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統計検定を受けてきた話

今日は単なる日記のようなお話です。
「病休の間に何か目標を作っておきたいな」と年始頃に思っていたので、これまでユーザーとして使用していた統計について、数学的な部分も理解していこうと統計検定の受験をしてきました。
どんな感じだったのかについて少しご紹介したいと思います。


受験のきっかけ

これについては前書きの通り、「研究のデザインに合わせた統計手法の選択は出来るようになったけど、いまいちその理論的な部分はわかってないなぁ」と常々感じていたので、数学的背景も踏まえて、「統計学」という学問を体系的に勉強しようと思ったことがきっかけです。

研究者って、単なる統計ユーザーなので、数学的背景の理解ってどこまで必要なのか?という部分もあるのですが、「理屈はよくわからないけどこの手法で解析しました」というのもカッコ悪いな…と思っていたので、病休期間は腰を据えて勉強するにはちょうど良い期間でした。
カリカリと計算するのに没頭していると、余計なことも考えずに済みますしね(笑)。

統計検定は4級から1級までありまして、それぞれのレベルについては公式の説明を読んでもらうのが1番ですが、個人的な感覚としては

4級:高校生レベル
3級:共通一時試験(センター試験)レベル
2級:理系学部1~2年生、文系学部学士
準1級:一般理系学部学士、数学系学部3~4年
1級:数学系修士?(レベルが高すぎて想像がつきにくい)

くらいのイメージでした。
1つ1つ進めていきたい性格でしたので、ひとまず3級と2級合格を目指して勉強を開始しました。

学習の進め方

「お前博士号持ってんのに何やってんだよ」と言われてしまいそうですが、お恥ずかしながら僕自身の数学的素養はひどいものでして、統計解析の際はSPSSやRにお任せな統計学素人でした。
お作法的にどういう解析をしていけばよいのかについての知識は知っていますが、解析の前提となる確率分布であったり、実際の数式部分についての理解はお粗末なものでした。
ですので、まずは基礎固めということで、公式のテキストを読み進めることから初めて行きました。

3級レベルであれば、「そうだったそうだった」と過去の記憶を呼び起こしながらすぐに理解していけたので、テキスト付属の練習問題を2周ほどこなして、過去問集を解き始めました。過去問集も3周もすればほぼ理解できたという感覚で、曲がりなりにも統計を触ってきたおかげでかなり学習が助けられました。総学習時間は15時間程度でしょうか。

2級に移りますと、一気にレベルが上がった印象でした。3級までは正規分布と二項分布を押さえておけばよいのですが、2級からはポアソン分布であったり、標本分布などの理解、数式の理解も必要となるため、これまで研究の際に自分がいかに曖昧なまま進めていたのかが痛感されました。
幸い、仮説検定や分散分析といった具体的な解析手法の部分については、これまで触れてきた部分だったので、比較的理解がしやすかったです。
やはり実務とリンクさせるのがスムーズな理解に必須だなと感じながら、電卓をたたいて計算していました。
教科書レベルの簡単な微分積分の知識は必要でしたので、いろんなサイトを参考にしながら思い出していました。

2級については、テキスト練習問題を3周、過去問集3周で概ね理解ができたかなという感覚でした。ただ、問題文の読みが甘く、計算方法を別の手法で進めてしまうようなこともあり、問題文を丁寧に読んで、自分がその状況でどう解析を進めていくか?ということをイメージしながらケアレスミスを防ぐことが必須、というような状況でした。
脳死状態でも解けるようなスキルレベルでの理解はまだで、考えながら解いていくルールレベルでの理解、というような状況でしょうか。3級で学習した内容もかなり重なっていたので、2級の総学習時間は20時間程度でした。

結果としては、3級・2級共に無事合格することが出来ました。久しぶりの「試験」というものに緊張しました(笑)。

統計ユーザーが統計検定を受ける意義について

果たして単なるユーザーである研究者が、統計学を体系的に学習する意味はあるのか?という点ですが、これは確実に意味があると思います。

例えばなんですが、研究データの解析をする際につきものともいえる「外れ値」についても、その外れ値の取り扱い方についてはほとんどの研究者が理解していると思います。しかし、その外れ値がどのような数式の下で判断されているのかの理解となると、おそらく半分程度になってしまうのではないでしょうか?
その外れ値の意味を数学的にも押さえておくことで、外れ値に対する見方が変わってくるというのは、その分野についての知識が増える毎に現象の見方が修正されていくことが日常の研究者であればすんなりイメージできるかと思います。

今回私は自分の学習の成果を何らかの形として残しておきたかったので、統計検定の受験をしましたが、検定受検の有無は別として、統計学を勉強しておくのは統計解析を行う者として必要だなと感じました。

準1級までは知識として持っておきたいなと考えているので、また時間を見つけて準1級の勉強もしていこうと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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わっち
慢性的に研究費が不足しています。よろしければ応援お願いします。