香川1区、本当に勝ったのは誰だ?
2021年10月31日の衆院選最大の注目選挙区が、「香川1区」だった。
ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の主人公である立憲民主党の小川淳也さんと
自民党の平井卓也前デジタル担当相の仁義なき戦いがあったからだ。
結果は、小川さんが2万票近くの差をつけて圧勝した。
東大から自治省(現総務省)を経て、独力で選挙に打って出た在野の熱血漢である小川さんと、
地元香川を牛耳る四国新聞の創業家の御曹司で代々政治家でもある家系の世襲議員である平井さんの戦いは、
大変興味深い。
小川さんが平井さんに勝ったのは、民主党が政権を取った2009年のみだった。
前回2017年選挙で約2000票差まで迫った小川さん。
「なぜ君は総理大臣になれないのか」は、日本を代表する世界的な映画監督だった大島渚さんの息子の大島新さんが監督。
この映画が作れたそもそものきっかけは、大島新さんの奥さんが、小川さんの奥さんと香川県立高松高校の同級生だったことから始まっている。
大変優れたドキュメンタリー映画で、この映画を見ると必ず小川さんを大好きになるというある意味すごい映画。
平井さんは、自分をおとしめるための映画と強く非難しているが、非難には当たらないだろう。
なぜなら平井さん自体が、実家である四国新聞グループの絶大な力を使っている政治家だからだ。
今回の選挙で改めてメディアの力を思い知ったが、
実際平井さんは、大島新さん一人にやられた感じだろうな。
12月公開の続編映画「香川1区」もヒット間違いなしだから、結局大島新さんの一人勝ちかも知れない。
圧倒的な地元メディアの力で勝ち続けた平井卓也さんに対して、映画というメディアで撃破するという痛快な結末で、現実が映画を超えた瞬間を作った快作が「なぜ君は総理大臣になれないのか」という映画のすごさだ。