見出し画像

ラブホテル事件簿!?

地方歓楽街、駅から徒歩3分のラブホテルで清掃アルバイトをしている。パンパンに満たされたコンドームを踏んで今すぐに退勤したい今日この頃である。

物騒な事件が多発している昨今、ラブホテルでの殺人事件などを度々目にするが例えば殺人が起きた場合、火消し点検に向かう我々が第一発見者になる可能性がとても高いのであの手のニュースを見ると背筋がゾッとする。

これは殺人に限らず自殺であるケースも少なくはなく知人の従業員の話だと掃除に入るのに捻ったドアノブの向こう側で首を吊っていた、ということは年に数回あるらしい。

さて、これは未だ謎に包まれた私の体験である。

その日中番で出勤していた私はもうすぐで退勤時刻の25時を迎えようとしていた。
ちょうどその頃ショートタイム(2h)でチェックインをした客が30分程度で退室した為私は最後に一仕事してから帰ろうと606号室へ向かった。

ベッドに赤黒いシミがあったので「生理か?」(よくあること)と思ったがこの部屋は少し異常だった。

赤黒いシミはベッドから点々と風呂場に続いており風呂場を覗くとそこには恐ろしい量の血溜まりが出来ていたのだ。

不審に思いながらトイレを開けてみると便器の前に椅子が置かれておりトイレの中はやはり真っ赤になっていたのだ。

愕然としているうちに私は退勤時刻になってしまい部屋を後にした。

フロントにロッカールームの鍵を貰いに行くと
「606の客、女はお腹押さえて蹲ってて男が抱えて入ってきたんだよー」
とのことだった。

その日の帰り、ホテルの向かいから救急車とパトカーが出ていったのを目撃して何とも言えぬ不気味さを感じながら帰路についた。

謎に包まれたままではあるがあの後風呂場は血が詰まってしまい水が流れなくなってしまったそうだ。
これは我々の想像にしか過ぎないが予期せず孕ってしまった女性が何らかの理由で他者にバレない様、男性と共に なかったことにしようとした のではないか。
真意は分からないのでもしかしたら悪趣味なプレイかもしれないが…。

ここだけの話、例えば「事故」が起きた部屋は警察が入り次第普通に清掃していつも通り売り部屋として客に提供される(もしくはリニューアルという形で名前を変えて営業する)ので曰くが取れることはないという。

全て謎に包まれたまま我々はあれから何度も606号室の掃除に入っている。

いいなと思ったら応援しよう!