コント『塞ぐ』の解説 20 高山銀平(カカフカカ企画) 2020年4月13日 13:05 ※※ どうぞ動画を見てからお読み下さい ※※コント『塞ぐ』2008年6月 カカフカカ企画第19回本公演『セサミストレート』にて上演(カカフカカベストコント円熟編に収録)それまでのカカフカカコントのほとんどはキャラもの(パロディ)ばかりで、この『塞ぐ』に関しましては如何に最後の連続キスのくだりまで《つまらなく》見てもらうかかが課題でした。どこにでもいるような人物たちやその設定、演技を大袈裟にせず坦々と3分ほど経たせ、観客を大いに不安にさせる、いわゆるハードルを下げてオチを爆発させる狙いです。特にカカフカカ企画は早稲田大学のサークルを卒業したばかりで、外小屋での一発目の公演、そしてこの『塞ぐ』がまさにその初っ端を飾るものでしたので、常連のお客様の中には「あ、こいつら、外に出て格好をつけたな」と落胆された方もいらっしゃったことでしょう。申し訳ありませんが我が手中でした。テクニカル的に重要なのが《動線》です。セリフの稽古に比べて段違いに動きの稽古をした覚えがあります。注目してご覧頂けたらと思いますが、《次々にキスをしていく男》は実はそこまで動いてはいません。キスをされてしまうキャラクターたちの方が、まるで光に吸い寄せられる羽虫のごとく男に近づき、漏れずにキスをされた後、次にキス待ちのキャラクターのためにスペースをさりげなく譲っていくという、日体大の集団行動のような美しい動線を描いております。打ち上げの席で初参加の役者さんが打ち明けてくれました。僕が言った「セリフは棒読みでいいから、とにかく動線を体に沁みつかせて」という謎の指示に大いに戸惑ったそうです。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #演劇 #コント #カカフカカ企画 20