。
こちらの図面はkdl2で改修する門脇先生の部屋です。今までのnoteで説明し忘れておりましたが、このプロジェクトでは現在存在しているセイイキを解体し、赤字で書いてあるところに様々な家具を作ることで先生の部屋を改修します。そしてこれらの家具を作る際にkdl2としての大事にしているコンセプトがあります。それは「履歴」です。この部屋の象徴であるセイイキを解体し様々な家具に散りばめていくことで、過去の形跡を残しながら、現在要求されている機能に合わせてアップデートすることを試みます。セイイキの詳細はこちらのnoteまで。
現在の進捗状況
現在の進捗はこのような状況です。anbは前回の記事であったようについに竣工を迎えました。
kit2に関しては施工途中で、sns(セイイキ の 収納)、snt(セイイキ の 机)は共に実施設計段階です。その様子も追って記事にしますので何卒。
セイイキ解体!
kit2は「研究室にある机」、anbは「先生の部屋にある大量の本」としての履歴を主題としていたわけですが、snt、snsではセイイキ部材の転用という意味での履歴を主題としています。その中で「現在のセイイキの構成がわからない限り設計が進まない!」というように議論でなりましたので、解体してセイイキの謎を解き明かすことに決めました。
元々の図面から、フラッシュ合板であることがわかっていたので下地チェッカーで下地の位置を出しながら、
脚立に乗って上部から切断します
切り落とすと、綺麗な木口が出てきました!
sntに使用想定部分と
snsに使用想定分の部分を切り落として、
解体完了!!
セイイキの生態に迫る
図面だけでは読み取ることのできない情報量や実際の施工方法・手順など、謎が多く難航続きの解体でしたが、解体をすることであらゆる謎が解決へと近づきました。ここで解体の時の様子を軽くレポートしておます。
まずはこの金属片。私たちは解体をするときに発注した工具が届かず、時間の都合もあるのでやむを得ずノコギリで解体をしたのですが、頑張ってギコギコしている時にたまにガリガリっと音がなるわけです。そこで切断面を見るとこのような金属が内部に入っていたのです。これはおそらくフラッシュを作る際にタッカーで止めたものが残っているのだと思いますが、セイイキの断面をよく見るとフラッシュ合板に追加でシナベニアが貼られています。実はセイイキがフラッシュをタッカーで接合し、その仕上げとしてタッカーを隠すようにシナを貼っているというリッチで大袈裟なものであることが判明しました。
続いてこちらの金属。この文鎮のような金属は床に固定されていて、セイイキのズレ防止を担っていました。
このようにセイイキにはこの金属にはまるような溝加工がしてあり、その溝にセイイキをはめることでセイイキのズレ防止がなされています。解体前の「動かないけど、なんかぐらぐらしてる」といった固定されているのかされていないのかわからなかった謎は解決です。見えない部分を覗くことで謎だらけの成り立ちを解明することができました。
最後に
セイイキの解体が終わり、いよいよ今度はsnt、snsの実施設計に移ります。このプロジェクトの肝といえるくらい重要な部分だと思うので、頑張ります。みなさん、目を離さないでくださいね。ご一読ありがとうございました。
おまけ
解体された瞬間にモノを置かれまくるセイイキ…。
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