不動産投資とノンリコースローン(その2)
不動産投資を行う際にはリスクを極力低くすることが必要です。そういう意味でノンリコースローンは不動産投資におけるリスク低減策の一つです。
前回に引き続き、不動産投資家が利用するノンリコースローンについて説明します。
3. リスク分散のための利用
キャピタルゲインを目的として不動産投資をする場合、1つの物件の価値が大幅に下落すると、他の物件を購入するために調達した借入金の返済ができなくなります。この場合、他の不動産物件を売却して返済が滞った借入金を返済しないといけません。
複数の物件に投資する場合、1物件の失敗を他の物件で補填するのは避けたいはずです。そのようなニーズに応えるのが、ノンリコースローンです。
ノンリコースローンは1物件の失敗はその物件だけで完結し、他の物件を処分して借入金を返済する必要はありません。
ノンリコースローンは投資リスクを分散するために有効なのです。
4. ノンリコースローンの利用方法
ノンリコースローンで調達をするには主に2つの方法があります。
①責任財産限定特約により、特定の不動産のみを返済対象にする
②資金調達をSPCで行い、SPCで不動産を取得する
①については、金銭消費貸借契約書において、以下の3つを入れて融資を行うことによりノンリコースローンとします。
・責任財産のみを返済原資として行われ、借入人の有する他の資産には及ばない。
・貸付人は、責任財産以外の資産に対して強制執行および保全処分を行わない。
・責任財産をすべて換価・処分しても未払の債権が残る場合には、貸付人は、当該債権を放棄したものとみなす。
②SPCに資金調達する場合、不動産投資に失敗したらSPCが倒産するだけです。買主は出資額以上の損失を負いません。ノンリコースローンです。
【図表2:SPCでの資金調達】
不動産に関しては、②で調達しているケースが多いと思います。
リコースローンとノンリコースローンを比較すると以下のようになります。
【図表3:リコースローンとノンリコースローンの比較】
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今回は不動産投資において活用されるノンリコースローンについて解説しました。
ノンリコースローンを利用した方がリスクを低減することができます。
物件の取得額が大きい場合はノンリコースローンの活用を検討してみてはいかがでしょうか?
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<その1はこちら>
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