空
私の詩は、ほぼノンフィクションの感情そのまま。 経験しないと出ない想いを綴っています。 だから、私にとって詩は短いドラマ。 愛する誰かへの短いラブレターなのです。
夢をみた。 世界はまるで絵本のように. 静かで淋しげに. でも、ほのかに淡く優しげに. 私は星で、貴方も星で. 並んで2人. 海のみなもに溶け込んだ.. 波は静かに星をのせ. 遠く遠く… 遠い異国へいざなった... 波は静かに星をのせ.. 2つの星を見届けた..。
迸る有限の夢. 碧球のglobe 悦に戯れ. 滅し点ず. 点じ滅すを繰り返す. 種 隈無く. 各々の営みに. 猛ては鎮み. 鎮んでは猛る. あとはひとえに. 深深と凪ぐ.
惚け興ぜと鳴く鳥の. 麗らかな春のうたた寝に. ひととき強く想い馳せ. 未だ埋もれる雪原の. 白き幻 遊ばれて. 揺らめく午後の. 趣深きまどろみに. 余韻ではなく. 只中の冬.
愛は星. ちりばめて. ちりばめて. 流れてく. 誰のものにもならないの. ただ. ひかりの度合いが違うだけ.
感情は匂いたつ. いい香りばかりとはいえない. ガラクタの中でうまれた心. 私は私をガレキの詩人とよぶ. オブラートに包みきれない. 日々の昂りを. マグマのごとき熱をもち. 文字に綴って命を吹込む. エネルギーは生者の顕. されど生けるエネルギーは. 時に悪戯に. 無の物にうつり. 遮る意思等ないからこそ. 浸透も憚らず. 故に.. 生ほどに強大なエネルギーを宿す. 恐ろしいと思うのは. そういう物に出合った時だ. だからこそ私には.
人は誰も. ゆるして生きている事を忘れないで. ゆるされて生きている事を忘れないで. 大きな成功を祝福されて. 小さな成功を祝福されて. 大きな失敗をゆるされて. 小さな失敗をゆるされて. 傷ついたことを胸にとめて. 傷つけたことも胸にとめて. 忘れないことが知恵になり. 経験をしてまたいかせばいい. 情報や本. 勉強でえる知識は. なぞるだけで. 頭には残っても. 心には残らない. 人として生きる事は. 他の身に心に. 重きをもって寄り添
いい、悪い. 経緯は経緯. 事実は事実とさておいて. 私は想像する.. 息つき果てる地が. 自国ではない. 見知らぬ人の中. 大きな不安に囲まれて.. 想像してみる. 私は想像する. 心細く弱ってゆく. 体内をかけめぐる血流も. 力無くか細く… 国別に庇いあいながら. 平和をと謳うその口先は. いっそとじるか. はたまた..どうせなら. 何処其処関係なく. 人は人を庇う。が、いい.. 私は想像する. 国という旗を掲げる未来より. 個々
淋しいと愛しいが重なった. その瞬間. 拗らせた恋が. 幾度も幾度も. もつれたり ほどけたりを繰り返し. 干上がりそうな泪と裏腹に. 愛しい想いの水嵩が増す. 無い物ねだらず. 無い袖をふる. 拗らせすぎた恋の. 溜まりたまった想いの嵩に溺れても. あなたと私. 一生の束の間に. 重なり刻んだ時の事実は. 今より…もっと先.. 爽やかに優しく包む. そんな薬となるでしょう.
きっと途中で息切れをして. この険しく続く坂道の途中. 君を置き去りにしてしまいそう. 見えない未来を. 不確定な不安で黒く塗り潰す. こんな僕を弱いと. はね除けられるのは君だけなんだ. また僕は. 君次第と答えを委ねる. 言わないけどただ.. 僕の真実は. 心だけなら強く. 君だけが愛しくて..
無か有か. ならば迷わず無を選ぶ. 無理につくりあげたとしても. 歪みもまたうまれるのなら. 躊躇いもなく無になろう. 深く長く 決別の吐息. さあ. 優しい地獄で. 塵も残さず燃え尽きて. この一生を無にかえそう. 愛した人の記憶さえ. 一欠片も残さずに..
そんなに疲弊していたなんて. 知らなかったよ. 負担ばかり抱えていたんだね. 過信し過ぎていたよ. 君は強いって. そもそも誰しも. 君が限界を感じるなんてこと. 想像もしなかった. 君への配慮が欠けていたんだ. 人は、勝手な生き物だから. いい時、いい事、根こそぎ. 都合よく奪い取ってしまうんだ. それをポジティブと名付けて. ごめんね地球. ごめんね人外生物. こんな入れものに.. こんな滅びの惑星にしてしまったことを. 心から謝るよ.
一生分の涙をためて. 海をつくる. 私だけの海. そこには綺麗な魚も珊瑚もない. 何もない. ひたすら. 白砂の底. ただ自由を纏い浮遊する. 私という魚が一匹.
それぞれのそれぞれにもつ大義名分. 時の歯車にうまく噛み合わず. それでも歯車は. 止まることを赦されず. 歯こぼれ覚悟でまわり続ける. ギリギリと. 見えない犠牲を先延ばして. 負の貯金だけが. 夢の風船よりも膨れ上がる. その重みを背負う幼子の. 無垢な微笑みにどうか. 希望だけはなくならないでと. 矛盾を造りあげた大人が流す泪は. チグハグに交差するひずみを. 更に複雑に.. いりくんだ、まるで迷路.
ミョウバンの色鮮やかな茄子の紫. 涼やかに艶やかさを増す表皮. 夏休みの朝. 知りつつ一口ほうり込む. やっぱり、塩っ辛い茄子の漬物. お祖母ちゃん家のお祖母ちゃんの味. まだ、遠慮がちに鳴く蝉の声. 構わず慌てて. 甘いだけの卵焼きに箸をのばす. 夏休みの朝. 冷たく冷えたほうじ茶を. 無作法にご飯にぶっかける頃. 遅れてシワシワな温かい手で出してくる. 茗荷の味噌汁. 水蕗の油いため. ご飯一杯じゃ足らないよと. そんな夏休みの朝. お祖
少女は、何も聞こえない世界に憧れた. 耳をふさいでも、物の声が聞こえる. 人の唇が視覚で動かなくても. その人の声や感情が流れてくる. 何時からか少女は. 何も聞こえない世界に憧れた. かたく口を噤む人になって. 誰もいなく. 人の手に、思いに触れている物の無い. 雑草敷き詰まる川べりに行くようになった. 空ばかり見上げて. 雲の動きばかりを見やる. その時間の流れだけは. 唯一、少女の安息をゆるし. 唯一、誰の何の意識も気遣わずにすんだ. 人は
会えない君を想い. 目の前の義務にかられて会う人に. よそいきの繕う笑顔で. 生殺しのあくび. 脳に酸素が行き渡らない. そんな感覚. 退屈な憤りは. 避けられずして会う人のせいじゃない. 君の気配を感じられない. この街の大気のせいなのか..