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ライドカメンズThe STAGEを見に行こう!

 1月21日追記

オイ!配信あるぞ!現地に行けない人は、配信を見よう!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 いや、マジで、ライドカメンズThe STAGEを見に行きましょう。私は1回が4回になりました(不思議だね)



0.軽い導入


 ライドカメンズ───2024年5月30日にリリースを開始したソシャゲである。悪の秘密結社『カオスイズム』によって、人体改造と記憶改ざんを行われたライダー達とともに、エージェントとして彼らの行く末を見守り、本来の自分を取り戻しに行く彼らをサポートする、そんな物語。

メイン脚本は本家仮面ライダーシリーズを履修したことがある者なら聞いたことがあるだろう、仮面ライダーエグゼイド、ゼロワン、近年ではギーツを担当した高橋悠也氏がつとめている。この時点でプレイすることがわたしの中では決まっていて、その後はアプリの展開次第だと考えていたのだが、

この男が発表された途端、わたしはすべてがおしまいになってしまった。この男、どう見てもディエンドモチーフである(筆者は無類の仮面ライダーディエンド/海東大樹好きである)。
リリース後はそれを抜きにして半年以上この男にメロつき上げているのだが、これが2.5次元作品になるという。いままで色んなコンテンツを追いかけてきたが、ライドカメンズは全ての展開がエグい。駆け抜けすぎている。まさかのリリース1年以内に2.5次元化というスピード感に慄いたのが、去年の9月の話であった。



1.カメステとオタク


 わたしの推しは上記のとおり、海羽静流という男であり、今回のステージには登場しないキャラクターだ。しかし、ライドカメンズというコンテンツの肝は明らかに異常な量のテキスト、ストーリーにある。脚本:高橋悠也の文字を見た時、これは行かねばならないが「まあ、最推しいないしな」と、楽観視してチケット1枚を握りしめ年越しをしたのだが!

これがオタクの過ちである。

 馬鹿野郎。ふざけるんじゃないよ。

 今回参加するのは平和のために戦う仮面ライダーのクラス、ジャスティスライドと、力を求めて戦う仮面ライダーのクラス、マッドガイの2チーム7人、それとそんな彼らと悪の秘密結社がライダーを育成していた施設で同期生だった高塔雨竜。そして、我らがエージェントのスーパー執事藍上レオン。そうそう、久遠瞬十さんも忘れちゃいけないね!

………………誰⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️(当時のインターネット)

 彼らが繰り広げるエピソードがどんなものになるのか。ストーリーにおもしろを見出している者としては、この目で確認せねばなるまい。それが1枚のチケットになったわけだった。


2.ライドカメンズThe STAGE開幕と当日券


 さて、そんなこんなで来たる1月11日。ライドカメンズThe STAGE、通称カメステが幕を開けた。わたしは1月18日の観劇予定だった、のだが。

 えっ?インターネットの評判……良すぎる。嘘だろ?ヤバい。おすすめに流れてくるツイートは好評、好評、好評。リピチケもめちゃくちゃ並んでいるという。ペンライトが物販で売られることも事前に告知されており、軽い冗談として「Gロッソかも」(※戦隊シリーズで行われているシアターGロッソのヒーローショーでは自動制御のペンライトが使用される)などと言っていたのだが……どうやら、それが現実らしい。いや、好きなジャンルでそれが行われることほど嬉しいことないだろ!


 当然ゲネ映像が公開されるわけで、「始まったわね……」という気持ちでこれを再生した。


 バカのツイート?
即落ち二コマもビックリ。翌日は東京に行く予定があり、本命予定と時間帯が被っていなかったため、そこに入れていた予定を蹴って当日券でステに入った。どうしても、どうしても我慢できない時が人間にはある。

 ネタバレ無しで言うと、特撮を追っていたことがある人、特にFLTやFS、素顔の戦士公演に行ったことがある人は分かるであろう、あの、役者本人が出てくるヒーローショーの空気感がそこにあった。

「 変 身 !」

 彼らが戦士に変わるための掛け声があったあと、変身した姿が舞台上に現れる。その瞬間、客席からは「わあっ!」という歓声が上がり、自然と拍手が生まれる。大人も、子供もその場では関係ない。誰もが憧れる、焦がれる、その場にいるひと全員が愛するヒーローがそこにいる。わたしはあの空間を愛してやまない。ぶわりと鳥肌がたち、自然に涙が込み上げてくる。あの感覚は、ヒーローショーでしか味わえない。

本来、テレビ番組の延長であるあの空間は大人では尺が短いと感じる部分もある。それでも満足感はお値段以上であるが。しかし!ライドカメンズThe STAGEさんはそこが違う!2時間40分、確約でございます。長尺が取れるのは、大人向けの醍醐味です。

3.カメステの魅力


 わたしは取り憑かれたようにこの舞台のチケットを順調に増やしている。

その理由がいくつかあって、ひとつは『わたしたちも物語の中に登場させてくれる』ことにある。キャラクターたちはわたしたちのことを「エージェント」「ご主人様」と声をかけてくれるし、場面に合わせてペンライトが光る。傍観者ではなく、当事者にしてくれる。それが暇を与えないというか、緊張感を持って物語に没入できるし、観劇後の良い疲労感を与えてくれる。

 2つ目はアクション。
本家のヒーローショーは多少のアクションはありつつも、変身後にスーツアクターさんが存在する。しかし、ライドカメンズは顔出しの変身態のために役者本人がライダーのスーツを着て、戦闘を行う。ゴロゴロと舞台上に転がるのがニチアサすぎる!ライダーキックをするひとは、何度みても美しい蹴りをするし、稽古量や見えない痣などを考えると、本当に感謝しかない。大きな怪我なく最後まで走り抜けて欲しい〜🥲
スーツを着ながらバク転を行う人もいるし、その様は圧巻である。また、変身しなくても泥臭くアクションを行う人たちもいて、それぞれのキャラクターらしい型があり見応え抜群だ。

 3つ目はキャラクターの新しい魅力を知れること。
 ライドカメンズはテキスト量が多かったり、イベントの頻度が高く、ガシャで引けず入手できていないカードもあってストが読めていなかったりと正直プレイヤーであるわたしでも理解度が低いキャラクターがいる。新しい魅力と書いているけれど、ゲームを知らない人達は個性豊かなライダーに惹かれ、プレイしたくなること間違いなしでございましょう。脚本を高橋悠也氏と、内藤祐介氏のメインスト、イベストを担当しているお2人で作っているからこそですね。本家を書いてる人達が書くの、めちゃくちゃ強いわ。

 たとえば、魅上才悟。
ゲーム版では淡々と、マイペースすぎるほどマイペースに、感情を大きく出さずに喋る。(まあこれは今後別の外部展開があったとしてゲームでしか許されないスピードの喋りなんだろうけど……)しかし、この舞台ではわかり易さもあるのだろうけど、抑えるところは抑え、振れるところは振れる。無機質すぎて、ちょっぴり怖かった魅上くんを、感情は欠落しているけれど、生きている人間だ。と思えるようになった。可愛げを見いだせるようになった。わたしはどうしようもなく人間で、日常のすぐそばにいるヒーローが好きなので、人間だと感じると愛おしく思える、簡単なオタク。(だからスラムデイズが好きとも言える)

2.5次元は好き嫌いの激しいジャンルだとは思うが、わたしはこういうところに魅力があると思う。もっとキャラクターたちのことを愛せるようになるとか、新しい魅力を知ることができるとか。メタ的な楽しみ方だと、「公式が選ぶ役者さんがこの人って、このキャラはこういうイメージなんだなあ」となったり。
これは好みの話なんですけど、わたしは普段二次元ジャンルと接する時、ムチムチだったりガタイがいい筋肉タイプの兄ちゃんには興味を持たず生きてきたのですが、あの〜……伊万里?有?さん?という方?の?阿形?松之助?とかいうキャラクター?ご勘弁願いたいです 助けて貰えませんか?脚とか5億メートルあんだ。兄貴……♡(阿形ドカメロ部⁉️)え、なんかゲーム先行で前の方の席座った時カテコでめちゃくちゃいい笑顔を周辺に向けていてそれを受けてしまったんですが、終わった マジで 範囲デカ攻撃 今俺と目が合ったな?

というように、ノーマークのキャラクターに背後からぶん殴られてみたり。ゲームでは分からない細かな仕草や表情が「ああ、存在しているんだ」と思わせてくれるのが、カメステだけでなく、2.5次元というジャンルのいいところだなあと。質感がね、生まれる訳ですから。

 4つ目はライブパート。
あの、これ最高です(クソデカ太字)。
実家(仮面ライダーシリーズ)から楽曲制作に携わっている方々のオリジナル曲たち。もし朝9時から放送していたら、なんて想像できるいつもの味付けに、ライブパフォーマンス。コーレスもありですから。ステージに余分な物がない代わりに、通常衣装、アカデミー制服に加え、このライブパート専用の衣装もあるのが見どころ。
日替わりデュエットはあまりゲームで絡みが多くないキャラ同士、ある者同士……様々なペアがつくられ、「君がいるから」なんてタイトルでありながら、睨み合ったり、全く仲良くない様子を見せつけてくるペアがいたり、いろんな楽しみがある。

5つ目。
俺のレオンが可愛すぎる。

 
藍上レオン。
廣瀬智紀さんが演じる、コスモス財閥の跡取りである俺僕私エージェントのスーパー執事である。大変愛らしい執事でありながら、仮面ライダーではないために、ゲームだと色んなストーリーにちょこちょこは出てくるけどメインのストーリーはなかったり、ホーム画面に設置できなかったり、寂しい部分がある、の!だが!

こんなもん、あの、…………好きになるけど。なんでエージェントさんはこのベリベリイケメンキュート最強スーパー執事と四六時中ともにいて気が狂わない?俺だったら、レオン、結婚しようか?と口を滑らせてしまうだろうが レオン、俺の方が愛してるんだけど

大仰な、わざとらしいような身振り手振り、ムードメーカー、コメディ担当。何をやらせてもピカイチ、我らがスーパー執事。エージェントたちは各々好きなライダーがいると思いますが、やっぱりみんな自分の執事たるレオンさんのことが、大好きなわけじゃないスか。エージェントたちは絶対レオンに会ってくれ頼むマジで頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む頼む絶対いるから めっちゃいるから わたしたちのレオンが。そこに。



4.カメステを見よう


 この記事を読んでいる方は、ライドカメンズに興味がある/プレイをしている方、またはカメステを「見た側」の人間だろう。

見てない人は今すぐチケットを取れ
見た人ももう一度取れ

お前はカメステに行け(阿部寛の画像を添付)

絶対後悔しないと思うから お願いします次に繋げましょうよ 全員三次元に召喚しましょうよ その際はわたしが海羽で泣いてるところ見せてあげるからマジで、迷っている人は絶対に行った方がいいです。

東京千秋楽は今週末、平日の公演もまだありますので是非、マジで、絶対見てほしい。私なんかの言葉では伝えきれない魅力がまだまだあって、二次元に落とし込まれてはいるけれど、確実に、紛れもなくこの作品は仮面ライダー作品だって、そう言いきれます。ジャスティスライドさんはいつだって、仮面ライダーの矜恃の話をしておりますので。
9800円って、なかなかのお値段だとは思うのですけれど、それ相応の感情があなたのなかに、絶対に生まれると思います。そしてよければたくさんの感想を見せてください。これからも様々な展開をしていくであろうライドカメンズの波を、皆で乗りこなしていきましょう。

大阪もこれから始まりますしね!それと、超英雄祭では同士の皆様方、クソデカコールで行きましょう。ステは都合がつかないけど超英雄祭はいくという方々は、是非超英雄祭で彼らの魅力を知ってもらいたいと切に、1プレイヤーとして、エージェントとして願うばかりでございます。






5.おまけ(ネタバレあり!)

観劇後推奨です







※ステ後の話。一人称わたしのエージェントと才悟が出てくるSSです。わりとうろ覚えで書いてるから間違ってたら、スマン なんか、載せる場所なくて……


誓いを君に

形見の石を握りしめる。

今日は久遠瞬十───わたしを護り、命を落とした『仮面ライダー』の月命日である。

「レオンは待ってて」
「承知いたしました。ご主人様、どうかお気をつけて」

 お気をつけて、とは。
まあ……カオスイズムにいた人間のお墓参りに行けば、もしかしたら目をつけられるかもしれないか。どうやら、わたしの首は彼らにとって上等なものになっているらしいし。

 久遠瞬十の死よりひと月。白波一、千戸瀬数馬、万丈目恒臣の三人は受けていた治療にも目処が立ち、近日中にも然るべき処分を受ける予定にある。カオスイズムの洗脳……というより、信仰のような状態にあったから、罪の重さに見合った処罰があるかどうかは怪しいが。

「誰かもう来たのかな」

 瑞々しい百合に菊、竜胆。細かな手入れをされている様子を見るに、深水くんと蒲生くんかもしれない。お花、多くなくてよかった。見栄えが悪くならないようにカーネーションと菊をそっと足す。うん、これなら大丈夫かな。

「エージェント」

 手を合わせ終わり、目を開く。立ち上がると澄んだ声がわたしを呼んだ。

「わ、魅上くん。こんにちは、1人なんだね」
「ああ」

 沈黙。
あの時深水くん選んでくれたものと同じ、小さな白色。魅上くんはかすみ草の花束を持っていた。彼もしゃがみ、久遠さんへと手を合わせる。

「……わたし、無力だなって思ったの」

 何故か、そう声に出してしまった。

「なぜ?」

思いのほか大きな声になってしまっていて、魅上くんの方を見ると、立ち上がった彼は、無垢な瞳でわたしを見つめていた。この目でまっすぐ見られると、背筋が伸びる。

「守られてばっかりだなあって。わたしがいなければ、彼は命を落とさなくて済んだかもしれない」
「……だが、キミがいなければオレたちがあのカオスワールドに囚われたままだったのも確かだ。そういえば、きちんと向き合って言っていなかったな。ありがとう、エージェント。助かった」
「あはは……。ありがとう、魅上くん。けど、このままじゃいけないなって、そう思ったんだ。だから、あなたの命を無駄には絶対しない。今日はお参りもあるけど……二度と同じことは起こさないって誓いにも来たの」
「……そうか」
「だから、魅上くん。……これからも宜しくね」

 勝手かもしれない。けれど、ジャスティスライドのみんなとなら、魅上くんとなら。

手を差し出せば彼はわたしと、差し出した手を交互に見てから、またまっすぐ、わたしを見つめ、その手を取ってくれた。

「ああ。こちらこそ、宜しく頼む」

「よし!久遠さんにも魅上くんにも決意表明できて心の整理ができた!もっとエージェントとして頑張らなくちゃ。……行こうか?」
「ああ。なんだか無性に、水が飲みたくなってきた」
「ふふ。レオンを待たせてるから、仮面カフェに来る?」
「いいのか」
「もちろん!」

 そう言ってわたしがお墓に背を向け歩き出すと、トントン、2回。背後から地を鳴らす音。彼の癖を無意識で真似ているのか。魅上くんがそうするようになったことを、わたしだけが知っていた。


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