《公演中止の理由》と《新企画立ち上げの理由》についてのご説明

ここでは以前よりSNSなどでお知らせ致しておりました『カカフカカMULTIVERSE』の中止の理由と、新たな企画を立ち上げた理由につきまして詳しくご説明をさせて頂きたいと思います。

少し長くなりますがご容赦ください。

新企画に伴うキャスト変更について

まずは企画中止から新企画の立ち上げに伴い、何名かの役者の方々とご一緒できなくなってしまいましたということをご報告致します。

全ては当方の都合によるものです。役者の方々には大変ご迷惑をおかけしてしまいましたのにも関わらず、あたたかい励ましのお言葉を全員の方から頂き、本当に当方には勿体ない出会いでございましたことを噛み締めております。
いつかまた機会がございましたら、是非ご一緒させて頂けたらと願うばかりです。

『カカフカカMULTIVERSE』の中止の理由 

中止の一番大きな理由としましては《クオリティの担保》が難しくなってしまう可能性が出てきてしまったことにあります。
合計4時間を超える内容が最近のカカフカカの本公演の形でしたが、今回も同様に2バージョンで合計5時間ほど、20数名のキャストが入れ乱れる約150本のコント、これが『カカフカカMULTIVERSE』の予定でした。 

これを作り上げるため、これまでの経験に基づいて試算した稽古日程を予定していましたが、昨今の新型感染症拡大の現状により、それらを全うすることが難しくなってしまうかもしれない、と、考え始めたのが11月下旬頃でした。 

すでに脚本はほぼ完成しており、キャスティング作業を進めていた段階でしたが、もしもこの先感染がさらに拡大し、稽古場の確保の困難など、クオリティに直結してしまうような事態は公演を打つ側、そして見る側のお客様、双方にとってよろしくないことです。（依然として都内の稽古場は利用人数定員を半数にしているところがまだ多いです） 

ではその状況に合うよう多少の軌道修正をすれば良いのではないかとも考えましたが、台本の内容的に改変が難しく、諦めざるを得ませんでした。

そのような理由もあり、先が読めない状況ではありましたが、『カカフカカMULTIVERSE』という台本を使った公演は中止とし、新たにこの状況に即しながらでも進められる内容に再構築しようという決断に至りました。

周りくどくなってしまい大変申し訳ありません。公演自体を中止するという意思は最初からありませんでした。
ただ、あの台本を元に集まって頂いた座組みでしたし、新企画ではメンバーも多少なりとも変わりましたので、けじめの意味を込めまして一旦中止のご報告をさせて頂いた次第です。

再構築した公演の内容

《十分な感染症対策を実施しつつ、最大限のパフォーマンスを発揮することができる舞台づくり》を第一義にした内容に変更することにしました。

幸いにもマルチバースの尺から溢れたコント台本が十分にあったため、その中から濃厚接触が過ぎる内容や、大人数が一度に会するもの、役者が大声で叫び続けるもの、などの内容を精査しました。
それらがまったく無くなりますと舞台として大変つまらなくなりますので、量を制限して選出することにしました。
すると稽古のし易さも格段に上がります。対面稽古を減らしてリモート稽古の割合も増やすことができました。

タイトルを『カカフカカMANIAC』とした意味

派手な演出などを制限し残ったコントを並べてみますと、今まで何度も槍玉に上がっては結局はボツになってしまったものや、自分では面白いと考えるもののお客様にはどうだろうと二の足を踏んでしまったものなど、いぶし銀と申しましょうか、一言で表すなら『マニアック』という言葉がピッタリだと考え、タイトルに至りました。

いつもとは少し違った雰囲気のカカフカカ企画をお楽しみ頂けるかもしれませんし、「なんだ、いつもと変わらず内容が無くてくだらない」とお叱りを頂くかもしれません。
しかし何よりもこの言葉をタイトルにすることによって、「いつにも増して笑えないな」などといった有り難いご意見から鮮やかに私の精神を守ることができそうだなというのが本音でございます。

最後に 

一旦中止を発表したものをすぐに撤回し、新たな公演のお知らせをすることになってしまいましたことには深く反省致しております。

中止となってしまった『カカフカカMULTIVERSE』はいつの日か皆様にお披露目できたらと考えておりますし、新たにスタートする企画も、必ずや皆様にお楽しみ頂ける内容となるよう全身全霊をかけて臨む覚悟ですので、もし宜しければ会場に足をお運び頂けましたらこれ以上の幸せはありません。 

もちろんのこと、役者の体調管理や会場の感染症対策は万全にして一同お待ち致しております。

カカフカカ企画　高山 銀平