【リース会計基準】リース負債は将来キャッシュ・フローの現在価値
「リースに関する会計基準」が2027年4月1日以降開始する事業年度(2028年3月期)から適用されることが決定しました。
今回は新リース会計基準におけるリース負債について説明します。
1.資産の価値は将来キャッシュ・フローの現在価値
債券(国債、社債など)や債権(貸付金など)に投資する場合、現在価値(時価)で投資をします。
具体的には将来発生するキャッシュ・フローの現在価値を計算し、それを時価とします。
試しに、3年間、毎年100のキャッシュ・フローが発生する債権を評価してみましょう。
【債権の情報】
キャッシュ・フロー:100(年間・後払い)
残存期間:3年
割引率:5%(年率)
債権はDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)で評価します。キャッシュ・フローが発生するタイミングで、その時点の割引現在価値係数(ディスカウント・ファクター)を乗じてキャッシュ・フローの現在価値を計算します。
その現在価値の合計が債権の現在価値(時価)です。
具体的な計算は図表1です。
【図表1:債権の評価】
計算の結果、この債権の価値(現在価値)は272です。
つまり、この債権は272で売買されます。
2.負債の価値も将来キャッシュ・フローの現在価値
基本的な価値(現在価値)の考え方は、負債も同じです。
以下のリースのリース負債を計算してみましょう。
【リースの情報】
リース料:100(年間・後払い)
残存期間:3年
割引率:5%(年率)
まず、リース負債とはリース契約において発生する将来支払債務です。ただし、将来(例えば1年後)のリース料はすぐに支払う必要がないため、将来支払債務として認識すべきなのは現在価値です。
リース負債もDCF法で評価します。具体的な計算は図表2です。
【図表2:リース負債の評価】
先ほどの債権の価値と同じですね。つまり、資産と負債の価値(現在価値)の計算方法は同じです。
このように、リース負債は将来キャッシュ・フローの現在価値です。
ということで、今回は新リース会計基準におけるリース負債について説明しました。
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なお、新リース会計基準について詳しく知りたい人はこちらを参考にしてください。