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“ 外食恐怖症 ” なのに飲食業界に入っちゃった話

外でご飯を楽しめない

これは、外食恐怖症(会食恐怖症)の私が、苦手な “飲食” を生業にしたお話。

※今は割と改善してるので、心配しないでください!


ていうか、外食恐怖症って聞いたことありますか?


外食恐怖症(会食恐怖症)とは

食事に対する異常な不安感や恐怖感を特徴とする精神疾患であり、社交場での食事に対して過剰な恐怖や不安を感じることが特徴です。 人前で食べることに対して強い不安や恐怖感を抱き、社交場での食事を避ける傾向があります。

大阪メンタルクリニック医院HPより https://osakamental.com/symptoms/kaishoku-kyofu.html 

01. いつ発症した?

思い返せば、小学校の頃から給食が好きじゃなかった気がする。
給食準備中の「全ての食べ物が混ざったにおい」を嗅ぐだけで吐きそうになった時期があった。そうなったら教室から抜け出して、誰も来ない階段で隠れて母親が持たせてくれた「ぐーぴたっ」食ってた。確かマスカット味、美味いんだなこれが。

一番酷かったのは5年前。
友達と町田の味噌ラーメン屋「ど⚪︎そ」にラーメン食べに行ったら、いつものテーブル席が空いてなかった。そりゃそんな日もあるわな。一席しかテーブルないし。
仕方なくカウンターに座ったとき!それは始まったのだ!

目の前のラーメンマンが一生懸命作ってる、絶対に残せない!

と思った瞬間に、喉の奥が閉まった。麺1本ずつしか啜れなかった。
申し訳ないし、悔しいし、恥ずかしくて、友達が食べ終わるまで体感3時間はあったね。いや、ないか。

(これ完食に100年かかるわ、完全に)
と思って諦めてほぼ残して帰った。
そこから5年、ラーメン屋に行けてない。

02. 外食することの何がダメやねん

・この人ご飯残すタイプなんだと思われるのが怖い
・これ食べて気持ち悪くなったり、お腹壊したらどうしよう

と思い始めると、喉の奥がキューっと細くなる感覚になる。
「残したら変な人だと思われる」と思っちゃう。
被害妄想甚だしいよね本当に。

03. これはOK!これはNG!のライン

・シェアスタイルならOK、定食はNG

定食は一人前のノルマが決まってるからダメ!
飲み会などのシェアスタイルはノルマがないから気楽。
そもそも食事をノルマと思っている自分が嫌になる。

・テーブル席ならOK、カウンターはNG

前述の通り、特にラーメン屋のカウンター席は絶対にやばい。
ラーメンマンが目の前にいて、残してはならないプレッシャーやばすきる!
でも、サクッとラーメン食べて帰るのに憧れてるんだよ本当は。

・想像できる味ならOK、意味わからん食べ物はNG

大体想像できる味なら大丈夫だけど、未知すぎる食べ物は苦手。
もし食べられなそうな味だったら一人前食える気がしない!
でもシェアならいいよ。タイ料理とかでも。ガパオとか好き。

・中華料理屋さんNG

150%デカ盛りにしてくるから。

04. ここが辛いよ外食苦手マン

・遊ぶ= "ご飯を食べに行くこと" なところ

これはご飯に行くことが辛いんじゃあないんだ。
どこかで挟まってくるご飯屋さんが気になってしゃあない。

・どこで食べるんだろう
・完食できるメニューあるんだろうか
・テーブル席あるのかな、カウンターだったらキツイな
・定食屋だったらノルマ制だからキツイな

と、ご飯のことしか考えられなくなっちゃうところ。
そう俺は逆食いしん坊。ご飯おかわり!

・旅行来たなら絶対名物食うっしょ?なところ

北海道行ったら海鮮丼食ったほうがいいし、博多行ったら豚骨ラーメン食べたほうがいいし、牧場行ったら搾りたて牛乳飲んだほうがいい。
俺もそう思ってるけど、なかなか体はそうはいかない。
「最悪コンビニでも良い」なんて、口が裂けても言えない。
まぁ食べれば美味しいんだろうけど、その壁が高い。

・もしも俺が外食好きだったら・・・という世界線を考えてしまうところ

外食好きだったら、もっと世界は広かったんだろうな〜と思う。
一人で謎な飲食店入ったり、奥さんとも色んなお店に行けてたと思う。
「人に気を遣わせてしまっている」という思い込みが、より苦手に拍車をかけているのかもしれない。
しかし、思い込みだという自覚があるのに、直らないもんだね。

05. なんと飲食業界に入っちゃった

苦手だったはずの飲食業界に、気付いたら自分が入っていた。
外食恐怖症の人は真っ先に避けるだろう業界に、真っ向で突っ込んでから、早1年と8ヶ月。今はこう感じている。

・楽しそうに食事している人を見て矯正したい
・自分と同じ考えで悩む人でも、飲食で働ける道を示したい
・飲食大好き好きくんじゃない人にも優しいテーブルを作りたい

それに、この業界に入って大きく変わったことが一つ。

・美味しい店をインストールさせてくれる

さすがは飲食人。色んな美味しい店を知っているし、連れて行ってくれる。
そのお店を自分にインストールすることで、新しいお店を開拓できる。
一品でも食べることができれば、それが知っている味になり、次にそこに行ってもそれを食べれば良いという安心材料になる。良いループの完成。

ちなみに、連れて行ってもらって衝撃的に美味かったお店に、次の日に奥さんを連れて行って、2日連続全く同じメニューを食べたことがある。
(80へぇ)
実際に聞いてみた。
『はい、確かに私は以前、44apartmentの「ホワイトボロネーゼのクリームパスタ」、いまがわ食堂の「ごまさば丼」をインストールした翌日に、妻を連れて2日連続で食べたことがあります。』

06. 自分なりの解決策

このnoteがズバリ解決策である。

周りの人に、外食に苦手意識があることを知ってもらう

自分の場合は、これが正解だった。
病院にも行ってないし、薬ももらったことがない。
だから、たいして重い程度ではないんだと思う。

でも、これを公言することによって、以下のことが起きた。
・万が一残してしまっても、合法的に残すことができる
・ご飯の誘いに一回クッションを挟んでくれる
人に気を遣わせてしまっているのは変わりないが、公言したことで、心に羽が生えたくらい軽くなった。
これも執筆しながらも、ドンドン心が軽くなっていってる。

07. もし周りに外食恐怖症の人がいたら

まずこんな恐怖症があることを知ってほしい。
ぜひ、インストールさせてあげてほしい。
そして食べても全然平気だったという、成功体験を作ってあげてほしい。
もしその人が食べられなくても、気にしないでほしい。
そして苦手なのに連れてきてしまった、と後悔しないでほしい。

そんな、ネオ・フードダイバーシティなテーブルを目指して、今日も飲食業界で働きます。

最後まで読んでくれてありがとう。

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