ずっと変だなと思っていること……M&AのMは必要?
今回は私のボヤキのような独り言です。
皆さんも「これって変だなー」と思っていることありますよね?
私の場合は「M&AのM」です。
M&Aは一般用語なので改まって説明する必要はありませんね。
一応説明すると、M&Aとは、『Mergers(合併)and Acquisitions(買収)』の略です。
2つ以上の会社が一つになる合併、会社が他の会社を買う買収が合わさった用語です。M&Aは合併と買収といいながら、合併を利用するのは皆無です。
なので、M(合併)を外して、A(買収)だけで十分じゃないかとずっと思っています。
ただ、「A」と言われても何のことやら……となることは想像に難くありません。
少し、M&AのMについて書いてみます。
1.合併のスキーム
合併すると2つの会社が1つになります。
合併には吸収合併と新設合併の2つがあります。
実務で利用されるのは吸収合併だけです。新設合併を使うメリットがありません。
違いを説明すると時間が掛かるので、ここでは省略します。
吸収合併のスキームは図表1のようなイメージです。
【図表1:合併のスキーム】
A社(存続会社)の法人格が残って、B社(消滅会社)の法人格は消滅します。
2つの会社(A社とB社)が合併した後はA社(図表1の新A社)が残ります。
合併後、A社の株主、B社の株主はA社(図表1の新A社)の株主になります。
2.合併がなぜ敬遠されるのか
M&Aが実施されるケースは、同業の会社を買収する場合(ロールアップ)、新規事業を開始するための他社買収の2つです。
M&Aのメリットは時間です。
新規事業を開始する場合、事業部を作って人を配置し、営業、製造を一からスタートします。一からビジネスを立ち上げて事業を軌道に乗せるのは非常に時間が掛かります。他社を買収すれば、買収した時点から新規事業をスタートすることができますね。
図表1のA社が事業を拡大するためにB社と合併すると、残念なことにB社株主がくっ付いてきます。
A社やA社株主からすれば、B社株主は要らないのです。
なので、A社はB社株主がくっ付いてくる合併をしようとは考えません。
3.合併は買収後に実施される
A社がB社を現金買収した後(B社株主がいなくなった後)、組織再編の一環として合併する場合があります。
この場合、買収⇒合併という流れなので、対外的には買収(A)しかありません。
企業買収スキームにLBO(Leveraged Buy-Out)があります。これも買収者(SPC)と被買収者(対象会社)が最終的に合併します。ただ、LBOの流れも買収⇒合併です。
つまり、実務においてM(合併)を単独で行うニーズはありません。要らないのです。
いつまで、「M&AのM」を使うんでしょうね。
以上、私の独り言でした。
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合併について詳しく知りたい人は下記を参考にして下さい。