論文投稿先の選び方2
本日は、以前の記事に引き続き、筆者が論文投稿先を選ぶ際にどのように探しているのかについてご紹介したいと思います。
前回の記事も合わせてご参照ください。
論文をどこに投稿するか
前回の記事でも記載しましたが、筆者は論文投稿先として必ずオープンアクセスのジャーナルを選ぶようにしています。
ただ、注意点としまして、近年増えてきたこのオープンアクセスジャーナルですが、粗製濫造されていることがあります。いわゆる「ハゲタカジャーナル(predatory journal)」と呼ばれるジャーナルですね。
私の知る限りでは、このハゲタカ達はまだ看護分野にはあまり侵出してきていないかと思うのですが、医学系ジャーナルには散見されていますので、「関連する分野かと思い投稿してみたら、実はハゲタカジャーナルだった」ということがありうるので、投稿する際には十分注意が必要です。
そこで、ハゲタカジャーナルを避けるために、筆者が確認しているポイントをご紹介していきます。
DOAJシールがついているのか?
オープンアクセスという形態が生まれて以降、次々と新たなオープンアクセスジャーナルが作られました。大量にあるジャーナルの中で、どのオープンアクセスジャーナルが信頼できるものなのだろうか?と考える際の1つのポイントがDOAJ(Directory of Open Access Journals)への収録がされているのか、またDOAJシールがついているジャーナルなのか?という点です。
上記がDOAJのサイトになるのですが、ここには世界中のオープンアクセスジャーナルの中から、ある程度信頼がおけると審査されたジャーナルが収録されます。そのため、創設されたばかりのジャーナルは収録されませんので、歴史の短いジャーナルの場合はここに収録されていない可能性がある点には注意が必要です。J-stageのDOAJに関する記事リンクも貼っておきます。
以下、使用方法も併せて説明をしていきます。
DOAJのリンクより移動後、上画像赤矢印の部分には自分の研究に関連するワードを入力します(例としてNursingを入れています)。ここにジャーナルの名前を直接入れてもOKです。
すると、関連するオープンアクセスジャーナルジャーナルが322誌出てきました。
次に、「With a DOAJ Seal」と書かれているボックスをチェックします。
これがDOAJシールというもので、このシールはDOAJに収録されているオープンアクセスジャーナルの中でも、特に信頼性の高いジャーナルにしか付与されないマークになります。
チェックを入れるとさらに絞られ、12誌が残りました。このシールがついているジャーナルは特に信頼性の高いジャーナルになりますので、この中から投稿先を選んでいくとより安心して良い、というような形になります。
筆者は投稿先を選ぶ際、
1. DOAJシールが付与されているジャーナル
2. DOAJに掲載されているジャーナル
の順で選んでいきます。ただ、DOAJシールがついている雑誌はかなり限られているので、少なくともDOAJに収録されているのかという点は確認しています。
まとめ
世の中には大量のジャーナルで溢れています。もし故意ではなくともハゲタカジャーナルに投稿、掲載されてしまった場合、自身のキャリアにも傷をつけてしまいます。
そうならないためには、論文投稿先を十分に吟味して選んでいく必要があります。今回は吟味する際の1つの視点としてDOAJの紹介をさせていただきました。
もちろん、ここに掲載されていなくても良い雑誌は存在します。ジャーナルの様々な指標も併せてみていくことも大切です。
「Scimago Journal Rank」で使用されている指標などもありますので、また次回はそれら指標についてもご説明していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?