『零戦 その誕生と栄光の記録』を読んで
今までジブリ作品には興味はあったが見たことがなかった。自分がサンテグジュペリが好きということで知り合いに『風立ちぬ』と『紅の豚』を勧められて見た。
『風立ちぬ』を見た感想は文学的な映画だなと感じた。行間を読むように考えながら見ないと読み取れないことがあるように思えた。そして、主人公の狂気的な程の飛行機のうつくしさに対する思いに感動した。
そこから映画『風立ちぬ』は、2つの原作があることを知った。そのうちの一つが堀越二郎著『零戦』だ。Amazonで注文して翌日に届いて読み始めた。
簡単なあらすじ
零戦の主任設計者である堀越二郎自身が当時の記録を元に不可能と思われた要求に対し常識に光を当ててアイデアを生み出し、零戦完成までの過程を書いた記録
読んで感じたこと
・こだわりそのものこそが個性じゃないか?ということ。人それぞれこだわるポイントは違っていると思う。自分の経験からも「ここはゆずれない」と思いを込めてこだわってやりきったものは自分らしさが存分に出たと思うし満足感も高かった。
・不可能な要求があったから不可能と言われた ゼロ戦が生まれた。
・詰まったら常識と考えられているものに光をあてて、全てを常識と理論を結びつける作業をすると思わぬアイディアが浮かぶ
『われわれ技術に生きるものは、根拠のない憶測や軽い気持ちの批判に一喜一憂すべきでない。長期的な進歩の波こそ見誤ってはならぬとわれとわが心をいましめつつ、目の前の仕事に精魂打ち込んだ。』
この言葉一つで読む価値があったと思う程、好きな言葉だ。自分の技術に自信を持ち真面目に目の前の事に挑めと言われているように感じる。自分には絶対の技術を持っていないが技術を持つことの素晴らしさを感じる
・ゼロ戦には防弾性という弱点があった。軽快に細かく動き回って敵機を倒していった。
・何かの真似をするだけでは追いつことは出来ない。真似にプラスαアイディアとかもう一歩先を目指そうとしないと追い越すことは出来ない。
・この本を読んで零戦に感じて間違った認識をしていたことがよく分かった。凄く有名な飛行機だから当時最強の飛行機かと思っていたが防弾性という弱点が確かにあったということ
最後に
過去には堀越二郎のように戦争の道具となることを理解しながらもより強い飛行機を作ろうとした人がいることが知れて良かったと思う。本物の堀越二郎には会うことは出来ないがきっと真面目な人なんだろうなって思いながら読んだ。この本は零戦の凄さを伝えるだけでなくしっかりと弱点も書かれていた。また、零戦が出来て飛躍するように活躍をして敗戦に向かうにつれて衰退していく様も淡々と書かれている。
一見難しい本の様に思えるが内容は工学とか全く知らない自分でも理解しやすいように書かれていた。でもこの本では理解できないほどとてつもない情熱と努力が零戦には込められているように感じた。
とにかくいろんな人に勧めたい本です
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