2022.04.30 耕作放棄水田の復活とビオトープ化〜準備編(前編)
耕作放棄水田の利用を開始
内子町池田地区の耕作放棄水田を使わせて頂き、今年から無農薬の稲作と、ビオトープでマコモ栽培を始めることにしました。と言っても経験ゼロなので今年は実験の位置づけです。
使わせてもらっている田んぼは2箇所。一箇所は前回草刈りをした広い場所で、こちらはすぐ裏が山でイノシシのヌタ場になっているとのことで、稲作はやめてビオトープ化してマコモやクワイを植えてみます。(A水田)
もう一箇所は、もう少し道路に近く定期的に草刈りしてきた場所なので扱いやすいためトラクターをいれて一度耕しており、ここで無農薬で稲作の予定です。(B水田)
前回は、荒れていたA水田の草刈りを行なって鹿肉パーティーをしました。
B水田:水路の補修、水漏れ対策
今日は、B水田の代かきの予定でした。しかし現地に着くと、Wさんに「水漏れしてるので補修を先にしないといけない」と聞きました。まずは、水漏れ対策をするにあたり、土砂や枯草で埋もれていた水路を水が通るようにしました。
水路が復活して水が流れたので、水漏れを治そうと確認したらなんと水漏れが止まってる!?土砂かきしてたら土が穴に目詰まりしてうまいこと水漏れを防いだのかもしれません。ラッキー🤞
B水田:苗床準備
次に苗床の予定の場所を耕してならしました。育苗箱ではなく苗床で育苗するのもチャレンジです。
昼食:鹿肉BBQでダラダラ食べる
お昼は鹿肉のBBQ🍖。ダラダラ話しながら食べていたらあっという間に2時間以上経ってしまいました😅 タケノコを焼いて食べたり、買ってきたイチゴをつまんだり、贅沢な時間です。
A水田:マコモとクワイ植え付け
お昼の後は、前回草刈りした後に水を引いたビオトープ化したA水田に、マコモとクワイを植えました。前回の草刈りの刈草が多数残っていたり、セイタカアワダチソウが生えていたりしたので、必要な場所は草を引き刈草をどけながら場所をつくり、そこに苗を植えていきました。
ここも水漏れがあったのでその補修も平行して行いました。
本来なら、セイタカアワダチソウを始めとするすべての雑草の根を一度取り除き再構築するのが定石です。
しかし、今年は時間がとれずにそこまで作業ができません。そのため、とりあえず水を入れて湿地化し、部分的にマコモやクワイを育ててみようという計画ですすめています。
今年はテストなので、マコモもクワイもともに少量の苗しか用意していません。数が少ないので、すぐに植え付けが終わると思っていました。しかし、刈草や生えている雑草が大量なので、処理しながら植え付けをしていると、あっという間に時間が経過してしまいました。
それでも、なんとか用意していたマコモ10本、クワイ約20本を植えつけ完了。
A水田:沢山の生き物を発見した
A水田は4月上旬から水を入れて湿地化していたので、オタマジャクシやイモリが沢山泳いでいました。よくよく見ると、水生昆虫のマツモムシ、ミズカマキリ、ガムシなどもいました。
2年も田植えしていなかったのに、水を入れた途端に水性昆虫たちがどこからともなくやってきてくれていることに感動しました。
2つの目的、耕作放棄水田の復元+水田生態系保全
この活動は、耕作放棄水田の利用に加えて、近隣に住んでいるクロゲンゴロウやガムシの住む生態系保全も目的のひとつです。
この付近で、クロゲンゴロウやガムシといった水生昆虫を採集したことがありました。どんどん数が少なくなるこれらの水生昆虫の生活場所をどうにか保全したいと考えていたので、今回の話は、もってこいの機会でした。
本当は、愛媛県にタガメを復活させたいと考えています。タガメは農薬に非常に弱く全国的な絶滅危惧種です。残念ながら愛媛ではタガメは絶滅したと考えられており、愛媛ではその願いは叶いません。それならば、せめて残っている生物たちの居場所を作ってあげたいという想いで実施しています。
しばらくは、植え付けた植物の生育と、生き物の調査をしていきます。稲作はまだですが、幸先良いスタートが切れました。
夏には子どもたち向けに田んぼの生き物観察会なども開きたいと考えています。次は苗作り、代かき、田植えと続きます。初めての体験ばかりです。
後編はこちら↓
皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。