【政策参与のおはなし(その5)】日野町ワクチンメーターについて(2021年6月28日定例記者会見)
今回のおはなしの経緯
2021年6月の定例記者会見で「日野町ににおける新型コロナ対策の状況」について発表することになり、「日野町ワクチンメーター」の部分の説明をさせていただきました。以下は、お話したことをわかりやすくするために、補足しています。
日野町ワクチンメーターの考え方
町民の関心の高い接種状況をタイムリーに共有
町民のみなさん、接種状況がどうなっているのか、日々報道機関から発信されている情報と日野町の状況と比較してどうなのか関心が高いと思います。
その報道は日々されていますので、町からの公式の発信もタイムリーでなければなりません。したがって、当日更新かつ自動的に反映することが重要です。なお、こうした簡便に更新できるというのは、自治体唯一ではないかと思います。
政府においても、同様の考え方でデータを集め自動更新をする仕組みを取っています。日野町も同様ですが、他の自治体はなかなかそこまではたどり着いていないところであります。
その結果、更新されると町民さんがホームページにアクセスしている状況であるとわかっております。ワクチンメーターがある前は、役場の職員に対して「今接種状況はどうなっているのか」とよくお問い合わせいただいていたようです。
ですので、ホームページをご覧いただくようになりましたので、問い合わせ対応に係る職員の負担軽減にもなっていると思います。町民さんも、わざわざ役場に問い合わせをしなくてもいいですし、職員もお問い合わせいただけばお答えしていると思いますが、ホームページでこうしたご案内ができているというところに特徴があります。
今後もワクチン接種や感染状況も日々変わってくると思いますが、ワクチンメーターもそれに対応して変えていくつもりです。
数字の羅列ではなくてグラフを用いた見える化
次の特徴としては、グラフを用いるということですが、これはたくさん説明するよりも実際に見ていただいた方が早いというものです。
また、実際にアクセスしていただくと、パソコン・スマホいずれの方法でご覧いただく場合に合わせた見え方・使い方に合わせています。マウスなり指で触っていただくとグラフがそれに対応する、つまりストレスなくご覧いただけるようにしております。
扱うデータの種類について
当町において日々接種している現場のデータを使っています。VRSのデータもありますが、こちらの方が格段に早いという判断です。
ただし、今後接種年齢が拡大するに伴ってデータの集め方は変わってきます。日々更新を続けていく上で、そうしたことに対応できるように設計しています。
こうしたデジタルツールを扱う上では、ただ見栄えをよくするというのではなくて、その裏側でどういった仕組みで作るかを十分考慮した上でやる必要があると思います。
そうした設計を説明するために、ワクチンメーターのVer.1とVer.2で説明しますと、5月28日からスタートしてVer.1は、その時点で搭載できるデータでスタートしています。今は、1回目2回目といった接種区分がありますが、当時はそうではなかったのでトータルでの接種率で表現していましたが、6月21日からは接種数を区分した上で、国・滋賀県のデータとも比較できるようにしました。
また、グラフから日ごとの接種数はわかるんですが、数字であった方がいいというお声をいただきましたので表形式でお示しするようにしています。
(注)なお、現在でもVer.1のワクチンメーターもTableau Publicのダッシュボードには掲載をしています。
他の団体はどうなっているか?
政府の場合
政府は、Tableauという日野町と同じツールを使っています。データは多少違いますが、設計の考え方は同様のものです。
自治体の場合
自治体ではおそらく最初にワクチンメーターを始められたのは東京都品川区さんではないかと思いますが、自治体によって作り方は様々です。
ちなみに滋賀県ではワクチンメーターのようなものはありません。
【滋賀県】
日野町のワクチンメーターは、品川区のものを見て、作ることを考えました。
【東京都品川区】
【札幌市】
【東京都目黒区】
目黒区は、Googleスプレッドシートの形で公表しています。
【埼玉県戸田市】
戸田市では、庁舎のモニターで表示する他、元データをオープンデータとして公開しています。
ワクチンメーターの現れ方とその設計
こうした各地のワクチンメーターを見ていくと、表現方法が違うと思います。情報の設計をして、どのように表示するか、そしてそれをどのように更新していくかの違いが現れているものです。
これは良し悪しではなくて、それぞれの自治体が住民に情報を提供するために実施しているもので、少しずつ状況に対応して最適なものをお届けするために、切磋琢磨というかパクリ合いをしているのではないかと思います。
日野町の場合
日野町の場合の設計は、以下の図のとおりです。
使っているツールは、いずれも無料のものです。もちろん調達をして費用をかけてやることもできますが、町民にいち早くお届けするためにすぐ取り組めるものではじめました。
情報は左から流れていきます。
Google Sheetsへ毎日の接種実績や国・滋賀県のデータが連携されていきます。Google Formsという入力フォームを介して入力されたり自動連携されたりしますが、これはオンラインで使えるエクセルと思ってください。
Google Sheetsに入力されたデータが、グラフ化するツールであるTableauに読み込まれてグラフになります。元のデータが更新されると、Tableau上のデータも自動更新されます。
例えば、昨日もそうでしたが、新しい数字が入力されると、グラフを改めて作成するものではなくて更新されたデータでグラフができます。日野町のホームページにはそのグラフを埋め込んでおりますので、接種実績の数字が入力されるとホームページのグラフも自動で更新されるという訳です。
やっていることは、数字を把握すればグラフが自動的にできる、それをみなさんにお届けするというものです。以上、ワクチンメーターのご説明でした。